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「沖縄の地でプロに…」桶谷大HC注目の15歳 宮里俊佑が琉球ゴールデンキングスU18で描く未来。白谷ら“強烈な同期”から刺激も

OKITIVE

ライバルからも刺激を受け、高みを目指す宮里
今春、キングスU18に加入した将来有望な宮里俊佑=沖縄アリーナサブアリーナ(長嶺真輝撮影)

高校生カテゴリーである琉球ゴールデンキングスのユースチーム「キングスU18」に、世代注目の1年生が加入した。U16日本代表候補に選出されている15歳の宮里俊佑である。 身長180cmのポイントガード(PG)。今年3月までは中学生カテゴリーのキングスU15でキャプテンを務め、準優勝を飾った「Jr.ウインターカップ2024-25 2024年度第5回全国U15バスケットボール選手権大会」、記念すべき初優勝を果たした「インフロニアB.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025」ではいずれも大会ベスト5に選出された。 ハンドリングやシュートなど非凡な1対1のオフェンススキルは折り紙付き。キングスU15時代は司令塔としてリーダシップを磨き、状況判断の質や勝負所での責任感も増した。 生まれ育った沖縄で、キングスでプロ選手になりたいーー。明確な目標に向け、トップチームに最も近い好環境でさらなるレベルアップを誓う。

岸本隆一に憧れた幼少期、U15で「責任感」磨く

幼少期は岸本隆一に憧れていたという宮里

那覇市出身。4人きょうだいの末っ子で、バスケットボール経験者が多い家族の影響で自身も小学校3年生の時にミニバスケットボールチームに入った。キングスが運営するアカデミーでも腕を磨き、実力が認められて小学校6年生の頃からキングスU15でプレーしていた。 当時、最も強く憧れた選手は同じPGの岸本隆一だ。「3ポイントシュートが上手くて、ドライブ、ゲームコントロール、アシストも超一流。自分が目指すべきPGの選手像の一人です」と目を輝かせる。 中学生に上がってからも、同年代の枠を飛び出した活動が目立った。1年生の時の練習試合で桶谷大HCが興味を示し、トップチームの練習に参加したほか、中学3年生からはキングスU18の試合にも登録されていた。低学年の頃は周囲からの期待が大きい反面、性格面では控え目な印象もあったが、学年が上がるごとに目に見えてリーダーシップが増していった。 3年時にはキャプテンを務め、自身も内面の成長を実感している。 「U15の3年間で一番成長したのは責任感です。PGは『コート上の監督』とも言われるので、どうすればチームを勝たせられるかを考える習慣が身に付きました。キャプテンとして、どうすればチームがまとまるかを考えることも含め、とてもいい経験になりました」 U15で最後の大会となった3月のCHAMPIONSHIP(CS)では、接戦となった準決勝のサンロッカーズ渋谷U18戦で37得点4リバウンド2アシスト3スティールと圧巻の活躍。決勝のライジングゼファー福岡U15戦も18得点9リバウンド4アシスト2スティール2ブロックと攻守で躍動し、チームを栄冠に導いた。 大会を通し、勝負所でことごとく得点を決める姿は「頼もしい」の一言だった。大会MVPには二大エースとして共にチームをけん引した越圭司が輝いたが、宮里もMVPに十分値するパフォーマンスだった。 小学生の頃から出場する大会では準優勝が多く、頂点に立った瞬間は「素直にうれしかったです」と振り返る。「チームを勝たせられる選手になることを追い求めてきて、CSをああいう形で優勝できたので、少しだけいい感触をつかむことができました」と笑顔を見せた。

「マンダラチャート」でいい習慣づくり

公式戦に出場し、ゲームコントロールする宮里

キングスU15を率いる末広朋也ヘッドコーチは日々の生活を整えることや、人間性の向上も重視する。選手としての成長を早め、チームメイトからの信頼を得る上でも重要なことだ。 それを理解している宮里も、中学2年の時に目標達成シートを作成した。プロ野球大リーグで活躍する大谷翔平が学生時代に活用したことで知られる「マンダラチャート」である。 最大の目標を示す中央のマスには「NBAプレーヤー」と記した。周辺に目標達成に必要な要素を書き、さらにその周辺には、一つひとつの要素を満たすために日々行うべきこと、意識すべきことを記入した。ゴミを拾う、困ってる人がいれば自分が率先してやる…。バスケットボールの技術面だけでなく、身に付けるべき日々の習慣も書き、人間力を磨いた。 「正直、少しくらい手を抜いてもいいかなと思う時はあります。でも、日々やるべきことをコツコツと積み上げる人を神様は見ていると思って、いい習慣づくりに取り組んでいます」と言う。 インタビューの受け答えも中学生になりたての頃から一変し、今では相手の目を真っ直ぐ見て、はっきりと自分の言葉で喋る姿が印象的だ。まだ15歳とは思えないほどのコミュニケーション能力の高さは、自らの意志で克己心を養った結果なのだろう。

フィジカルとディフェンス力が課題

宮里が加入したキングスU18のメンバー

高校進学後は、全国の強豪校ではなく、キングスU18を所属先に選んだ。中学3年の頃から先輩たちと共にプレーし、「須藤春輝先輩や佐取龍之介先輩がユース育成特別枠でトップチームに帯同したりする姿を見て、やっぱりプロを目指す上では、この環境が一番目標に辿り着くためのチャンスがあると感じました。進学した後はキングスU18の一択でした」と迷いはなかったようだ。 再び最上級生から1年生に戻ったが、「チームを勝たせられる選手になる」というビジョンに変わりはない。「コートに入ったら年齢は関係ないと思っています。PGは喋られないといけないポジションなので、物怖じせず、まわりの意見も聞きながらチームメイトとコミュニケーションを取っていきたいです」とリーダーとして心構えを語る。 キングスU18の与那嶺翼HCも「スキルは高校カテゴリーでも天下一品。中学3年では末広HCの下でバスケIQが高くなり、ステップバックからの3ポイントシュートなど技の幅も広がりました。コーチが求めていることを理解し、試合中からチームとしてやらないといけないことを発信してくれます」と厚い信頼を寄せる。 既に練習試合、公式戦ともに主力PGの座をつかんでおり、宮里は「参加する全ての大会で優勝を目指します」と言い切る。 一方で、カテゴリーが上がったことによる課題もある。 一つ目は体の強さだ。現在の体重は70kgほどだが、先々は「80kg以上に増やしたい」と言う。「全体のフィジカルが上がってくると簡単にディフェンスのズレが作れなくなるので、自分から体を当てられるようになりたいです」と成長を見据える。 もう一つはディフェンス力の強化である。与那嶺HCは「彼がPGとしてプロを目指すのであれば、平良彰吾選手や崎濱秀斗選手のような脚力を磨いていかないといけません」と指摘する。フィジカル不足とも関連する課題感のため、体づくりと並行して伸ばしていきたいポイントだ。

白谷、越、平良…「負けじとしっかりやりたい」

ライバルからも刺激を受け、高みを目指す宮里

今年9月に開催が予定される「FIBA U16アジアカップ2025」のエントリーキャンプにも招集され、世代の顔役の一人である宮里。ただ、同年代の世代別代表には自身を上回るほどの強烈な存在感を放つ選手がいる。 福岡大学附属大濠高校1年の白谷柱誠ジャックである。既に身長が194cmあり、今年8月にある代表トップカテゴリーの「FIBA アジアカップ2025」でも候補選手に選ばれた。今年1月にあったJr.ウインターカップの準決勝で、キングスU15と白谷が所属する四日市メリノール学院中学校が対戦した際には、54得点19リバウンドという怪物級のスタッツを残した。 白谷とマッチアップした宮里は「同じ年齢であれだけの選手がいるので、現状に満足している暇は全くありません。もっともっとレベルアップしないといけないと感じます」と競争心を力に変える。 他にも刺激を受ける選手がいる。今秋から米国の高校に進学する元チームメイトの越と、中学時代に県大会で何度も競い合い、春に沖縄から大濠高校に進学した平良孔龍の二人である。平良は、来シーズンからキングストップチームにU22枠で加入する平良宗龍の弟で、昨秋の国民スポーツ大会では沖縄代表の少年男子で共闘した仲でもある。 「プレーしている環境はそれぞれ違いますけど、みんな大きな舞台でいい経験をしていると思います。自分も負けじとしっかりやっていきたい。いずれ対戦する機会があれば、自分もレベルアップした姿を見せたいです」と力を込める。 自身と同じように沖縄で生まれ育ち、地元チームのキングスでプレーするチャンスを掴み取った崎濱秀斗の存在も大きい。 「あの若さで崎濱選手がスターティング5で試合に出ている姿を見ると、本当に自分も頑張らないといけないと思わされます。キングスのホーム戦はいつも8,000人くらいの観客で埋まり、ファンの熱は日本一。選手たちは大きなエナジーをもらえるはずです。自分もこの沖縄の地でプロになり、バスケットをやり続けたいという思いが強いです。そのためにも、コツコツとやるべきことをやっていきたいです」 目標は大きく、それでいて謙虚に、誠実に。強い克己心を持って貪欲に成長を求め続ける宮里であれば、自らが描く未来の姿を現実のものにできるはずだ。

琉球ゴールデンキングス 2024-2025 想起

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