港北区 投票所のエリア見直し 有権者の移動負担軽減へ
港北区選挙管理委員会は、選挙時の有権者の投票環境向上や、区内の人口増加を考慮し、期日前投票所と投票区域の一部見直しを行った。投票する区民の利便性向上が狙い。投票所としての利用開始は、令和7年参議院議員通常選挙からとなる。
投票区域の変更
新横浜地区では、新横浜1丁目住民対象の投票所がこれまでの岸根高校から新横浜自治会館(新横浜1の9)に変更される。同じく、新横浜2丁目・鳥山町・小机町の一部住民の投票所も、大豆戸小学校から同会館に変更となる。
変更の背景として、新横浜1丁目地区に関しては、高齢者らにとって岸根高校までの急な坂道が負担であったことが挙げられる。さらに、新横浜2丁目、鳥山町・小机町の一部地域住民からは、大豆戸小学校までの距離が遠いという声が多く寄せられていた。「前回選挙(昨年10月の衆院選)での岸根高校の投票率は48・69%と、区内ワースト。利便性の悪さがこの結果につながったと感じる」と港北区総務部総務課統計選挙係長の伊藤智啓さん。
新横浜地区の人口は、1994年の区再編時に約340人だったが、昨年には約1万3000人にまで増加している。区は、この地域の変化に合わせて行政サービスを見直す必要があると判断した。
期日前投票所も
また、区内3カ所の期日前投票所のうち、日吉地区センターについて、駅直結で利便性が高く、区内の各地域からもアクセスしやすい港北区民文化センター「ミズキーホール」に変更した。近年、全国的に期日前投票の制度が定着してきている一方で、区内の利用率は投票者全体の約2割にとどまり、市平均の3割を下回っている。こうした状況から、有権者が期日前投票を利用しやすい環境を整備し、投票率の向上につなげていくため、期日前投票所の運用を見直すに至った。
同ホールの期日前投票開設期間は、投票日の8日前から前日まで(市議会議員選挙と市長選挙は告示日の翌日から)。最終3日間は、港北区役所・トレッサ横浜と合わせ、3カ所で期日前投票が可能となる。投票時間は、午前9時30分から午後8時まで。
同課の伊藤さんは、「今回の変更が区民の皆様の利便性向上につながれば」と話す一方、「やってみないと分からないこともあるので、試行錯誤を続けていきたい」とした。
港北区選挙管理委員会は、今後も区内全体の投票率向上を目指し、ワースト2位の49・57%(昨年10月の衆院選)である新羽小学校投票所の改善にも取り組む方針だ。