韓国ドラマ版「世にも奇妙な物語」Disney+ 話題作「照明店の客人たち」好評と不評
新作ドラマ『照明店の客人たち』(Disney+/2024)が、12月4日に公開された。
昨年の夏、『ムービング』(Disney+/2023)が世界中を魅了したが、本作もその原作者である人気ウェブ漫画家カンフルの同名のウェブ漫画をドラマ化したもの。
すでに成功例があるだけにドラマファンの期待は大きく、配信を心待ちにしていた人が多い作品だ。
しかしいざ蓋を開けてみると、韓国では視聴者によって好き嫌いが分かれている様子。配信スタートから数日が経過し、様々な意見が上がりはじめた。
『照明店の客人たち』は、あの世とこの世が繋がった照明店を通して、生きる者と死者が交わるヒューマンミステリー。チュ・ジフンをはじめ、パク・ボヨン、ソリョン、オム・テグなど錚々たる役者陣が出演している。
全8話構成で、現在第4話まで公開済み。一般的にはプロローグを一通り終え、物語がさらに面白くなってくるところだ。
それだけにさぞかし本国でも盛り上がりを見せているかと思われたが、原作を読んでいない一部視聴者からは、複数の登場人物のエピソードが独立して展開され、時系列もシーンによって異なるため、理解が追い付かないという反応が。
『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)を彷彿とさせるようなホラー要素も含まれているため、登場人物の背景やキャラクターをより掴みづらくしているようだ。
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例えば第1話では、会社員ヒョンミン(オム・テグ扮)が、毎日バスの停留所で同じ女性と出くわすシーンが描かれている。彼がバスを降りると、決まって停留所のベンチに座っている彼女。不思議に思いながら数日が経過したが、ある時気になって声をかけることに。しかし、なんとも不気味な返事が返ってくる。
第2話では、看護師ヨンジ(パク・ボヨン扮)がトイレの個室で、ドアの向こうから誰かに話しかけられる場面が。最初は質問に答えていたのだが、その後驚きの展開に。
また、女子高生ヒョンジュ(シン・ウンス扮)が、帰宅途中におかしな人々と遭遇し恐怖体験をする場面や、引っ越した家でなぜか頻繁に電気が切れ、混乱する小説家ソネ(キム・ミンハ扮)の姿なども。
大抵のドラマが序盤部で、登場人物の設定をしっかりと描き、ある程度視聴者にキャラクターのイメージを植え付けて物語の方向性を示すものだが、本作はよく見るそれとは全く異なるタイプの作品。
初対面から徐々に相手を知り、理解していく時に生まれる人間の好奇心を刺激するかのように、あえてキャラを全て明かさない構成となっている。
『ムービング』をご覧になった人はピンとくるはず。最初から多くを語らず、観る者に考える余白を与えるカンフル特有の作風がさく裂したような1作だ。
カンフル作品初心者や、軽い気持ちで視聴しようと思った人には少々抵抗があるかもしれないが、裏を返せば考察好きにはもってこい。事実、本国はもちろん日本でもすでに一部ドラマファンの間で考察合戦がはじまっている。
また、ヒューマンストーリーを得意とする作家だけに、最終的には感動をプレゼントしてくれるのではないかと期待を寄せる声も。序盤は、ホラーやミステリー色が目立ったが、果たしてどう着地させるのか熱い視線が寄せられており、『ムービング』の世界観を引き継ぐのではないかと予想する人も多い。
5話と6話は12月11日に、7話と8話は12月18日に公開される予定だ。
(ライター/西谷瀬里)