「足の悪い私が初めて行った『ももクロ』ライブ。周囲が立ち上がる中、座ったままの私に気付いたファンが...」(宮城県・50代男性)
宮城県在住の50代男性・Sさんは、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」を応援している。
【足の悪い私が初めてのももクロのライブに行ったら…《Sさんからのお便りを見る》】
初めてライブに行ったのは2022年のこと。
障害のある彼は「邪魔者扱いされたらどうしよう」と不安に感じていたのだが......。
<Sさんからのお便り>
今から2年前の2022年、ももいろクローバーZのライブに初めて行きました。
私は生まれつき足が悪くて、歩行時には両手に杖をついています。なのでライブに行く前は「邪魔者扱いされたらどうしよう」などと考えてしまい、緊張していました。
しかし、それをツイッターで呟いたところ、沢山の方から「大丈夫だよ」「不安なことがあったらライブ会場のスタッフさんに言えば大丈夫」「ももクロのライブはどんな方でも受け入れてくれます」といった励ましの言葉をいただいたのです。
そしてライブ当日、会場である宮城県涌谷町の体育館に行くと、スタッフさんから「ハンディキャップ席まで案内します」と言われ、一番前の席に案内されました。
「後ろ向けますか?」
少ししたらまたスタッフさんが来て「見えにくかったら前に出てもかまいませんよ」と言ってくださったのですが、私は周りのファンの方に申し訳ないとお伝えしました。
すると、すぐ近くにいた方が「スタッフさんが言ってるのだから前に出ちゃった方がいいですよ」と言ってくださったのです。私は少しだけ椅子を前に出しました。
ライブが始まり大好きなももクロのメンバーが目の前に現れました。ものすごい迫力でした。
やがて終わりが近付き、アンコールが鳴り響く中。近くにいたファンの方から、声をかけられました。
「多分後ろから出てくると思うので後ろ向けますか?」
その方は私が後ろを向く手助けをしてくださって、その後、実際にももクロのメンバーがステージじゃないところから登場。
ファンの方々は立ち上がりメンバーを見ていました。そしてその時、すごい事が起きました。
これが〝モノノフ〟か
何人かの方がまず私の方を見て、私が立っていないのを確認すると、すぐに周りの方々に声かけをして、しゃがんでくれたのです。
それを見た他の方達もすぐに察してしゃがんでくださって、私が座っていても見えるように配慮してくれたのです。
その光景を見た途端、「これがモノノフさんなのか」と胸が熱くなりました。
ライブが終わり駐車場まで杖をついて歩いている途中も、「お疲れさまでした」と声をかけて下さる方々がいて、ももクロのファンになって良かったと思いました。
私も含めて、障害のある方がライブを見に行くまでには大きなハードルがあると思っています。
でも、ももクロ主催のライブでは、事前に連絡すれば運営さんが対応してくださるし、ファンの気持ちも運営側と一心同体になっていることが分かって、私は今でもももクロのライブを安心して見に行くことができています。
もし最初のライブで、スタッフの方やモノノフさんの優しい行動がなかったら、多分私はライブに行くことは二度となかったでしょう。
あの時のスタッフさん、そして会場にいたモノノフの皆さん、ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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