【悲報】滋賀のご当地パン『たくあんパン』について滋賀県民に聞いた結果 → 大ウソを吹き込まれて炎上寸前だったでござる
滋賀のご当地パン『サラダパン』を食べてみたいとずっと願っているのだが、人気商品のためか昨年滋賀を訪れた際は購入することができなかった。たまに東京へ来る滋賀の友人が購入を試みてくれるも、なかなかうまくいかないらしい。生モノだしね〜。
そんな折、スーパーの「ご当地パンフェア」で、滋賀のご当地パンだという『たくあんパン』なるものが売られているのを発見した。ちなみにサラダパンは “コッペパンの中にタクアンが入ったもの” として知られる。
これは……一体どういう関係性なのか?
・深まる滋賀の謎
こちらが問題の『薫る たくあんパン』。この日の購入価格は350円(※ フェア価格の可能性があります)。
販売元は『西洋軒』という、滋賀県大津市の企業らしい。創業100年以上の老舗とのこと。ロゴが歴史を感じさせるが、「たくあん」のフォントとのアンバランスさは否めない。否めなさすぎると言ってもいいだろう。
かたやパンフェアには西洋軒の別のパンも売られていたが、こちらは「いかにも西洋軒」といった感じのレトロなビジュアルである。「おもしろ」で攻めればいいの? 「レトロ」をアピールすべきなの?
一体どっちが西洋軒の真の姿だというのか……?
・滋賀県民に聞いてみた
と、頭を抱えていたのも束の間。超ラッキーなことに、このタイミングで先出の滋賀在住の友人が東京へ遊びに来た。ので、挨拶もそこそこに西洋軒について聞いてみた。ねぇねぇ、やっぱさぁ、滋賀っ子ってさぁ、西洋軒のパンで育った感じなワケ〜?
友人「え? 西洋軒って、あの西洋軒のことかな?(←知らん) あそこはおせち料理が有名で、正月が近くなるとよく名前を目にするけど……パンを作っていたというのは、全く知らなかった。普段は仕出し弁当とかを売ってるイメージ」
──いやいや、よく見て! この『たくあんパン』、ものすごいインパクトじゃない? 本当に見たことない? よ〜く思い出してごらん。
友人「う〜ん……ごめん、全く分からない。滋賀のご当地パンは『サラダパン』の一択だから。……あ! あと西洋軒といえば、よく求人が出ているからバイト探しをしてる県民の間では有名かも(笑)。でもパンに関しては、少なくとも私は知らないかな」
……とのことであった。うわ〜マジか。この記事のまとめ方には若干苦労しそうだが、でも県民がそう言っているんだから仕方がないよね。「西洋軒はおせち料理や弁当が有名で、パンも作っていることを知らない県民もいる」……と。
これでいいかな? 念のためネットで確認しとくか。
その結果……
友人の言う「おせちと仕出し弁当が有名な店」というのは、おそらく西洋軒の1文字違いの『南洋軒』(滋賀県草津市)であるという、とんでもない事実が判明した。
・あっぶねえ!!!!
なお西洋軒は南洋軒と全くの別企業であり、こちらは正真正銘のパン専門店。あのノドカな滋賀県内に『南洋軒』と『西洋軒』が存在しているという衝撃の真相……友人が間違える気持ちも分からんではない。むしろ県民でなければ間違えようがないといえるだろう。
ウッカリとんだ誤情報を世界に発信するところであった。あぶないとこやで。
「滋賀ではそこまで有名じゃないかもしれない」という可能性が出てきた西洋軒のパンたちだが、気を取り直して食べ進めてゆくう!!!
まずパンだかケーキだか分からない『トライアングル』(350円)。パンにクリームチーズをサンドし、カステラ生地を塗ったものらしい。パンとケーキの中間みたいなノリ。
「めっちゃウマイ」とか「めっちゃ変わってる」とかではないが、たまに食べたくなっちゃう昔ながらのお菓子! って感じである。どこにでもありそうで、全く同じものはどこにもないのかもしれない。意外と甘さ控えめ。メロンパンみたい。
つづいてウインナーロール風な見た目のヤツ。じつはコレ……
意外にも『ちくわパン』(350円)なのだ。店頭ポップには「大人気のご当地惣菜パン」と書かれている。
第一印象では奇をてらった系パンかと思ったが、コレおいしい!!! ちくわの中にツナを詰めたヤツ、何も言われなければ普通にソーセージだと思うはず。パンは甘くてフカフカ。「ソーセージが高かった時代に庶民の知恵として生まれたものなのかも」というのはあくまで個人的なイマジネーションである。全然違ったらすみません。
・で……!
そして問題の『たくあんパン』……
袋をオープンした瞬間、めちゃくちゃ納豆の匂いがしてビックリした。
これは私が納豆をあまり得意としていないせいもあるかもしれない。要するに “何かが発酵して特殊な匂いを放っている系パン” だ。一般的なたくあんではこうはならない気がするので、燻製系のたくあんを使用している可能性がある。
中身はマヨネーズで和えた何か(多分たくあん)。正直怖い。でも、やるしかない。うおぉぉぉぉぉいっきまーーーす!!!
ムシャポリ……
ん?
お?
実際食べると、納豆ではなかった。
パンは甘めのコッペパン。中身は超細切りのたくあんとマヨ。甘さとショッパさのハーモニー。「うめー!!!」とはならなかったけど、全然普通に完食できた。好きな人は好きな味だと思う。まして昔から食べていればなおさら。
結局のところ、私が憧れている『サラダパン』と『たくあんパン』との関連性については滋賀県民の協力をもってしてもよく分からなかった。また西洋軒が滋賀県内でどれくらいの知名度を誇るのかもよく分からなかったが、分からないものは仕方ない。ただ個性的なパンたちではあるので、滋賀へ行く機会があれば食べてみてくれ。
あと「よくバイトの求人が出ていることで知られる」のが西洋軒なのか南洋軒なのかも不明なままだが、記事的にあまり関係ないので深追いはしない。気になる人は滋賀の求人を調べてみてね!
参考リンク:西洋軒
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.