孤独の辛さを解消する方法。「おひとりさま」全盛の時代だからこそ知っておきたい【僧侶が解説】
多くの人の悩みと向き合ってきた真言宗の僧侶・山平 善清さん。日々の中で感じたのは、真面目な人や優しい人ほど一人で頑張りすぎてしまう、ということです。山平和尚によると、そこに落とし穴があると言います。山平和尚がすすめるのは「あの世」の神様のお力をお借りして人生をどんどん開運させること。そのための方法を1冊にまとめたのが書籍『日本一「楽」を生きるお坊さんの開運説法 あの世のお力借りてみな』(KADOKAWA)です。今回はこの本の中から、具体的な悩み相談と回答内容を、説法の形で紹介します。
※本記事は山平 善清著の書籍『日本一「楽」を生きるお坊さんの開運説法 あの世のお力借りてみな』から一部抜粋・編集しました。
孤独は私たちには向いていない
●35歳・女性・あきこさんのお悩み
「もともとグループ行動が苦手な私は『おひとりさま』や『ひとり暮らし』を楽しむ本や映画やドラマも好きだったし、1人の生き方が自分には合っていると思っていました。
そこで、結婚願望を持つのはやめ、自分1人で暮らしていくためのお金の設計をし始めました。面倒に思っていた友達付き合いもやめ、旅行や外食も1人で行くようになりましたが、出先でグループや家族連れを見ると、正直だんだん、孤独を感じることも。この先も1人で生きていこうと決めたのに、気持ちが揺らいでしまいそうです」
ここのところ「おひとりさま」や「ソロ活」などの言葉が流行し、1人カラオケや1人焼肉の専門店もできるなど、1人で行動する人が増えていますね。
特に東京の街はおひとりさま向けにどんどんカスタマイズされているように思います。自分の思い通りにお金が使えて、マイペースで過ごせると気楽な半面、やはり寂しさを感じることもありますよね。
まずお伝えしたいことは、1人で行動できるように自立するのはよいことだということ。自分の気持ちに素直になったとき、結婚もしたくなければ別にしなくていいと思います。
だけど、人との関わりを避けていると、やっぱり孤独だし、寂しい思いを抱えることもありますよね。
「どうせ死んだら何もかも終わりだから、ずっと1人でいい」と思う人もいるかもしれません。でもね、実はそうではないんです。
1人で死んだとしても、その後、遺体を処理してくれて、火葬してくれて、供養してくれる人がいますよね。
人間誰しも、1人で死ぬことはできませんよ。
もしずっと1人で寂しい思いをしながら生きることになれば、最期に「この人生、面白くなかったわー」と思いながら死ぬかもしれません。
そうすると、心残りを抱いて成仏できずに幽霊になって、永遠に寂しい気持ちでこの世をさまようことになるかもしれません。
だから私は「おひとりさま」「自己責任で生きていこう」という風潮のあるこの時代に、あえてもっと人と絡んでいくことをお勧めしたいと思うのです。
あの世のお力をお借りして、孤独の辛さを解消する方法をお伝えします。
不動明王様のお力を借りてみるとよいと思いますよ。
不動明王様は右手に剣を持っているでしょう。
そのお姿をイメージしてみてくださいね。
1. 身体の周りを孤独の鎖が取り巻いているイメージを持ってみよう。
2 .手を合わせて不動明王様を心の中でお呼びし、「不動明王様の剣で私を縛る孤独の鎖を切ってください」とお頼みしよう。
3 .不動明王様が剣を動かして鎖を断ち切ってくれるのをイメージしよう。鎖は不動明王様が回収し、あの世に持ち去ってくれるのでもう大丈夫。不動明王様に「ありがとう」とお礼を言おう。
次は自分を支えてくれている存在を思い出してみます。
誰にでもご先祖様がいて、10代遡れば1000人以上の人が関わっていることになるでしょう。
つまりこれは、もう生まれた時点であなたは1人じゃないということなんです。
ご先祖様はあの世からあなたを応援してくれていますよ。
あなたはたくさんの人との関わり合いがあったから、今ここに存在できています。例えば、嫌なところもあったかもしれないけど育ててくれた親や保護者がいるでしょう。家事をしてくれたり、仕事をしてお金をもたらしてくれたりする家族、話が通じないこともあるけど近くにいてくれる友達がいるでしょう。
普段歩いている道だって誰かが作ってくれたものですね。道を安全に渡れるのも誰かが信号機を設置してくれたおかげ。コンビニで買い物をするにも、そこにある商品を作ってくれた人、包装してくれた人、届けてくれた人、レジで会計してくれる人がいるのですから。
みんなそれぞれがつながり合って、今の世界が成り立っているんです。
あなたも存在しているだけでその世界の一員です。
「存在しているだけで何をしているわけでもない」と言う人もいるかもしれませんが、あなたの周りにいる人は、あなたがいなくなったらきっと悲しみます。
繰り返しになるけれど、あなたはそもそも1人じゃないわけですから。
そもそも、私たちは1人で生きるのに向いていないように思います。
戦後まではどこの家も、1つ屋根の下で3世代、4世代が当たり前のように一緒に暮らす大家族でした。地域の人同士もみんな和気藹々とつながっていましたね。
だから家族を守ろう、身内を守ろう、友達を守ろう、という意識が強く、それが戦争の際には「お国を守ろう」「仲間のためなら死ねる」という姿勢にまで発展したんですね。
もちろんこの姿勢を肯定する意図はありませんし、戦争はいけない。でも、個よりも集団を大事にする国民性があったということだと思うんです。
第二次世界大戦のとき、日本は世界から恐れられた。「なんで国のために死ねるんだ」「なんで喧嘩をしに来て、生きて帰ろうと思わないのか」と。
でも敗戦後は、日本人の精神性のもととなっていた大家族をやめて核家族化した経緯がありますよね。
核家族化して一家が分散化したら、調理器具でも電化製品でも家庭ごとに必要になりましたから、ものがどんどん売れました。
もちろんそのおかげで日本の経済は大きく成長できたわけです。
でも、その代わりに失ってしまったものを、私たちは見て見ないふりしてきたとも感じるんです。
今一度振り返ってみて、落としてきたものを検証してもいいと思うのです。