結那が語る「4人でLustQueen」現体制ラストと銘打たれた1stワンマンツアーを前に、初となるバンドメンバー勢ぞろいで想いを語る
「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!のメンバーとしても活躍する声優・結那の、アーティストプロジェクトLustQueen。2025年2月のO-EASTでの大先輩2組との自主企画を経て発表されたのは、"現体制ラスト"というセンセーショナルな銘が打たれた待望の1stワンマンツアー『RAISE A FLAG』。3か月連続でのデジタルリリースも進行中、まさに万全の態勢で臨むツアーを前に、「4人でLustQueen」と結那が語るバンドメンバーくぼたまりん、Fami。、柴﨑萌にも集まってもらい、じっくり話を聞かせてもらった。
──今日はバンドの皆さんが勢揃いしているので、結那さんから見たメンバーの皆さんの印象や、メンバーの皆さんから見た結那さんの印象をお聞きできたらと思います。まずは結那さんとくぼたまりんさん、お互いの印象を聞かせてください。
結那:ドラムのまりんちゃんはこれまでのLustQueenのライブすべてに参加してくれていて。ドラムって私の中では、バンドにおけるボスみたいな印象があるんですけど、その役割をまりんちゃんが務めてくれていることが個人的にすごく心強いんです。普段はフニャーンとした感じなんですけど(笑)、関西人なのもあってかいざとなるとめっちゃツッコミを入れてくれて、私がふざけたことを言ったら絶対に拾ってくれるみたいな。そっちの安心感もあるという、本当に頼りになる存在です。ライブでも常にニコニコしながら演奏してくれるので、後ろを向いたらそれだけで楽しくなって、いつも助けられてます。
まりん:結那ちゃんは最初、高嶺の花というかちょっと近付きづらい感じなのかなというイメージだったんですけど、いざお話をしてみたらすごく優しいし、面白くて楽しい人で。バンドの座長ということもあって、メンバーみんなのことをすごく見てくれていて、ボーカルとして引っ張ってくれる部分もあったり、場の空気を和ましてくれるという癒しの力もあって、逆に私もいつも助けられています。LustQueenの曲って結構激しくて、ドラムの演奏もかなりハードなんですけど、結那ちゃんが前に立ってくれているから自分も頑張って叩けていますし、さっき言っていた振り向いてくれた瞬間も……あの笑顔を私が独り占めしちゃった!じゃないですけど(笑)、すごく活力をもらってます。
結那:嬉しい!
まりん:あと、リハーサルで目が合う瞬間、急に変顔バトルが始まったり、LINEでもダジャレのスタンプを使ってきたりと、そういうところも大好きです(笑)。
──続いてはFami。さんとの関係についてです。
結那:Fami。ちゃんは最初に年齢を聞いたとき、自分よりも年下っていうことにまずびっくりして。見た目がすごく大人っぽいし、YouTubeでの「弾いてみた」動画も拝見していたから、「こんなすごい方とご一緒して大丈夫かな? 私が歌っちゃっていいんですか?」って心配していたんですけど、実際に会ってみたら常にニコニコしていて、そこで一気に安心しました。私、こう見えて結構な人見知りなんですけど、Fami。ちゃんは私が何か話すのを待って、その言葉を受けて頷いてくれたりと会話もすごくしやすくて。いろいろ学ぶところばかりです。あ、あと私服が可愛い!
Fami。:たくさん褒めてもらえてる。嬉しいなあ(笑)。
結那:リハーサルのとき、私はジャージで行くことが多いんですけど、Fami。ちゃんは常にミニスカートでヒールを履いていて。それでベースを弾くのって結構難しいはずだし、ずっと立っているから足も疲れるはずなのに、絶対にオシャレも欠かさないところも見習わなきゃいけないなって思ってます。
──Fami。さんもLustQueenには最初のライブから参加していますよね。
Fami。:そうですね。結那ちゃんはとにかく明るくて、優しくて可愛いっていう印象がめちゃくちゃ強くて、その上気配りもすごくいっぱいしてくれるんですよ。例えば複数のアーティストが出るイベントで、私はLustQueen以外のアーティストさんのサポートも担当していたんですけど、そういうときに「長時間お疲れ様!」と言ってくれたり「お菓子あげる!」みたいに気遣ってくれたりと、そういう一つひとつが刺さりまくって。
結那:いや〜、嬉しい!
Fami。:ライブにおいても、やっぱりアーティストだなっていうことを実感する場面がすごく多くて。その楽曲一つひとつに世界観ってあるじゃないですか。その一つひとつをステージ上で、結那ちゃんが全力で歌いながら作っている姿が本当にカッコよくて、いつも尊敬の眼差しで見ています。
──最後は柴﨑萌さんの印象についてです。柴﨑さんは今年のライブからバンドに加わっています。
結那:もえし(柴﨑)の最初の印象はすごくおとなしい人で、今だから言えるけど……挨拶のときも聞こえるか聞こえないかくらいの声量で(笑)。
萌:そうだったんだ(笑)。
結那:それでいて立ち姿も綺麗でクールだし、群れに属さないみたいな空気を感じていたんだけど、演奏になると全然違ってめちゃくちゃ熱くて。しかも、短期間にたくさんの曲を覚えてもらわないといけない状況だったのに、初めてのリハーサルのときから何でもできるぜ!みたいな感じで、それが本当にカッコよくて頼もしかったです。で、そこからしばらく一緒に過ごしてみて気付いたのは、ノリがよくて面白い人だということ(笑)。私はバンドメンバーの3人含めて全員でLustQueenだという意識でステージに立っているので、普段からギターやベースにはもっと前に出てほしいと伝えていて。でも、もえしは前に出るタイプじゃないんだろうなと勝手に思い込んでいたんですけど、「わかった。行くわ」と言って本番では前に出ていってくれたり髪を振り乱して頭を振ってくれたりして、そこにギャップ萌えしちゃいました。出会ってからまだ半年ぐらいしか一緒に過ごせていないので、もっと面白い部分を掘り起こせたらなと思っているところです(笑)。
萌:ふふふ。今年の1月ぐらいに初めて皆さんにお会いしたんですけど、2人(くぼた、Fami。)も言っている通り結那ちゃんは本当に明るくて気配りもできる人で。実際バンドメンバーがサウンドチェックをやっていると、ひとりで踊っていたりとひょうきんなところもあるんですけど、仕事への取り組み方は芯が強くストイックで真面目な印象も強い。LustQueenの歌にもそういうまっすぐなところがしっかりと表れていて、言葉の伝え方とか思いの伝え方がすごく素敵だなといつも思っています。
結那:嬉しいです。なんだか告白されたみたいでドキドキしています(笑)。
一同:(笑)。
結那:一緒に活動していても、こうやってお互いの印象を言い合う機会ってまったくなかったので、こんなふうに思ってくれてたんだってことを知れて……照れますね(笑)。
──バンドの皆さんは最初、結那さんの音楽プロジェクトということで彼女を立てる形でライブに臨んでいたかと思います。でも、先ほど結那さんが「バンドメンバーの3人含めて全員でLustQueen」とおっしゃいましたが、その思いを伝えた瞬間があったわけですよね。それを機に、ステージ上での関係性や空気感は変化していったと。
結那:そうですね。最初は「ボーカルとサポートメンバー」みたいな感じの空気に、私も緊張していたんですけど、その思いを伝えてから特にパフォーマンスに関してのコミュニケーションを取るようになって。「ここでこういうアプローチをしていきたいよね」とか伝えたら、3人も「もっとやっていいんだ」と前向きに捉えてくれて、そこからすごく変わった気がするんです。それはライブに来てくれたお客さんとか関係者の方も感じ取ってくれていて、「だんだんとチーム感が出てきたね」と言っていただくことも増えたので、個人的にも嬉しかったですね。
Fami。:確かに最初のライブのときは、こちらとしても「サポートだから」って気持ちが結構強くて、お客さんも結那ちゃんを観に来ているわけだから、結那ちゃんをとにかく引き立てる動きをしようと考えていたんです。でも、今の話を結那ちゃんから伝えてもらってからはメンバーなりに話し合ったりもして、そこからは結那ちゃんのバックバンドじゃなくて「LustQueenという共同体」としてお客さんにアピールして、魅力を知ってもらおうっていう思いで、メンバーそれぞれライブに臨んでいるんじゃないかな。
まりん:そうだね。私はこれまでバンドやサポートで途中から参加する形が多かったんですけど、LustQueenは最初から全てのライブで関わらせてもらっているから思い入れも強くて。前回の結那ちゃんのインタビューも読んでいたんですけど、「本当のバンドメンバーと思って自分もぶつかっているから、それが伝わるといいな」というようなことを発言していたのがすごく嬉しかったんですよ。実際、結那ちゃんからそういう発言があってからは、演奏面でも普段から「この楽曲をどう良くしていくか」をみんなで考えながらやったりとか、そういう面でも変わった気がしますし、次のツアーに関しても一緒に全力で盛り上げたい気持ちが日々大きくなっています。
萌:私が入った時点でそういう考えも定まっていたと思うんですけど、ここまでの話を改めて聞いて思ったのは、結那ちゃんは「一体感が欲しい」と自分の思いをしっかり伝えることもできれば、みんなの意思を尊重することもできるし、そういう信頼関係とかお互いへのリスペクトを忘れないからこそチームとしても素敵なんだなということです。だから、メンバー間の良い関係性が演奏にもステージ上のパフォーマンスにもちゃんと出ているし、私はそれを初回から感じていたのですごく納得しました。
Fami。:お客さん側も私たちに対する見方も変わったなって、ステージに立っていてもわかるんですよ。最近は結那ちゃんだけじゃなく、バンド自体を応援してくれている印象を受けるし。
結那:わかる。ファンのみんなの感想も、私の歌に対してだけじゃなくて「ここのギターがよかった、ベースがよかった、ドラムがよかった」みたいな声が増えているし。
Fami。:お客さんもLustQueenのライブの楽しみ方を理解したのかもしれないですよね。
──バンドリーダー、座長としての結那さんっていかがですか?
結那:私は……。
まりん:え、まず自分で答えちゃう?(笑)
結那:言わせて!(笑) 私は今までの人生の中で、先頭に立って誰かを引っ張るみたいなことにしたことなかったなと思っていて。どちらかというとその横で補佐するみたいなことが多かったから、ちゃんと引っ張っていけるか不安に思うこともありましたし、今もちゃんとできているか自信はないんですけど、でもそんな自分のままでもいいのかなと思うようになって。みんなと同じラインに立って一緒に進んでいけるっていうのも私なりのやり方なのかなって気付いてからは、みんなに支えられながら一緒に成長していくのがLustQueenらしさなのかなと考えられるようになったので、その気持ちでは今は誰にも負けてないかなと思います。
一同:(笑顔で拍手をする)
Fami。:でも、ちゃんと引っ張ってくれてる感じはするよ。
まりん:するする! 結那ちゃんは裏ですごく努力しているんだろうなっていうのがわかるぐらい、すごいパフォーマンスとか歌をステージ上で提示してくれるし、それがわかっているから私たちももっと練習を頑張ろうとか、後ろから盛り上げたいとか思わせてくれる存在だし。言葉じゃなくて背中で引っ張ろうとする説得力が備わっているんですよ。そこがすごくカッコいいなと思うし、みんな尊敬していると思うよ。
結那:優しいなあ……。
Fami。:そうやって「みんなで一緒に」って言ってくれること自体がそもそも嬉しいし、そのスタンスに対して私もさらに一緒に頑張りたいって思うし、後ろ姿を見てついていきたいと思うし、LustQueenの世界観をLustQueenのメンバーとして一緒に作りたいとも思うし。結那ちゃんだからこそ、この現場に対しての思い入れが強くなったのはあると思います。
萌:そういうリーダーシップとかカリスマ性みたいなものでチームを引っ張っていく人もいるとは思うんですけど、結那ちゃんは逆に一歩引いて周りを見れているところが私は結那ちゃんの長所だと思うし、だからこそLustQueenの今のあの形があると思うので、そこは自信を持ってほしいな。
結那:泣ける……。ありがとうございます!
──これまで何度もステージをともにしてきたわけですが、特に記憶に残っていることとか忘れられない瞬間ってありますか?
まりん:たくさんありすぎて、逆に選ぶのが難しいよね。
結那:私、ライブのエンディングでみんなでかき回し(※エンディングを引っ張る演奏)をするのが好きで。全部終わってやり切ったあとに顔を、バンドメンバーやお客さんを含めて見るんですけど、汗をかいていたり髪型も最初より崩れていたりするはずなのにみんなカッコいいし輝いている、あの瞬間が大好きなんです。そこがライブの景色として一番鮮明に覚えています。
まりん:私はドラムということもあって、ステージ上から全体を見渡せる位置にいるんですけど、「そうです!!!」っていう楽曲の合いの手のときが結那ちゃんもバンドメンバーもお客さんも、みんながひとつになれる瞬間だなと思っていて、特に大好きなんです。あの瞬間のお客さんの笑顔を目にすると自分も楽しくなるので、それが特に印象的ですね。
萌:私はバンドのみんなでキメを合わせるところで、向かい合ったりするのが好きで。そういう瞬間にみんなと目があって「イエーイ!」とか言ったりジャンプしたりすることも多いんですけど、特にFami。ちゃんとはアイコンタクトで通じるものが多くて。
Fami。:わかる!
萌:そういうメンバーとのステージ上でのやり取りがすごく私は好きですね。
Fami。:今まで言ってくれたこと全部わかるって感じなんですけど、それ以外のことで言うと、やっぱりライブの回数を重ねるごとにバンド自体が変化している感じが私はすごく好きで。例えば、ライブをやり切ったあとに「前回よりもたくさんコミュニケーション取れた」とか。「前回よりも余裕を持ってお客さんのことを見れた」と感じることが、ライブのたびにどんどん増えていて。それってメンバー同士の連携がだんだんと取れてきている証拠でもあるので、特に印象深いですね。
──昨年4月にLustQueenとして初ステージを踏んだ頃と比べると、今はステージ上での空気感や佇まい含めてだいぶ変わりましたものね。
結那:最近はみんながいてくれるだけで安心するようになりました。最初は逆に、バンドのみんなと一緒にいると緊張するみたいなことが結構あって、ステージで一番前に立っているわけだから自分がちゃんとしなくちゃと思って、リハーサルでも楽屋裏でも気を張っていることが多くて。でも最近は……それこそ今回のインタビューもそうですけど、みんなが一緒にいてくれると緊張がほぐれるし、つい最近のライブ(5月7日開催のイベント『StarRise presents Be☆Ambitious vol.1』)もバン7ドメンバーと楽屋が別々だったんですけど、寂しくなってすぐ遊びに行っちゃいましたし(笑)。それぐらい安心感が得られるようになったのは、この1年で一番大きいかなと思います。そういうのってステージ上でも一緒で、最初は目を合わせるのも緊張していたんですよ。
まりん:えーっ、なんで?
結那:だってみんな演奏してるから、その邪魔を私がしちゃいけないと思って(笑)。そういう“気にしい”な自分だったけど、ちゃんと信頼関係を築くにつれてだんだん気にならなくなってきたんです。それは本当にみんなのおかげだなと思います。
──そう考えると、LustQueenはもはや“バンド”なのかもしれませんね。ここからは楽曲についてもお話を聞かせてください。5月からは「Twin Ray」「My Life is My Story」「未来花」と3ヶ月連続で配信リリースが続いていますが、リリース前からライブで何度も披露してきたこれらの楽曲に関して、以前と比べて捉え方の変化や掴めたポイントなどありますか?
結那:私、「My Life is My Story」をライブで披露するのがすごく好きで。もともと歌詞が付く前から曲自体が好きだったんですけど、歌詞が付いて完成して、ライブで披露するたびにさらに好きになっていったんです。途中でメンバーと目を合わせる瞬間があるんですけど、一瞬しかないけどあそこが特に好きなんですよ。あと、間奏で〈WOW〜〉とみんなで歌うパートも大好きで、自分は歌わないでメンバーやお客さんが歌っているのをずっと聴いていたいと思うぐらい、みんながひとつになっているのが感じられて。あの瞬間を何度も感じたくて、どんどん好きになっているのかなと思います。
まりん:「My Life is My Story」はドラムがすごく激しいんだけど、一瞬ドラムを止めてみんなに歌ってもらうパートがあったりして、そのギャップがいいんですよ。まだ音源がリリースされる前はお客さんも「ここ歌っていいのかな?」と探り探りだったんですけど、これからはいくらでも聴いてもらえるので、さらに大きな歌声が聴けるのかなとツアーもすごく楽しみにしています。
Fami。:「My Life is My Story」は「とにかくバンドメンバーと暴れるぜ!」っていう曲なので、そういう共通認識がライブを重ねるごとに広まっているなと感じていて。ライブのたびにお互い探り合ったり「もっと行けるんじゃない?」みたいな煽り合ったりしてお互いを高めているし、お客さんに対して「もっと!」と言わせるために煽ることで自分自身も成長しているし、回を重ねるごとにどんどん美味しくなっている曲だなって感じています。
萌:ギタリスト視点だと、この曲ってギターリフから始まってギターソロもちょっと速弾きが入っているじゃないですか。私自身もともとハードロックやヘヴィメタル系出身なので、演奏しているだけでめちゃくちゃアガるんですよ。ギターソロ終わりに〈WOW〜〉っていうみんなの掛け声が聞こえる瞬間が特に気に入っていて、お客さんとの一体感を一番出せる曲だと思ってます。
──同じアップテンポでも、「Twin Ray」はまたタイプが異なる楽曲ですよね。
結那:そうですね。「My Life is My Story」が外に向けてメッセージを届ける曲だとしたら、「Twin Ray」は自分自身に対して歌って、それが観ているみんなにも届いたらいいなという思いが強くて。私の中でも「Twin Ray」を経て「My Life is My Story」へ進むみたいな感覚があるので、「Twin Ray」ではまだ殻を破りきれていない自分を表現したいんです。だから、ライブ中も楽しくメンバーと目を合わせるというよりは、直接目を合わせなくても伝えたいという思いが強い曲ですね。
萌:この曲はいわゆるメタルっていうよりは邦ロックという印象なんですけど、ギター的には結構トリッキーな印象があります。
Fami。:確かに、楽器隊は演奏自体が難しい曲かも。私も最初は頑張って演奏しようとしていたんですけど、だんだん自分が演奏に慣れてきて周りが見えるようになってきたときに、結那ちゃんが歌っている姿が曲への解釈を深めさせてくれるじゃないけど、「ここはこういう思いを込めて歌っているんだろうな」ってことがダイレクトに伝わってくるから、その結那ちゃんの気持ちを演奏で再現したいと考えるようになりました。そういう意味では、最初と今とですごく変化の大きかった曲です。
まりん:人間誰しもが持っている暗い部分に焦点を当てた歌詞なので、私は鋭角なリズムに徹しようという気持ちで向き合っています。あと、ギターソロ前のDメロで感情が爆発して、もえしのギターソロで解放される感じがすごく好きで、叩いていてもすごく気持ちを込められるのでお気に入りです。
──そして、7月には3ヶ月連続配信のフィナーレを飾る「未来花」。前の2曲とはまったくタイプの異なる楽曲です。
結那:この曲は歌が本当に難しくて。言葉をちゃんと届けなきゃっていう思いが強いものの、それ以前に全体的にキーが高かったり、息継ぎのポイントが難しかったりするし、私の歌から始まるので責任感も重大で。いつも自分でライブのセットリストを考えているんですけど、この曲は最後のほうに持ってくることが多いから、毎回大きな難関になっています。
──確かに、この壮大な曲調はライブのクライマックス向きですものね。
結那:そうなんですよ。歌詞もその届きそうで届かない“何か”を見つけ出そうとする主人公の姿が今の自分とリンクするので、そういう部分が素直に伝わればいいなと思いながら毎回歌っています。
萌:歌もメロディもすごくキャッチーでストレートだけど、勢いで押すタイプではないのでそこの難しさがあると思っています。
まりん:ほかの曲と比べるとテンポが落ち着いているからこそ、歌を引き立てるためのドラムを常に心がけていて。抑える部分はしっかり抑えて、感情的になる部分ではそこに合わせに行くイメージで演奏しています。
Fami。:この曲は普通にルート弾きで支えるんじゃなくて、結那ちゃんと一緒に歌うぐらいの勢いでメロディをいっぱい詰め込むようなベースラインなので、難しさももちろんあって。でも、それ以上にライブでこの曲を表現することが大好きで、結那ちゃんというひとりの人間がこの曲の持つ美しさとマッチしていて、結那ちゃんが歌っている姿をずっと観ていたいって思いが高まるんです。
──7月12日からは名古屋、大阪、横浜の3都市を回る全国ツアー『LustQueen 1stワンマンツアー「RAISE A FLAG」』も始まります。
結那:今までのライブはずっと対バンで、そもそもワンマンライブ自体が初めてなんですよ。ワンマンだからこそできることもたくさんあると思いますし、前回のインタビューでもお話した通りまだまだ挑戦したいこと、LustQueenだからこそできることも引き続き考えているので、とにかく楽しみに待っていてくださっていたら嬉しいです。あと、名古屋とか大阪とかメンバーと一緒に遠くにおでかけするのも初めてなので。
まりん:「おでかけ」って可愛い(笑)。
結那:ふふふ(笑)。このインタビューを通じてメンバーのことをより深く知れましたし、この3本のツアーはさらに絆を深めるきっかけにもなると思うので、きっと3本ともまったく感じ方の違うライブになるんじゃないかな。それに、今まではなかなか関東までライブを観に来られなかったけど、これでやっとLustQueenを見られるっていう方もたくさんいらっしゃると思うので、各会場の空気やリアクションも楽しみです。
Fami。:今は「とにかくお客さんを魅了したい!」っていう欲求が、最高値まで高まっているところで。サポートでこんなこと言っていいかわからないけど、本当に自分のバンドみたいな熱量で挑んでいるので、とにかくこの4人の魅力をしっかり伝えたいですし、観た人の心をがっちり掴んで離さないという気持ちで挑んでいきます。
萌:今まで以上にいろんな方に会えるっていうのもすごく楽しみですし、今日みんなと話してみて思ったのは……この4人って意外と内面的な共通点が多いのかなと思っていたんですけど、改めてバンドに対しての気持ちとか向いている方向が一致していたんだなってわかって嬉しかったですし、そんなみんなと一緒にツアーを回れることが楽しみです。
まりん:もえしが入ってくれた今の4人で足並みを揃えて進めている感覚が強いですし、今が一番最強な状態だという自信もあるので、そんなLustQueenを観てもらうのもすごく楽しみですし、大阪とか名古屋で美味しいものをみんなで食べるのも今から楽しみです(笑)。
──現体制での活動を経て、新体制のLustQueenがどんな形で何を届けてくれるのかも楽しみです。そういう意味でも、このツアーは絶対に見逃せないものになりそうですね。
結那:そうですね。今の形のLustQueenでは最初で最後のツアーと謳っているので……その後についてはまだ話せないことも多いんですけど、現体制最後ということ自体は事実なので。でも、決してうしろ向きなことではなくて、私自身はずっと前を向いているので、絶対に今のLustQueenを見逃さないでください!
取材・文=西廣智一 撮影=大塚秀美