イギリスは2020年にEUを離脱したので現在の加盟国は27カ国!「EUに加盟する」メリットとデメリットとは?【図解 地理と経済の話】
「EUに加盟する」ってどういう意味があるの?【図解 地理と経済の話】
ヨーロッパが一体となって前進
ヨーロッパ諸国はアメリカやロシア、中国などが軍事・経済面で大国化していくなか、国単位ではこれに対抗することが難しくなりました。そうした状況から生まれたのが、ヨーロッパ統一という考え方です。1958年のEEC(欧州経済共同体)からはじまった地域統合の流れは、EC(欧州共同体)の時代を経て、1993年にEU(欧州連合)として結実します。
政治的結びつきを強めたEU諸国は、共通政策をとることで足並みをそろえます。輸出入に関する制限をなくしたり、パスポートなしの往来を認めたりと、人と物の出入りを自由にしたのもその一環。そして統一通貨ユーロの採用により、共同体としての姿勢はいっそう明確になりました。しかし、統合を強めることに不満を抱く加盟国やその国民もいます。
実際にイギリスでは、EUのルールに従うことで自国の主権が制限されているなどと不満を持つ国民が増えました。そのため、EU離脱の是非を問う国民投票が2016年に行われ、離脱を望む国民が多数を占めたのです。その結果を受けて、イギリスは2020年にEUを離脱しました。
統合によるデメリットはありますが、政治的な垣根がなくなったことによるメリットが大きいのも確かでしょう。
※現在の加盟国は27カ国。イギリスも加盟していたが2020年に離脱した。加盟候補国は9カ国で、ロシアと戦争中のウクライナもそのひとつ。
ヨーロッパ統合のあゆみ
※統一通貨ユーロ:EUの統一通貨。加盟27カ国のうち20カ国で使用されている。自国通貨を使っている残りの7カ国にも、将来の採用義務がある。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』