青物はどんな釣りがお好み? 船から青物をねらう釣り方のアレコレ
青物を釣る! ショアジギングを始めたときに一番ワクワクした対象魚でした。
初めてジグに青物を掛けたとき、1人おろおろして頭が真っ白になり、「釣れるのかな?」「ラインブレイクしないかな?」「タモどこだっけ?」…と不安いっぱいでやり取り。興奮と緊張のなか、初めての1尾を釣ったときの感動を今でも覚えています。
みなさんの初めての「青物釣り」はどんな感じでしたか? 青物をねらうにはいろいろな釣り方がありますが、今回はオフショアでの釣り方をメインに紹介していきたいと思います。
青物釣りは何が楽しいの?その魅力は?
「青物釣り」の魅力はなんといってもあのやり取りの面白さです。
ドラグが「ジィー」と出る快感。そしてロッドが弧を描き、支えている腕が痛くなるほどの強烈な引き。何度味わっても飽きることのない感覚だと思っています。
そして冬になればひじょうに美味しくなるのも嬉しい魅力。天然で10kg以上ともなれば脂が乗り、小皿に入れた醤油に浸けたときには醤油に脂が浮かび、口に入れるととろける美味さです。
私の住んでいる大分県では「リュウキュウ」という郷土料理があり、醤油・みりん・酒を合わせた調味料にブリの刺身を入れ、ネギ・ごまと一緒に漬け込む調理法があります。私の家では正月にはかかせない定番料理であり、漬けたてはもちろん、3日目のリュウキュウをお茶漬けにして美味しくいただいています。
釣りとしてのやり取りの楽しさと、食べて美味しいその味が、何よりも青物の魅力ですね。
青物を釣るにはどんな釣り方があるの?
青物を船からねらう方法について、代表的な釣り方を見ていきましょう。
ルアー釣りでねらう
ルアーで青物をねらう方法としては、金属(鉛やタングステンなど)でできた小魚型のルアー(メタルジグ)を使用した「ジギング」が一般的です。船からメタルジグ(ジグ)を真下に落としたり、少しキャストするなどして沈め、テンポよくシャクリながら青物を誘う釣り方です。
昔は重たいジグを使用したジギングが多かったのですが、PEラインの登場とともにロッドも軽くて強いものが発売されてからは、「ライトジギング」が流行りました。
昔のジギングではPEライン4号にジグ200g以上などを使用していましたが、今ではPEライン1~2号に100~200gのジグを使用し、ジギングをライトに楽しめるようになったという具合です。
「ライトジギング」の場合、私が釣りを楽しんでいるエリア(大分県)では水深が80mくらいで潮の流れが速いため、PE1.2号を使用しています。ジグの重さは潮の流れにより変わりますが、100~180g程度です。
ちなみに、遊漁船に乗る場合はほかの方とオマツリする可能性があるので、船長さんにジグの重さとラインの太さを必ず確認しておきましょう。
動かし方(アクション)は、基本的にはジグをキビキビと動かし、小魚が逃げる動きを演出する「ワンピッチジャーク」「コンビネーションジャーク」を多く使います。地域によって違うと思いますが、私の行くエリアでは激しくワンピッチをしても釣れないことが多く、少しだけ「食わせの間」を取ったりしています。
そのため、日によって違いますが、ローレスポンスロッドを使ったりすることも。もしライトジギングで思うように釣れない場合は、“間”を意識してみるのもよいでしょう。もちろんジグの形状でも誘いや間は変わりますが、試してみてください。
次に同じジギングですが、「ジギング(ライトジギング)」と対照的なのが「スロージギング」です。「青物ねらいには向かないよ」と言われる方もいますが、特徴は弱った魚を演出できる点だと思います。
スロージギングのジャークは「ワンピッチジャーク」だけでなく、「1/2ジャーク」や「1/4ジャーク」など、さまざまなテクニックがあり、いかにフォールで魚を釣るかに特化した釣りだと思います。
大分県で作られているスロージギング用ジグ
通常私は、青物をねらうときはワンピッチを主体としていますが、魚の捕食スイッチが入るテンポは「速い方がいいのか? ゆっくりがいいのか?」を探るため、いろいろなアクションを混ぜて釣っています。もちろんジグの形状を変えたりもしています。
そんなわけで、魚の反応を探るという意味でスロージギングは面白い釣りです(あくまで私の個人的な意見です)。青物ねらいには「難しい」といわれますが、好きな釣り方で遊びたい私は、引き続き模索したいと思っています。
エサ釣りでねらう
エサで青物をねらう方法としては、「泳がせ釣り」や「落し込み釣り」などがあります。どちらもアジなどの青物が好む小魚(ベイト)をエサに仕掛を落とし釣る方法です。
まず私がよくするのが「泳がせ釣り」です。豆アジ(大分県ではゼンゴといいます)をサビキで釣り、釣った豆アジを鼻掛けや背掛けで仕掛に掛けて落とすといった釣り方です。
ねらうタナを変えたりもしますが、基本的には待つ釣り。この船上で待っているときのドキドキ感はたまりません。また、青物が食いついても早くアワセれば掛からず、待ち過ぎれば逃げてしまうといった駆け引きも面白さの一つです。
次に「落し込み釣り」ですが、こちらはサビキをベイトがいるタナに沈め、ベイトが掛かったらそのまま青物のいるタナに落とし込むといった釣り方。泳がせ釣りのように、一旦エサとなるベイトを船に上げず、同じ仕掛でそのまま青物(または大型の魚)を釣るというのが特徴です。
この釣りでは青物が同時に2尾以上掛かることもあり、すごい引きを体験できるものの大変です! たまに私はタコベイトをサビキのように5個ほど付け、ベイトを付けず(掛けず)に落し込みのような形で釣ったりもしますが、2尾同時に掛かると、次の日は腕がパンパンになってしまいます(笑)。
自船での友人の釣果
ときにはゲストとして釣れることも
青物はときとしてねらっていないのに釣れてしまうこともあります。代表的なのは「タイラバ」を楽しんでいるとき…。PE0.4号にリーダー2号といった細いセッティングのときに青物が掛かってしまうと、これが大変! 切られないように慎重に、しかし、寄せてこないとラインは出るばかり…。そんなハラハラするやり取りを強いられます。
それでも私は、細仕掛で釣るのも大好き。太いラインなら余裕ですが、細いラインだと上手くいなす必要があったり、ラインを切られないような船上での立ち回りを求められたりと、それはそれで楽しみがあります。
ほかにも「インチク」「一つテンヤ」「船イシダイかかり釣り」などで青物が釣れることがあります。夕飯のおかずに南蛮漬けを食べたいなと思い、豆アジをねらっていたサビキ仕掛に突如掛かるヤズ…。あれは絶望しかありませんね(笑)。
今回ご紹介した青物をねらった釣り方はごく一部です。各地域にはいろいろな釣り方があるようですし、トップウォーターでねらう釣り方などもあります。
そんななか、初心者の方にオススメなのは「ライトジギング」だと私は思っています。スーパーライトジギングもよいのですが、青物をねらうのであればPEラインがそこそこに太く、リールの番手も大きくロッドも強いので、安心してやり取りできると思いますよ。とはいえ、私の娘にも同じようにジギングをさせたいものの身体がまだ小さいので、まずは「泳がせ釣り」に挑戦させたいと思っています。
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レポーター
プロフィール:西村 亨
遊漁船でスロージギングをメインにオフショアの釣りを中心に行うかたわら、自分の船ではエギやワーム、エサ釣りと、季節に合ったさまざまな釣りも楽しんでいます。最近は2人の娘が釣りに興味津々! 立派なアングラーになるため特訓中です。