鮎(アユ)友釣りオススメ河川ガイド2024:九頭竜川【福井】強烈な引きが魅力
福井県の九頭竜川は、私にとって第2のホームグラウンドだ。川幅が広く、激流、荒瀬、急瀬が多く点在し、掛かるアユはパワフルでアタリ、引きともに強烈だ。
昨年の状況
まずは昨年を振り返りたい。昨年は天然遡上アユが至る所におり、下流から上流までアユだらけだった。特に九頭竜川中部漁協管内の最上流部の坂東島地区はよく釣れた。しかも解禁当初から釣れたのだ。例年なら初期は釣れず、梅雨明けから爆発するエリア。それが解禁当初から9月いっぱい釣れ続いた。
もちろん大増水やそれに伴うアカ飛び状態のときは釣れなかったが、それ以外は毎日釣れていたといっても過言ではない。私自身よく通い、九頭竜川だけで500匹以上のアユを釣り上げた。その半数以上は坂東島地区の釣果だ。ここ数年で一番の当たり川だった。
坂東島の瀬
このエリアでは一番の川幅を誇る。右岸、左岸どちらからも入川可能。昨年は初期によく釣れた印象がある。まず岸際から探り、その釣れる筋を見つける。九頭竜川はどこでも釣れそうだが、その日によく釣れる筋のようなものがあると感じている。実際その筋と言うか、その流れでよく釣れる。立ち込みに自信がある人は流芯付近まで探ると良型が掛かる。立ち込みに自信がない人も岸際から十分楽しめる。
釣り方は下流へオトリを送り込み、扇上に引く。九頭竜川ではオーソドックスな釣り方だ。オモリや背バリを併用すると釣りやすい。
大野島の瀬
坂東島地区で一番の激流。ベテラン向きのポイント。坂東島初見の人にはお勧めできない。サオは初期から急瀬抜きがベター。サイズ問わず、アユは激流に乗りめちゃくちゃ引く。ハリも初期から8~9号は当たり前。当然水中イトもメタルライン0.1号が安心。根掛かりしたら絶対に回収不可能。しかし大野島の瀬を釣りこなすことができるようになれば、九頭竜川のどのポイントでもうまく立ち回れる。
状況に応じてチラシバリ、イカリバリを使い分ける。根掛かりするようならイカリバリ。返し抜きでバンバン取り込むならチラシが良い。
笠川オトリ店前
オトリ店前の流れは深瀬、急瀬、早瀬と一日釣りが楽しめる。坂東島初見の人はオトリ店前の岸際から始めると良い。またオトリ店前の岸際は残りアカポイントにもなる。
水位が下がり、体力に自信がある人は中州へ渡って釣り下ると入れ掛かりになるだろう。ただ帰ってくるのが大変だ。
深瀬・深トロ
中州が終わり両岸の流れが合わさる辺りは深トロ、深瀬になる。8月以降から面白くなるポイントだ。右岸から釣り下るのもいいが、左岸から探るのも面白い。
深場のため、右岸からでは探り切れない。そこを左岸から探ると入れ掛かりだ。ただし、所々で深く掘れ込んでいるので要注意。
釜淵上流の荒瀬
この荒瀬は川幅が広く落差がある。そのため掛かりアユの引きとアタリは特に強烈だ。右岸からだと上流から釣り下ってくるしかない。釣り下ったら、その流れを上流へ。流れの中を上がっていくしかない。
左岸からは入川も容易。河川道路を歩いて上流へ行き、駐車スペースまで釣り下るのが楽だ。下流の釜淵は九頭竜川屈指の大淵で、アユがたまるポイント。上流にも大淵があり、魚影はめちゃくちゃ濃い。大淵から急瀬に変わる境目が良く、型もそろう。
今年も九頭竜川が豊漁であることを期待したい。そして最後に、今年2月に坂東島の笠川オトリ店の店主笠川さんが亡くなられた。通夜やお葬式では私を含め、多くの坂東島の有志が別れを惜しんだ。
<週刊つりニュース中部版APC・松森渉/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年6月7日号に掲載された記事を再編集したものになります。