【2025年版】散歩の達人おすすめ鎌倉のアジサイ名所20選! 一度は行きたい超人気スポットから穴場まで
鎌倉に夏の到来を告げる花といえばアジサイ。超人気の鑑賞スポットとして知られる明月院や成就院などのほかにも、寺社をはじめ海辺、公園と、探してみればあちこちにアジサイスポットが。今からでもまだ間に合うアジサイ散歩。新旧、大小、絶景、美景……。色とりどりのアジサイの名所を案内します。
初夏はアジサイのプロムナードとなる「亀ヶ谷(かめがやつ)坂切通」
鎌倉街道沿いに立つ長寿寺の脇から扇ヶ谷(おうぎがやつ)に至る古道で、外部から鎌倉への入り口として整備された鎌倉七口の一つ。建長寺にいた亀がこの坂を登ったが、急坂のため引き返したという話が伝わる。現在、道は舗装され歩きやすくなったが、両側には崖が迫り往時の姿をとどめている。
長寿寺脇の道を少し登ったところの崖に、ヤマアジサイやウズアジサイなどが咲いている。この道は車両通行止めになっており、人通りも少ないのでのんびり歩きながらアジサイを愛でることができる。
亀ヶ谷坂切通し(かめがやつざかきりどおし)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内~扇ガ谷3丁目/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩10分
海を望む石段の参道に復活したアジサイが咲く「成就院」
弘法大師が護摩修行を行ったという地に、承久元年(1219)に鎌倉幕府3代執権・北条泰時が創建。かつては鎌倉を代表するアジサイの名所だったが、2019年の創建800年に合わせて参道の改修工事が計画され、2016年頃から300株近くあったアジサイを東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町へ寄贈した。
参道改修後は再びアジサイが植えられたほか、崖地には宮城県の県花であるハギが植えられ、新しい花景色を見られるようになった。
成就院(じょうじゅいん)
住所:神奈川県鎌倉市極楽寺1-1-5/営業時間:8:00〜17:00(11〜3月は〜16:30)/定休日:無/アクセス:江ノ島電鉄極楽寺駅から徒歩3分
源氏の伝説が残る山頂が花の散歩道となる「源氏山公園」
後三年の役(1083~1087年)で八幡太郎義家が奥羽に向かう際、この山上に白旗を立てて戦勝を祈願したといわれ、源氏山とか白旗山と呼ばれるようになったという。
サクラや紅葉が美しい公園として知られるが、初夏には源頼朝像の近くや化粧坂(けわいざか)、こもれび広場など随所でアジサイを見ることができる。こもれび広場から葛原岡神社に向かう道はあじさいの小径と呼ばれ、木立に包まれた未舗装の道に咲くアジサイがしっとりとした景観を描いている。
源氏山公園(げんじやまこうえん)
住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷4-649-1/営業時間:入園自由/定休日:無/アクセス:JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から徒歩20分
庭や建物とともに花景色の風情を楽しむ「海蔵寺」
扇ガ谷の最奥にある古刹。初春のウメをはじめ、春のカイドウ、夏のノウゼンカズラ、初秋のハギなど、四季を通じて花が絶えることがない「花の寺」。
アジサイは境内随所に植えられているが、ガクアジサイやヤマアジサイなどが中心で、規模を楽しむというより、庭や門、鐘楼、お堂などとともに古刹ならではの風情を楽しむ花景色といえる。門前には鎌倉十井(じっせい)に数えられる底脱ノ井(そこぬけのい)があり、このかたわらでもガクアジサイが咲いている。
海蔵寺(かいぞうじ)
住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷4-18-8/営業時間:9:30〜16:00/定休日:無/アクセス:JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から徒歩20分
特別拝観ではアジサイが咲く庭園を散策できる「長寿寺」
建武3年(1336)に足利尊氏(あしかがたかうじ)が創建。普段は境内に入ることができないが、春と秋には特別拝観日が設けられ、書院や小方丈などが公開され、緋毛氈(ひもうせん)が敷かれた部屋から枯山水の庭園を眺めることができる。観音堂の裏手から階段を上ると、やぐらと呼ばれる洞穴の中に足利尊氏の遺髪をおさめたという石塔があるので、ぜひ手を合わせていこう。
境内のいたるところにアジサイが植栽されているが、裏庭にはあじさいの小径と名付けられた散策路があり、庭園や竹林と一体となった風情のある景観を見ることができる。
※春と秋の特別拝観のみ公開。2025年春は4・5月の金~日・祝、6月の水~日(秋は未定)。
長寿寺(ちょうじゅじ)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1503/営業時間:10:00~15:00/定休日:春と秋の特別拝観のみ公開(雨天時は非公開)/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩15分
石段の参道と鐘楼門をアジサイが彩る「浄智寺」
鎌倉五山第四位の格式をもつ寺。鎌倉幕府5代執権北条時頼の三男である北条宗政の菩提を弔うために弘安4年(1281)頃に創建された。かつては中国からの渡来僧が多かったため、鐘楼門や本堂などに中国様式がうかがえる。
アジサイが咲くのは木立に包まれて苔むした石段の参道脇や本堂前あたり。境内全体で約150株あり、ヤマアジサイやガクアジサイなどの古来種が多く、風情のある参道と一体となった景観は見る者を魅了する。
浄智寺(じょうちじ)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1402/営業時間:9:00~16:30/定休日:無/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩8分
別名‟あじさい寺”。ヒメアジサイが境内を青色に染める「明月院」
鎌倉でアジサイといえば、真っ先に名があがるのがココ。境内に植えられたアジサイは約2500株あり、その多くが日本古来のヒメアジサイ。明月院ブルーと称される花が咲くと、境内は青色に染まる。
もっとも花が多いのが総門から中門まで一直線に延びる石段の参道両側。「あじさい寺」の異名にふさわしい見事な導入部になっている。開山堂前に鎮座する花想い地蔵が抱える鉢にもアジサイが添えられ、映えスポットになっている。
明月院(めいげついん)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189/営業時間:9:00〜16:00(6月は8:30〜17:00)/定休日:無/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩10分
静寂の中、寺と花の風情を楽しめる「東慶寺」
女性から離縁をできなかった江戸時代に、この寺に駆け込めば離縁できたことから「縁切り寺」と呼ばれる。まずは、茅葺き屋根の山門前の石段脇でアジサイに迎えられる。
鐘楼周辺、石畳の参道脇、本堂周辺など、境内でも随所でアジサイが咲き、庭園やお堂と一体となった風情のある花景色を見せてくれる。現在、境内では自然の豊かさを取り戻すため大地の再生を進めているので、今後のアジサイの景観も一層趣深いものになるだろう。
東慶寺(とうけいじ)
住所:神奈川県鎌倉市山之内1367/営業時間:9:00~16:00/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩4分
江ノ電とアジサイのコラボが美しき「御霊神社」
後三年の役(1083~1087)に活躍した鎌倉権五郎景正を祀る神社で、「権五郎神社」とも呼ばれる。普段は静かな境内だが、アジサイの時季は参拝者が増える。
社殿の周辺にアジサイが咲くが、12基の庚申塔を見守るように咲くアジサイは、花の数は少ないが風情がある。そして、ここでぜひ見てもらいたいのが、神社のすぐ前を走る江ノ電とアジサイが一体となった絶景だ。
御霊神社(ごりょうじんじゃ)
住所:神奈川県鎌倉市坂ノ下4-9/営業時間:境内自由/アクセス:江ノ島電鉄長谷駅から徒歩5分
原種のアジサイが多く楽しめるツウな「光則寺」
日蓮聖人が佐渡へ流された際に弟子の日朗上人が幽閉されていた寺で、境内の裏山には土牢が残っている。鎌倉一の大樹といわれる本堂前のカイドウが有名だが、日本古来のアジサイの原種が多いことはあまり知られていないようだ。
光則寺で栽培されるアジサイは400種類を超すというから驚き。多くは鉢植えで栽培され、花が咲くと境内に展示される。品種や自生地などを書いたラベルを掲げているので鑑賞の助けになる。
光則寺(こうそくじ)
住所:神奈川県鎌倉市長谷3-9-7/営業時間:8:00〜17:00/定休日:無/アクセス:江ノ島電鉄長谷駅から徒歩7分
歴史的建造物とともに愛でる花景色「円覚寺」
鎌倉五山第二位の格式をもち、国宝の舎利殿をはじめ、壮大な三門や仏殿など多くの歴史的建造物が立ち並ぶ境内は見ごたえがある。
6月になると、横須賀線線路脇の白鷺池周辺をはじめ、山門、仏殿脇、法堂跡、方丈に向かう参道沿い、佛日庵などでアジサイが色づきはじめ、花を目的に訪れる参拝者が増える。境内全域では約2500株といわれ、品種も多いので、堂宇と一体となった花景色が楽しめる。
円覚寺(えんがくじ)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内409 /営業時間:8:30〜16:30(12〜2月は〜16:00)/定休日:無/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩1分
烏天狗の像に迎えられ半僧坊の道にアジサイが咲く「建長寺」
鎌倉五山第一位の格式をもつ、日本最初の禅宗専門道場。法堂天井の雲龍図をはじめ、国宝の梵鐘、国の名勝史跡の方丈庭園など見どころが多い。
三門、仏殿、法堂、方丈など、広い境内の随所でアジサイが咲くが、ここでぜひ訪ねてほしいのが、総門から徒歩15分ほどのところにある半僧坊への道。沿道に咲くアジサイは、西洋アジサイやガクアジサイ、ヤマアジサイなどさまざまな品種があり、同じ頃、イワタバコも見られる。
建長寺(けんちょうじ)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内8/営業時間:8:30~16:30/定休日:無/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩15分
起伏のある花の散策路でアジサイに埋もれる「長谷寺」
観音山の中腹から裾野にかけて広がる境内は起伏があり、境内は山門や書院がある下部と、本尊の十一面観世音菩薩像を安置する本堂がある上部に分かれる。
「花の寺」として知られ、一年を通じてさまざまな花が咲くが、なかでも規模が大きいのがアジサイで、上部境内の眺望散策路沿いに約40種約2500株が咲き誇る。花を縫うように設けられた散策路からは由比ヶ浜が望め、花と海とお堂が一体となった見事な景観を楽しめる。
長谷寺(はせでら)
住所:神奈川県鎌倉市長谷3-11-2/営業時間:8:00〜16:30/定休日:無/アクセス:江ノ島電鉄長谷駅から徒歩5分
ちょっと遅咲きのアジサイ。最盛期を見逃した人は「妙本寺」へ
市街地からさほど離れていないが、比企谷と呼ばれるこのあたりは多くの自然があふれている。春のサクラとカイドウ、秋の紅葉が有名だが、夏の花景色も訪れる価値がある。
方丈に向かう階段脇、二天門に続く参道、本堂前、鐘楼や日蓮聖人像周辺など、さまざまなところでアジサイが咲く。鎌倉のなかでは開花が遅いほうなので、7月中旬くらいまで花を楽しめる。アジサイに続いて咲くノウゼンカズラも見事だ。
妙本寺
住所:神奈川県鎌倉市大町1-15-1/営業時間:境内自由/アクセス:JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から徒歩8分
観光客はまばら。地元の人しか知らない穴場の「白山神社」
源頼朝が京都の鞍馬寺から賜った毘沙門天像を安置するために建立したと伝わる古社。今泉地域の氏神様になっている。
バス通りから奥まったところにある石段を上ると、参道を紫やピンクに染めるアジサイに迎えられる。アジサイは氏子たちが管理しているもので、花が終わると剪定をして次の年に備えるのだという。鎌倉市街とはアクセス路が異なる地にあるため訪れる人も少ない穴場だ。
白山神社(はくさんじんじゃ)
住所:神奈川県鎌倉市今泉3-13-20/営業時間:境内自由/アクセス:JR東海道本線大船駅東口から江ノ電バス「鎌倉湖畔循環」13分の「白山神社前」下車4分
竹林とアジサイのコラボが楽しめる「報国寺」
竹の庭で知られるが、庭園を彩るアジサイの美しさも印象深い。鎌倉街道から脇道を進むと、山門前の植え込みに咲くアジサイに迎えられる。寺を囲む竹垣近くでもアジサイが見られ、あたりには和の情緒が漂う。
竹林に向かう小径や、石塔と数体の石仏が並ぶ庭園の一角など、咲いている場所によって趣が異なるので、ゆっくり庭園散策を楽しもう。竹林とアジサイのコラボは、ぜひ撮影しておきたい映え構図だ。
報国寺
住所:神奈川県鎌倉市浄明寺2-7-4/営業時間:9:00~16:00/アクセス:JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から京浜急行バス「鎌倉霊園正面前太刀洗・金沢八景駅」または「ハイランド」行き12分の「浄明寺」下車3分
カフェや茶寮を併設した境内に白いアナベルが咲く「浄妙寺」
鎌倉五山第五位の格式をもち、ウメ、ボタン、フジなどが咲く花の寺としても知られる。境内随所でアジサイを見られるが、カフェレストラン『石窯ガーデンテラス』前に咲くアナベルの白い花群落は見ごたえがある。
裏山には「山あじさい小径」と名付けられヤマアジサイの散策路(見頃は5月)もある。花観賞の後は、『石窯ガーデンテラス』で紅茶を。『喜泉庵』では抹茶も味わえる。
浄妙寺(じょうみょうじ)
住所:鎌倉市浄明寺3-8-31/営業時間:9:00~16:30(喜泉庵は10:00~16:30)/アクセス:JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から京浜急行バス「金沢八景」「ハイランド循環」など行き10分の「浄明寺」下車1分
市民が挿し木を持ち寄り、ボランティアでつくった花の道「二階堂」
鎌倉宮から瑞泉寺に向かう道は、緑が多い静かな住宅地。通玄橋を渡るとすぐに、崖の斜面を埋め尽くすようにアジサイが咲いている。このあたりは、かつて観光客が捨てるゴミで荒廃していたという。見かねた地元の人々が、アジサイの挿し木を持ち寄り、環境美化のために植えたもので、今では400株を数える花名所になっている。青、紫、白、ピンクなどさまざまな色や品種があるのも市民たちが持ち寄ったことを物語っているといえよう。
二階堂
住所:神奈川県鎌倉市二階堂743付近/アクセス:JR横須賀線・江ノ電鎌倉駅から京浜急行バス「鎌倉宮(大塔宮)」行き15分の終点下車10分
縁結びの神社の参道を飾る色とりどりの大輪の花「葛原岡神社」
鎌倉幕府倒幕で活躍した日野俊基を祭神とする神社。縁結びや恋愛成就の御利益があるといわれ、境内に置かれた2つの縁結びの石をつなぐ赤い糸には、「ご縁」の願いを込めた5円玉が結ばれている。
アジサイが植えられているのは鳥居から本殿に続く石畳の参道沿いで、青、紫、ピンクなど色とりどりの花に包まれる。アジサイの名所としては、まだ知名度が低いが、この美しさを知ったら来年もまた来たくなるのでは……。
葛原岡神社(くずはらおかじんじゃ)
住所:神奈川県鎌倉市梶原5-9-1/営業時間:8:30~16:30/定休日:無/アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩30分
アジサイと海と江の島と富士山をまとめて楽しめる「稲村ガ崎公園」
由比ケ浜と七里ケ浜を分ける岬にある公園。園内随所にアジサイが植えられているが、数が多いのが公園奥の展望広場周辺。
天気が良い日にはアジサイとともに海と江の島と富士山を一望することができるビューポイントだ。鎌倉に住み、この地を愛したドイツの細菌学者ロベルト・コッホの記念碑もアジサイに囲まれている。
稲村ヶ崎公園(いなむらがさきこうえん)
住所:神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1/営業時間:入園自由/アクセス:江ノ島電鉄稲村ヶ崎駅から徒歩7分
構成=アドグリーン