前島亜美さん、初のアニメタイアップ曲! 今のあみたのすべてが込められた1stシングル「Wish for you」とアニメ『公女殿下の家庭教師』への想いに迫るインタビュー
2024年11月に1stアルバム『Determination』で待望のソロアーティストデビューを果たした声優の前島亜美が、それに続く1stシングル「Wish for you」を7月23日にリリース! 表題曲は自身もカレン役で出演する2025年7月クールのTVアニメ『公女殿下の家庭教師』のOPテーマで、彼女にとって初めてのアニメタイアップ曲となる。アニメ主題歌を担当する夢を叶え、作品で描かれるときめきや憧れと重ね合わせながらも、ここから始まる新たな活動への期待やフレッシュな想いが詰まった本楽曲は、きっとあなたの心を何十回何百回と動かすことだろう。新境地を開拓した「劇薬」、自ら作詞した「アミュレット」のカップリング2曲を含め、あみたが1stシングルを通して伝えたいこと、今の想いに迫る!
【写真】前島亜美 1stシングル&アニメ『公女殿下の家庭教師』への想いに迫る/インタビュー
1年とは思えない濃密な日々――アーティスト活動の“今”を振り返って
──2024年11月20日にソロアーティストデビューしてから約8か月になりますが、改めてご自身にとってどんな時間になっていますか?
前島亜美さん(以下、前島):制作は昨年の4月から始まっていたので、モノづくりという意味では1年くらいが経過した段階なのですが、とても1年とは思えない濃度の日々を過ごさせていただいています。以前は、周りの声優さんがアーティスト活動と声優活動を並行されているのを憧れの思いで見ていたのですが、今回のシングルの表題曲でアニメの主題歌を歌わせていただけることになったので、今は自分も「声優アーティスト」になれたという実感がより芽生えてきました。周りの先輩アーティストや友達に、同じフィールドに立つ同志として、いろいろアドバイスを聞いたりしています。
──例えば、どなたからアドバイスをいただいたのですか?
前島:もう弟子と言ってもいいくらいお世話になっているのは、同じ事務所の南條愛乃さんです。他にも茅原実里さんや、同じレーベルだとangelaのatsukoさん、『バンドリ!』で長くご一緒している愛美さんとも仲良くさせていただいていて。『バンドリ!』では伊藤美来ちゃんともよく連絡を取り合っていて、一番お話を聞いてもらったかもしれないです。まだアーティストデビューのことを発表する前、水面下でアルバムを制作していた時期に、何もわからなくて悩みがちだったのですが、美来ちゃんから「作品作りやライブの準備は大変なこともあるけど、いざリリースしたりライブをすれば、それを受け取って喜んでくれる人、笑顔で応援してくれる人がたくさんいて、それが一番力になるから頑張って」という言葉をもらって。それはすごく心に残っています。
──素敵な助言ですね。そのうえで、昨年11月にデビューアルバム『Determination』をリリース、今年4月には初のソロライブ「前島亜美 1st LIVE Blue Moment supported by animelo」を開催したわけですが、実際はいかがでしたか?
前島:本当に美来ちゃんの言った通りで、その後、美来ちゃんに会った時に「おっしゃる通りでした」って報告をしました(笑)。ファンの方たちからは本当に温かく迎えてもらえて。楽曲も愛してもらえて、ライブにも足を運んでもらえて、こんなにも喜んでもらえるなら、私ももっと頑張らなくちゃ、っていう気持ちになりました。
──ソロライブを終えた感想についてもぜひお伺いしたいです。どんな経験になりましたか?
前島:ものすごく勉強になりました。今回は演出の打ち合わせから衣装まですべて私も関わらせていただいて、セットリストもカバー曲のセレクトを含め自分で考えたのですが、自分の意見を伝えつつチームの皆さんと話し合いながら作っていったので、反省点もありつつ、ソロライブがどういったものなのかを経験できて、これを踏まえて今後より良いライブを作っていきたい、早く次のライブをしたい気持ちになりました。
それと自分のアーティストカラーが「白群」という、水色っぽい和名の色なのですが、ワンマンライブではその色のペンライトをみんなに振ってほしくて、グッズを制作したんです。その念願の光景、会場が一面「白群」に染まった景色を見ることができて、すごく感動しました。新しいスタートになったなと思います。
──ライブでは、デビューアルバム収録の10曲をすべて歌ったほか、カバーは3曲を披露。緑黄色社会「Mela!」、ヨルシカ「春泥棒」、水樹奈々さんの「DISCOTHEQUE」というセレクトでした。
前島:アルバムを作る際に、名刺代わりの1枚になるようにできるだけいろんな音楽性の楽曲を収録できるように制作を進めたら、どの曲も個性豊かで方向性がバラバラなので、いざライブをやるとなった時に「セットリスト、どうする?」となってしまって(笑)。私の個人的な好みとしては、ただステージを見せて完結するライブよりは、お客さんと一緒に作っていったり、その人の想いや人間性が見える、舞台やショーのようなライブが好きなので、オリジナル曲といい具合に馴染みつつ、ライブ全体でひとつの物語が浮かび上がるようなイメージで、カバー曲を組み合わせていきました。
──なるほど。ライブ全体を見据えたうえでの選曲だったんですね。
前島:最初は、皆さんが喜んでくれそうな有名アニソンや、私がこれまで歌ってきたキャラクターソングで固めるつもりでいたんです。でも、それよりもソロアーティストとしてやる意味を含め、もうひとつ挑戦したい思いが生まれて。それで自分の人生の中で思い出深かったりストーリーのある楽曲として「Mela!」と「春泥棒」の2曲を選びました。ただ、やっぱりみんなにも喜んでもらいたい思いがあったので、奈々さんの「DISCOTHEQUE」を渾身の歌とダンスで披露させていただきました。この曲は『バンドリ!』のキャラクターソングとして7年前にカバーしていたこともありますし、当時は憧れとして歌わせていただいたのが、今はキングレコードの正式な後輩として歌えたことが、すごく不思議で光栄な気持ちでした。
──オリジナル曲で特に思い出に残っているものを挙げるとすれば?
前島:今回、新曲とカバーも入れるとライブ初披露が10曲もあったんですよ。なので、ステージに立つ前は今までになく緊張感があったんですけど、1曲目に歌ったアルバムのリード曲「Determination」は、自分で歌詞を書いたこともあって、想いがたくさん溢れました。演出的に最初は幕が下りていて、私が歌い出してから幕が上がっていく流れだったのですが、顔が見えてきた時のお客さんの「わー!」という歓声とか温かい笑顔で緊張がほぐれましたし、あの瞬間はずっと忘れないだろうなと思います。
「Wish for you」に込めた“ときめき”と“夢”――作品と楽曲のシンクロ
──そのライブで初披露されたのが、今回のシングル表題曲となる新曲「Wish for you」です。TVアニメ『公女殿下の家庭教師』のOPテーマとして、作品のどんな部分に寄り添った楽曲になりましたか?
前島:歌詞の中に「ときめきに溢れてる毎日だから」という言葉があるんですけど、この1行が作品を表しているなと思っています。『公女殿下の家庭教師』(以下『公女殿下』)は、とにかくときめきに溢れていてキラキラしているんですよね。なおかつ、夢をひたむきに追いかけるかっこよさも表現されていて、魔法バトルも迫力があってかっこいいですし、あらゆる面で心を動かしてくれる、いろんな光を見せてくれる作品なんです。今回はコンペで楽曲を選んだのですが、候補曲を聴いていくなかで、この曲からは輝きや1stシングルらしいフレッシュさを感じたので、聴いた瞬間に「これだ!」と思って選びました。ストリングスが入っているのも高貴な感じがして『公女殿下』の世界に合っていますし、サビのキャッチーでパワフルな感じも魔法バトルを連想させますし。
──前島さんは本作にカレン役の声優として出演もされています。アフレコを経たうえで改めて感じた作品の魅力はありますか?
前島:『公女殿下』は、とにかくかわいくて魅力的なキャラクターばかりで、しかもその1人1人をしっかりと深掘りして描いてくれるので、アニメファンからしたら「ありがとう!」という言葉がぴったりな作品なんです(笑)。ただかわいい一面だけでなく、それぞれが抱えている葛藤や悩み、そこからどう踏み出していくかまでが描かれていて。私が演じているカレンちゃんは狼族で、ケモミミと尻尾がふわふわしている女の子なんですけど、感情が動くと耳がぴょこぴょこって動く仕草が本当にかわいくて!お家でVチェックをしていても、かわいすぎて作業が進まないくらいです(笑)。
──カレンを演じる上でこだわったポイントはありますか?
前島:この作品には、かわいらしい方向性のキャラクターがたくさん登場するなかで、カレンちゃんは生徒会の副会長でお姉さん的な立場なので、声色的には地声に近い低めのハスキーな感じで作りました。主人公のアレンくんを「兄さん」と呼んでいて、2人きりになった時にちょっとデレる描写があるんですけど、そこがかわいすぎて気合いを入れてお芝居をしたら、監督に「デレすぎです。そこまでいっちゃうとカレンじゃないです」と言われて(笑)。やりすぎない、デレすぎないっていうのはすごく意識しました。
──他のキャストさんとの掛け合いで刺激になったことはありましたか?
前島:水瀬いのりさんが演じられているステラ(・ハワード)ちゃんと、花澤香菜さんが演じられているフェリシア(・フォス)ちゃんと絡むシーンが多いのですが、やっぱりお二人ともすごくて。私はもともと舞台でお芝居を勉強していたので、相手の表情を見て何かをもらう経験はあったのですが、お互い横に並んでモニターを見ながらのお芝居でもらうとこういう気持ちになるんだと思って、すごく発見がありました。ネタバレにならない程度でお話すると、花澤さんとの掛け合いで、鳥肌が出るくらい「すごい!」と思った回があって。役者としても勉強させていただきました。
──そういえば先日、リィネ・リンスター役の岡咲美保さんに取材させていただく機会があったのですが、水瀬さん・岡咲さん・前島さんのキングレコード所属アーティスト組でご飯に行ったというお話を聞きました。
前島:そうなんですよ。すごく仲良くさせてもらっていて。その3人で行った時は、水瀬さんが「チームキング同士だからもっと仲よくなりたい」ということで声をかけてくださって、私は「ええっ!いいんですか?」という感じで緊張もあったのですが、すごく優しく話してくださって。この間は美保ちゃんと2人でもご飯に行きました。私、人見知りしがちなので、こんなに短期間で人と仲良くなることはあまりなかったんですけど、美保ちゃんのコミュニケーション能力が高すぎて(笑)、それにつられて「美保ちゃん」と呼べるようになりました。
──素敵な機会になりましたね。楽曲の話に戻りまして、「Wish for you」は前島さんにとって初のシングル表題曲になるわけですが、その意味でご自身の心情とシンクロする部分はありますか?
前島:個人的には「夢を見るために資格は必要ないのだと」という言葉が大好きで、自分を表しているような気がしています。私は年齢的にもだんだんお姉さんの部類に入ってきたので、アーティストデビューに向けてお話を進めていた時期に、同世代の子たちはもう何年もアーティスト活動をしているなかで「遅いんじゃないか?」「今自分がデビューして何ができるのかな?」と迷うことがあって。でも、私はやっぱり歌うことが好きで、ステージに立つことが好きだから、もう一度頑張りたいなと思ってデビューした経緯があるので、「夢を見るために資格は必要ない」というのは、年齢やあらゆる心配になってしまう要素も、想いの強さの前では枷にならないということを心から歌うことができていいなと感じています。
──頭サビを含め歌詞に何度も登場する「何十回 何百回 伝えたってまだまだ足りないから」という言葉も印象的です。
前島:ありがとうございます。私もいろんなことを「何十回 何百回」とやってきましたから(笑)。前作の「Determination」はダンスがなかったのですが、歌って踊るのは自分の強みのひとつでもあると思うので、今回は振付を付けていただいていて。この「何十回 何百回」のところはハンドサインで「I LOVE YOU」を示す動きをしているんです。ライブでお客さんと一緒にできたらいいなと思っています。
──その言葉で始まるサビのラストは「大好きだよ」と直接想いを伝えるところも、気持ちを込められたのでは?
前島:ここは『公女殿下』という作品の力を借りて言わせてもらえた気がしていて。自分としてはあまりにも真っ直ぐすぎて恥ずかしいけど、『公女殿下』のみんなの真っ直ぐさに感化されたからこそ思い切り歌える、キュンソングになりました(笑)。
──タイトルの「Wish for you」は作品になぞらえるといろんなキャラクターの想いに重ねられると思いますが、前島さんが「you」の対象としてパッと思い浮かぶのは?
前島:やっぱりお客さんの顔がすごく浮かびます。私はもともとグループ活動で握手会とかをすごくたくさんやっていたのですが、そこで皆さんのお顔を覚える能力がめちゃくちゃ上がって、一度お会いすればお顔を覚えることができるんです。ライブとかでもいつも1人1人のお顔を覚えることに集中していますし、そこから皆さんがSNSで上げている写真と自分の記憶が一致して、だんだん皆さんのことを覚えていって。
──そこまではっきりと覚えているんですね。若干怖さを感じますが……(笑)。
前島:あ、よく言われます。私が「あのイベントぶりですよね」ってお話すると「記憶力が良すぎて怖いです」みたいな(笑)。さっきの美来ちゃんにもらった助言じゃないですけど、やっぱり皆さんに喜んでもらいたいという思いでモノづくりをしているので、浮かぶのはみんなの顔ですね。
魂をぶつける「劇薬」――ギャップで魅せる刺激的ダンスナンバー
──ここからはカップリング曲のお話を伺っていきます。まず「劇薬」はタイトル通り、今までになく刺激的なダンスナンバーに仕上がっていて、めちゃくちゃ良いです。
前島:ありがとうございます。今回の1stシングルを作るにあたって、「今の前島の全部を見せる」というコンセプトがありまして。「Wish for you」は声優アーティストとしての最初のシングルにふさわしい、光や輝きのある楽曲なので、それとは対照的な影や闇、魂の叫びみたいなものを、この1曲で表せたらと思って制作しました。
私は「ライブが楽しいアーティスト」になるのが目標なのですが、個人的にかっこいい曲をパワフルに歌って踊ることが好きなので、この楽曲もいつか振付をつけて、「Wish for you」で私のことを知った方々がギョッとするようなギャップや振り幅のようなものを表現できればと思っています。
──曲調としては、現代的なラテンポップをベースにブラスやいろんなSEが混ざり合ったカオスな雰囲気があって、なんというかすごく振り切ってますよね。
前島:こういう曲にチャレンジさせてもらえる機会はなかったので、歌っていてすごく楽しかったです。作曲と編曲で入ってくださっている早川博隆さんは、私がグループ時代にご一緒したことのある方で、その曲が当時、私の一番好きな曲だったんです。なのでいつかまたご一緒したいと思っていたのですが、この曲をいただいた時に「あれ?早川さん!?」と思って。この曲のレコーディングで初めてお会いできて、早川さんに直接ディレクションしてもらうことができました。
──早川さんは昨年の大ヒット曲、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」なども手がけて、今や超売れっ子の作家さんですからね。この曲は前島さんのガナリなどを含めた歌声の多彩な表現が大きな魅力になっていますが、レコーディングはどのように進めましたか?
前島:昨今、こういう強い楽曲は、Adoさんが筆頭として浮かぶと思うのですが、レコーディング前に歌のレッスンの先生に相談したら、「この曲はちゃんみなさんのイメージの方が合うと思う」と言われて。なのでちゃんみなさんのライブの動画とかをたくさん観て、いろんな表情を出す歌い方を勉強したうえでレコーディングに臨みました。それこそちょうどHANA(ちゃんみながプロデュースするガールズグループ)のプロジェクトが盛り上がっていた時期だったので、ちゃんみなさんのことももちろん存じ上げていたんですけど、改めて表現を勉強する視点で楽曲に触れると、とんでもない才能の方だと感じて。特にA・Bメロのちょっとダウナーで色気の方向に振ったアプローチは意識したところで、こういう歌い方は初めてだったけどすごく楽しかったです。
──サビでのガナリっぽい歌い方も新鮮でかっこよかったです。ちなみにそのパートの「倫理感や(ヤ)嫌々(イヤイヤ)いや(ヤ)」というフレーズ、前島さんの「やいやい」という挨拶にかけたものですか?
前島:ええっ? どうなんだろう? そういえば「や」から始まってますもんね。私は意識していなかったんですけど、今度、作詞家(久野藍)さんに会った時に聞いてみます。
──もう1曲の「アミュレット」は前島さんご自身が作詞しています。
前島:デビューアルバムでリード曲の「Determination」と「Azurite」の2曲を作詞させていただいて、今後も作詞を続けていきたいとチームの方にお話していたなか、今回は楽曲が先に決まっていて、そこに私が詞をつけるという形で挑戦しました。アルバムでは自分のことを歌詞に書いたので、今回はもっと普遍的なものを書いてほしい、というお題をいただいたので、最初は何を書くかすごく迷いまして。そこで「今の前島の全部を見せる」というコンセプトに立ち戻って考えた時、人間の感情を喜怒哀楽で表すとしたら、「喜」や「楽」といった前向きな部分は「Wish for you」、私としては珍しく「怒」の部分も「劇薬」でカバーできているので、残る「哀」の部分をこの楽曲で表現しようと思い、悲しみや哀愁の感じられる歌詞を書くことにしました。
──なるほど。全体的に「別れ」を感じさせる内容になっているのは、そういう理由からだったんですね。
前島:メロやサウンドは明るくて爽やかですけど、ところどころに哀愁も感じられたので、合うかもしれないと思って。ただ、1stシングルということもあり、あまり悲しみが強い詞にはしたくなかったので、「晴れやかな決別」というか、温かな哀愁みたいなものを言葉で表せたらという思いで書きました。
──ライブで歌うと、ファンとの別れを惜しみつつ、その日の思い出を大切に心に留める歌にもなりますし、すごく良いテーマですね。「アミュレット」というタイトルについては?
前島:この曲がお守りみたいな意味で伝わってほしいなと思って付けました。私は「お守り」という言葉を結構口癖のように使うのですが、それは物理的なお守りというよりも、言葉が自分のお守りになっていることをすごく感じていて。人との関係性や記憶はどんどん変わっていくものだけど、言葉に触れた時に動いた自分の心というのはずっと変わらないものだと思うし、それこそが自分のお守りになっているんです。この曲は一見すると別れのように感じますけど、言葉を通して、いつまでもまた思い出せるし、いつでもまた出会える、ということを伝えられたらと思いました。
ちなみにタイトルの表記は、アルファベットの「Amulet」にする案と悩んだのですが、カタカナだと最初が「アミ(亜美)」になるので、「あ、こっちの方が1stシングルっぽいぞ」と思ってカタカナにしました(笑)。
──ナイスな判断だと思います(笑)。ちなみに今の自分のお守りになっている言葉があれば聞いてみたいです。
前島:めちゃくちゃいっぱいあります。私は普段日記をつけているんですけど、それとは別に好きな言葉をまとめているノートや、作詞する時に使うノートとかいろいろありまして。その中でも今、思い浮かぶのは、南條愛乃さんに言ってもらった「手探りながらも自分で作った作品は、時が経つごとにかわいくて仕方ない思い出になる」という言葉です。これでいいのかわからない気持ちがあったとしても、今の自分は全力で向き合って(歌詞を)書いたのだから出してみよう、と背中を押してもらっています。
──そうやって言葉を大切にされているからこそ、この「アミュレット」も素敵な歌詞になったんだと思います。今回のシングルには「今の前島亜美を全部出す」というテーマがあったとのことですが、できあがった今の手応えはいかがですか?
前島:自分で作詞もして、喜怒哀楽を詰め込んで、初回限定盤には1stライブの映像がすべて収録されているので、私が今できることは全部見ていただける作品になったと思いますし、これまで前島亜美を知らなかった方も、これ1枚で私のすべてがわかります(笑)。なのでぜひ初回限定盤を手に取ってもらいたいですし、ここから何が始まるのかも期待してもらえたら嬉しいです。
──11月24日には2ndライブ「前島亜美 LIVE 2025 Blooming NOTE」の開催も決定していますが、どんなライブにしたいですか?
前島:1stライブを経ての成長をお見せできればと思いますし、楽曲も増えてきたので、自分の曲だけで完結できるのかなと思っています。先輩方が持っているような、いつもの恒例みたいなものも作っていきたいですし、前島亜美らしさを追求していければなと思っています。あとは歌の実力をもっと伸ばしていきたくて。自分の中では低音が課題で、声帯の付きが甘くて、隙間から空気が出てしまうんです。声優のお仕事だとそれが魅力になったりもするのですが、もっとぴったりと声帯をつけてブワーッと低い声を出せるようになりたいので、歌のレッスンもたくさん通って2ndライブまでに頑張ります!
[文・北野創]