トランプ大統領が攻撃を続ける「DEI」の取り組みとは?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、3月13日の放送にハフポスト日本版編集長・泉谷由梨子が出演。アメリカのトランプ大統領が攻撃を続ける「DEI」について解説した。
長野智子「まず『DEIとは何か』からお願いします」
泉谷由梨子「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)。ダイバーシティは多様性ですね。『いろんな人がいる』ということでおわかりいただけていると思います。エクイティとは、公平に皆が参加できる、ということです。それぞれに違った支援のかたちが必要で、それを受けて公平な状態でいられる、ということ」
長野「わかりやすくいうと、塀の向こうのものを見るときに身長の違う3人がいて。高い人から低い人まで、同じ高さのイスを与えるのが平等でイクオリティ。身長に合わせて変えて全員が同じ視線の高さになるのがエクイティの公平性。こういった説明が多い」
泉谷「はい。同じ支援だと皆が同じ状態では働けない、ということがありまして。最後、インクルージョンは、そういうことが多くの環境、コミュニティに受け入れられている、という状態。多様性があるといいね、という感じでいろんな人を獲得するけど、助けもなく放置したらなかなかそれを受け入れられるようにはならない。きちんと公平に環境に受け入れられている状態、これをインクルージョンといいます」
長野「アメリカの企業も日本の企業も、いまは普通に経営理念として取り入れているのに」
泉谷「トランプ大統領が、就任前から攻撃していて。特に酷い例として、たとえばワシントンで飛行機事故がありましね。『連邦航空局のDEIのせいでこの事故が起こったんだ』とトランプ氏本人が糾弾していました。インフレが抑制できないのもDEIのせいだと。」
長野「ワシントンのときは、DEIで障害者の方を雇用していたんですね。それが原因だと言い放った」
泉谷「トランプ氏本人というよりイーロン・マスクさんですけど、カリフォルニア州の山火事も消防士がDEI政策を進めていたからだと。それでなかなか消し止められなかったと」
長野「消防のトップが女性だった。それが気に入らない、とね」
泉谷「あることないことを。因縁つけている、といっていいんじゃないでしょうか。問題はそういう発言を指示する人がかなりいる、ということ。株主の中にいる保守派の勢力から、いろんな企業に対してどんどん圧力をかけていると」
長野「はい」
泉谷「様々な企業で多様性や公平性についていろんな目標を、『管理職の比率をこうします』など掲げていたんです。でもそこに対して、やめるようにという攻撃を進めています」