キリンHD、「早回しのキャリア形成」など制度改革で女性経営職比率15.9%を達成
キリンホールディングス(東京都中野区)は7月25日、2024年時点で女性経営職の比率が15.9%に達し、従来目標としていた15%を上回ったと発表した。この達成の背景には、「早回しのキャリア形成」や遠隔地勤務制度、メンタリング制度など、同社が推進してきた多様性支援策がある。
同社では、「イノベーションを実現する組織能力」の一環として、「多様な人財と挑戦する風土」を掲げ、誰もが平等にキャリアへ挑戦し、長期的に活躍できる環境づくりに取り組んでいる。
キャリア形成を支える具体的施策
女性を含む多様な人材が活躍できるよう、同社では以下のような支援制度を導入している。
休職中の経営職試験受験可能(2023年~)
育児や出産を理由に昇進を諦めることがないよう、試験受験の機会を広げる制度。
遠隔地勤務制度の導入(2023年~)
家族の転居や介護・育児など、ライフステージ上の制約に対応。100分を超える通勤圏に居住する社員も条件を満たせば対象となる。「どこにいても自分らしいキャリア形成を」を理念に掲げている。
キリン・メンタリング・バトン(2024年~)
女性経営職のさらなる活躍を支援するため、役員・部門長によるメンタリングを実施。マネジメントスキルや経営視点を学びながら、各人に合ったリーダー像の形成を目指す。
加えて、本誌でも紹介した「なりキリン研修」など、多様な働き方の理解促進を目的とした独自研修も実施。育児や介護と仕事の両立を体験的に学ぶ機会を提供している。
若手の主体的な成長を後押しする「早回しのキャリア形成」
同社では、性別にかかわらず若手社員を対象に「早回しのキャリア形成」を推進している。社員が早期に多様な業務を経験することで、成長機会を拡大し、ライフイベント後も主体的にキャリアを継続できるよう支援している。
こうした制度は、全社員に挑戦の機会を提供し、多様性を尊重する企業文化の醸成にも寄与している。
多様性推進を促す国の制度改正も追い風に
政府は2026年4月から、従業員数101人以上の企業に対し、「男女間賃金差異」および「女性管理職比率」の情報開示を義務づける。この制度改正は、誰もが公平に活躍できる職場環境の実現に向けて、企業の取り組みをさらに後押しするものとなる。
今回の発表の詳細は同社の公式リリースにて確認できる。