【検証】日本のブラジルで「輸入米」が販売されていた! 食べてみた結果 → 30年前の米不足を思い出した
いまだ下がらない米の価格。政府が備蓄米の放出に動き出したと報じられてから1カ月が経とうとしているが、やっぱり何かと時間はかかるものなんだなあ。本日2025年3月14日、やっと入札結果が公表されるところ。本記事執筆時点では、これから米価格がどうなるかまだ先が見えない。
そんな中、人気なのがスーパーで売られている輸入米。価格が安めであるだけでなく、業務スーパーのカルローズ米にしても西友の台湾米にしても味は悪くない。というわけで、日本のブラジルで販売されていた輸入米も食べてみることにした。
・謎の米
個人的に気になっていた輸入米は、ネットでディスカウントスーパー・トライアルに販売されているという情報があるベトナム米であった。しかし、都内にトライアルはない。
そこで栃木県在住で近所にトライアルがあるという砂子間正貫記者に「トライアルで輸入米を買って来てほしい」とお願いしてみたところ……
謎のタイ米を買ってきた。ベトナム米、売ってなかった? これについての砂子間記者の証言は次の通り。
砂子間正貫記者「実は近所のトライアルには輸入米自体が売ってなかったんですね。その替わりに、日本のブラジルと呼ばれる群馬県大泉町にある『スーパー メルカド タカラ』で見つけた輸入米を買ってきました!」
──米が違うばかりか、トライアルでさえなかった。ちなみに、価格は購入した2kgのものが税込1836円、5kgで税込4298円だったとのことなので、別に安くもない。
・食べてみた
とは言え、「なかったです」だけでも十分ありがとうなのに、替わりを探してくるなんて良い人すぎる。ひょっとしたら、草彅剛以来の逸材かもしれない。というわけで、そんな砂子間さんの気持ちに報いるためにも、編集部全員で食べて結果を残すことにした。
炊いてみると、香りに癖はなく、味は普通に白米の味。ただ、食感にモチモチ感はない。日本の米と比べると、明らかに歯切れが良くて品種の違いが感じられる。その食感に個人的には若干のパスタみすら感じた。
これひょっとして、1993年の平成の米騒動時に活躍したタイ米じゃないだろうか? この歯切れの良さが当時「パサッとしている」と言われていたものの正体なのかもしれない。
・みんなの感想
子供だったし私の田舎には出回ってなかったので食べたことがないんだけど、ニュースで見た情報と特徴が一致する。食べた編集部員たちの感想もその話題へと繋がっていく。32年前、タイ米を食べたという御花畑マリコ記者は以下のような感想だった。
御花畑マリコ「私は30年前タイ米を食べました。おそらく同じ品種だと思うんですけど、昔より美味しくなってる気がします」
一方で、P.K.サンジュン記者は以下のように述べる。
P.K.サンジュン「いや、多分変わってないんじゃないかな。美味しくなったように感じるのは30年前は俺たちがこの味に慣れてなかっただけで。ほら、美味しくないって騒がれてたじゃん?
当時はそういう先入観もあって、良くないように感じたものが、味への理解が進んで今は良く感じてるだけじゃないかなあ。少なくとも、俺はこれを『パサパサしてる』と表現するのには賛同できない」
・30年という時間
そうだね。今だと、使い方次第かなって感じがする。御花畑マリコ記者が「カレーかけたら美味しそう」と言っていたので、残った分に冷凍庫にあった松屋福袋の残りのカレーをかけて食べてみたところ、マジで美味しかった。粒立ちが良いのでその魅力が発揮できる料理にはきっと合うだろう。
そんなわけで、当時食べてない人も含めて32年前に想いを馳せたこの米。なお、備蓄米制度が始まったのはこの平成の米騒動の時だ。我々は少しは成長できたのだろうか? 白いお米に問いかけても、先行きは揺れる稲穂の如し。春の嵐の先には一体何が待つのか。
参考リンク:FNNプライムオンライン
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.