東京、8月に観るべき建築展3選
建築好きなら夏期休暇を利用して、有名建築を見学しに各地を訪れた経験があることだろう。しかしながら昨今の猛暑を考えると、東京にいながらにして涼しい美術館やギャラリーで建築の世界に浸るというのも一つ手かもしれない。
ここでは、リニューアルを控えた「練馬区立美術館」の改築も担当する建築家・平田晃久の個展や、建築事務所向けの紙製模型のプロジェクト「テラダモケイ」によるこれまでの取り組みを紹介する展覧会などを取り上げている。また、日本を代表する建築デザイン専門誌『GA JAPAN』が毎年開催している「現代世界の建築家展 INTERNATIONAL」も、建築ファンなら必見だ。
平田晃久 人間の波打ちぎわ
建築家の平田晃久(ひらた・あきひさ、1971年〜)がこれまでに手がけた、または現在進行形のプロジェクトを、未来への展望も踏まえて紹介する展覧会が「練馬区立美術館」で開催される。
平田は大阪に生まれ、1997年に京都大学大学院の建築学専攻修士課程を修了後、伊東豊雄建築設計事務所に勤務し、2005年に独立した。国内外での受賞歴を持ち、これまでに群馬県の「太田市美術館・図書館」や、熊本県の「八代市民俗伝統芸能伝承館」などを手がけた。
なお、会場の練馬区立美術館も平田による建て替えが予定されている。コンセプトは「21世紀の富士塚/アートの雲/本の山」。練馬に古くから存在する「富士塚」をテーマに、「美術と本」を街や人々とつなぐ場として構想されており、2025年度中に一時休館、2028年度に完成・開館の予定だ。
※9月23日(月・祝)まで/10~18時(入館は17時30分まで)/休館日は月曜(8月12日・9月16日は開館)、8月13日、9月17日/料金は1000円、65~74歳・学生800円、75歳以上・中学生以下無料
現代世界の建築家展 INTERNATIONAL
世界の建築デザインの潮流を探る展覧会「現代世界の建築家展 INTERNATIONAL 2024」が青山の「GA gallery」で開催。本展は毎年行われており、今年で32回目を迎える。
会場ではプレゼンテーションポスターのほか、模型、図面、映像などを通して、現代建築を代表する建築家24組による世界を舞台にした最新プロジェクトを紹介する。国内からは藤本壮介、隈研吾、SANAAの3組が登場。海外からはスティーブン・ホール(Steven Holl)、デイビッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)、クリスチャン・ケレツ(Christian Kerez)など計21組が名が連ねている。
世界の最新建築を垣間みては。
※9月8日(日)まで/12時〜18時30分/料金は600円
テラダモケイ 1/100×100
建築家でデザイナーの寺田尚樹と、紙器加工会社として60年超の実績を持つ福永紙工による紙製模型の協働プロジェクトとして2011年に発足した「テラダモケイ」。建築事務所向けの「1/100建築模型用添景セット」シリーズを制作して以来、「世界の都市編」「スポーツ編」「樹木編」など続々とシリーズ化し、毎月新製品を発表している。
「松屋銀座」7階の「デザインギャラリー1953」で開催される「テラダモケイ 1/100×100」では、これまでのテラダモケイの取り組みをはじめ、新作やスペシャルエディション、映像作品などが集結する。
また、8月16日18時まで、会場に併設されたイベントスペースで関連商品の販売も⾏う。繊細に広がり続ける造形の世界に浸ってみてほしい。
※9月9日(月)まで/11〜20時(9月9日は17時まで)/料金は無料