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【東京レトロゲームさんぽ】ゲームミュージック~音楽が連れ戻してくれるあの頃

さんたつ

ゲームミュージック

コンピュータゲーム黎明期のゲーム音は、効果音の集合、リズムの集合が音楽のような形になっていたものが多かった。『スペースインベーダー』におけるインベーダーの移動音やUFOの飛行音、自機ビーム砲の発射音が重なり合った音は、一種のゲームミュージックとも言える。それが、メロディーを伴ったいわゆる「ミュージック」になったのは、1980年初頭。ナムコから発売された迷路レースゲーム『ラリーX』、猫の盗賊団とネズミの警官が追いかけっこをする『マッピー』といった作品が代表的だ。タイトルを聞けば、即座に音楽が脳内で再生される方も少なくないだろう。セガのペンギンが氷を動かすゲーム『ペンゴ』のBGMも当時、ゲーセンをにぎやかにしていた。

ディスクユニオン アニソン・ゲームミュージックストア

ゲームミュージックが買えるのはここ!

ディスクユニオン アニソン・ゲームミュージックストア
住所:東京都新宿区新宿3-31-4 山田ビル1F/営業時間:12:00~20:00(土・日・祝は11:00~)/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄新宿駅から徒歩3分

現在と過去がホットにつながっているジャンル

BGMだけでなく、コナミの「バブルシステム」に代表されるような、起動時に独自の音・音楽が設定されているものもあった。夏休みの朝一、ゲーセンに飛び込むと普段聞けないゲームの起動音が聞こえて、ワクワクを感じた人も多いのではなかろうか。

80年代半ばになると、日本音楽史に残るような人物や大物ミュージシャンの参入も始まり、さらなる可能性を提示していった。

ゲーム音楽の世界を変えた伝説の『ビデオ・ゲーム・ミュージック』などのLP。細野晴臣氏らが参加して業界を驚かせた。LPは飾るだけでもエモさ満点。

さらに90年代には「メディアミックス」が隆盛を迎え、流行のアーティストとのコラボが行われることもあったし、レイブやユーロビートなど、その時代を反映した音楽を積極的に取り入れることもあった。また、ゲームミュージックからの派生で、「ドラマCD」のように、ゲームキャラクターがオリジナルの物語を展開する企画も人気を集め、さらに人々の支持を集めて記憶に残っていった。

ドラマCD『CDシアタードラゴンクエストⅣ』。ラジオ・CD文化全盛の頃に「ドラマCD」の隆盛もあった。

進化は今も続いており、令和の今、昭和や平成初期にはCD化しなかったゲームのアルバムが発売されてもいる。現在と過去がホットにつながっているジャンルなのである。

新しいけど古い、でも新しい⁉ レトロに見えるけど新作というゲームもあり、もちろん音楽もレトロ。今のゲームになじめない人にぴったり。

とはいえ、レトロゲームミュージックはCDやLPでは人気があるものの、なかなかメジャーサブスクでは配信されない。だからこそ、わざわざお店に行ってCDやレコードを探す意味は強い。レトロと最新、両方の音との出合いを探しに行ってみては。

レトロゲーに関連したグッズが各所から今も出続けている。「そんなものまで!」という品もあるので出かけて確認すべき。

ゲームミュージックの可能性の拡大

ゲームミュージックが人口に膾炙(かいしゃ)したきっかけの一つとして、上の項でも取り上げた『ビデオ・ゲーム・ミュージック』の発売に続いて、『ドラゴンクエスト』の音楽が交響組曲として発表されたこともあるのではないだろうか。

もちろん、ファミコン版の音もすばらしいのだが、作曲者すぎやまこういち氏自らの手で改めて編曲された交響曲は「本当はこういう音が鳴っていたのか!」と、音の行間とでも言うべきものを感じさせる力があった。

その後も新しいゲームミュージックは生まれ続けている訳だが、一方のレトロゲーム音楽も2020年代になってもリマスター版、リミックス版、また再演奏版といったような、さまざまなアプローチによって尽きることなく発表されているのだ。

ゲームミュージックは今まさに「古くて新しい」ものになっているのである。

取材・文=来栖美憂 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2025年1月号より

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来栖美憂
フリーライター
雑誌・新聞・ネットなどメディアを問わず、記事の取材・執筆を中心に活躍。著書多数。ゲーム関係では雑誌『月刊アルカディア』『闘劇魂』『GAME JAPAN』など各誌で執筆。近著に『サムライスピリッツネオジオコレクション対戦攻略ガイド』(スタンダーズ)。

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