東松山市の箭弓稲荷神社で「初午大祭」が月遅れの3月2日に開催。前日には火伏神事も!
埼玉県東松山市にある箭弓(やきゅう)稲荷神社では、「初午(はつうま)大祭」が2025年3月2日(日)に開催。前日の3月1日(土)には白狐に扮した4名が炉の火を鎮めて防火を願う「火伏(ひぶせ)神事」もあるので、両日参拝してみては。
当日頒布されるお守りを初午詣の記念に!
稲荷神社の総本宮である伏見稲荷神社の稲荷大神が和銅4年(711)の2月最初の午の日に京都伏見の稲荷山にご鎮座されたことにちなむ初午祭。全国各地の稲荷神社では商売繁昌や五穀豊穣などを願って2月に行われることが多いが、埼玉県東松山市の箭弓稲荷神社では月遅れの3月の初午の日に執り行われる。2025年は3月2日(日)にあたり、「境内では神様への報告やご祈願をメインに、祭囃子や里神楽、太鼓などの奉納が行われます」と教えてくれたのは箭弓稲荷神社の松岡さん。
当日頒布される神社ならではのお守りが参拝者に人気だ。まずひとつめは“食べるお守り”といわれる「揚護符(あげごふ)」。神社の焼き印が押された油揚げで、風邪が流行りやすいこの時期に無病息災を祈願して頒布される。ふたつめは「験(しるし)の杉」と呼ばれる、赤い御幣が付いた杉の木のお守り。伝記によると稲荷神が京都伏見に降臨したのが杉の木といわれ、かつて初午詣の際に杉の枝を折って持ち帰ったのが由来。箭弓稲荷神社では境内の御神木を使って手作りされるお守りだ(「験の杉」は2月初午の日~3月初午の日に頒布)。
また、「揚護符」と同じく3月の初午の日にのみ頒布されるのが「黄金繭守(こがねまゆまもり)」。古くからこの地には繭の文化があり、今も残る養蚕(ようさん)農家の貴重な天然黄繭を使って作られたかわいらしいお守りだ。ぜひ初午詣の記念に受けて帰ろう。
火の災禍を防ぎ鎮める「火伏神事」
また前日の3月1日(土)13時からは恒例の「火伏神事」も行われる。「昔から3月の午の日が3回ある年は火事が起こりやすいといわれ、実際に昭和中期に大火があった。火の災いがないよう、火防鎮護を祈って行われます」と松岡さん。境内に設置された円形の炉に火が焚かれ、神使いとされる白狐に扮した4名によって火を消す所作が行われる。一般の参拝者も青菜を刻んだ「火伏具(ひぶせぐ)」を受けるとこの神事に参加することができる(有料・先着100名)。
「初午祭は商売繫昌を祈願するお祭りなので、ぜひお稲荷さんのある神社にお参りしてください。箭弓稲荷神社ではおきつねさんの陶器みくじまたは揚護符を受けられた先着200名に福引も実施しますので、お参りのついでに一年の運気を試してみては」(松岡さん)。2024年には本殿・幣殿・拝殿が国の重要文化財に指定された箭弓稲荷神社。歴史のある神社建築にも注目しながらお参りしよう。
開催概要
「初午大祭」
開催期間:2025年3月2日(日)
開催時間:9:00~16:00
会場:箭弓稲荷神社(埼玉県東松山市箭弓町2-5-14)
アクセス:東武鉄道東上線東松山駅から徒歩3分
【問い合わせ先】
箭弓稲荷神社☎0493-22-2104
URL:https://www.yakyu-inari.jp/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供
香取麻衣子
ライター
1980年生まれ。『散歩の達人』編集部でのアルバイト経験を経て、2010年からライターとしての活動を開始。あだ名はかとりーぬ。『散歩の達人』では祭り&イベントのページを長らく担当。青春18きっぷ旅や山歩きなどのんびりと気ままにお出かけするのが好き。あとビールや美術館めぐりも大好物。