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「笑顔で暮らせるまちに」 阿部裕行市長にインタビュー

タウンニュース

インタビューに答える阿部市長

新年にあたり、本紙では阿部裕行多摩市長にインタビューを行った。昨年の振り返りと共に、2025年における取り組みなどを聞いた。

--2024年を振り返って感想をお聞かせください。

昨年も市民の最大の関心事は猛暑だったと思います。4月頃から暑さが厳しくなり11月に入っても日差しの厳しさや鋭さを感じました。一年の半分以上は猛暑だったのではないかと思います。昨年は能登半島の震災から始まり、9月には自然災害の最たるものだと思う集中豪雨による災害が発生しました。猛暑と豪雨は地球温暖化が激しくさせており、私たちを取り巻く環境は温暖化により厳しさを増していることを実感しました。多摩市は全国に先駆けて、テニスコート人工芝のマイクロプラスチック流出抑制対策を行い、海に住む魚、動物を守っていこうというメッセージを発信しています。率先してテニスコートの改修工事を行い人工芝の流出を抑制する。このようなことについて企業と協力して進めてきて、日本で初めてマイクロプラスチック流出対策ガイドラインを策定することができました。

また、昨年はサッカー・J1に復帰した東京ヴェルディの活躍も目覚ましかったと思います。城福浩監督率いるヴェルディが6位と上位争いしました。見事な結果で今年につなげることができたと思います。本当にうれしく、一年を通して美味しいビールが飲める年でした。改めて城福監督はじめ、選手の皆さんの頑張りに『カンパイ!』と申し上げたいと思います。

そして、多摩市では「こどもまんなか」社会の実現のために26市で初めて「多摩市こども誰でも通園事業」を4月から開始しました。多摩市は国と都の制度を合わせたハイブリッド方式で、一カ月の利用時間を最大160時間まで増やすことができました。これも都内23区26市の中で多摩市だけです。このような仕組みを作ることで、保育需要のないご家庭や幼稚園に通わせることができない0歳1歳2歳の子どもがいるご家庭のみなさんが自由に利用してもらえる。ある意味、社会全体で子育てしていくということがこの制度により実現したと思います。利用する保護者の皆さんにとっても気持ちの切り替えができるようになったのではと思います。

「市民が主役の年に」阿部市長インタビュー

多くの歓迎の声が聞こえ、8月には「たまこどもフェス」を開催することができるなど、子育て施策について本腰を入れることができた年でした。

さらに、多摩市立中央図書館が昨年8月に、わずかオープン1年ほどで来館者100万人を突破しました。若い皆さんには自宅の延長として、中高年の皆さんには学び直しの場として利用していただき、ありがたいなと思いました。

--今年はどのような年にしたいですか。

いよいよ4月に多摩中央公園がリニューアルオープンします。そこにはインクルーシブな遊具があり、子どもたちが自然と一緒に遊ぶことができるプレイパーク、それからレストラン等も含め市民の皆さまに楽しんでいただける場が創造できると思いますので、私も大いに期待しています。

また、多摩市手話言語条例がこの1月から施行となりました。3月8日の「耳の日」イベントなどを通して、聴覚障害の皆さんの手話言語の理解に取り組んでいきたいと思います。今年は聴覚障害の皆さんによるデフリンピックが東京で開催されますので、聴覚障害の皆さんの世界を多くの方に知ってもらいたいと思います。

同じく3月には関戸駅、今は聖蹟桜ヶ丘駅と名前が変わっておりますが、誕生してちょうど100年という年を迎えます。歴史的に見ても多摩地域を代表する駅の100周年を市民や京王電鉄の皆さんとお祝いしたいなと思います。

そして、4月には「多摩市みんなの笑顔が広がる歯と口の健康を推進する条例」が施行されます。多摩市が進める「健幸まちづくり」の一環として、子どもから年配の方まで、元気に食べられることは大切です。「健幸まちづくり宣言」の呼びかけの中で真っ先に出てくるのが「美味しく食べること」です。全ての健康の原点でもありますので、この条例を推進することでもっと元気なまちを作っていきたいと思います。

多摩市では昨年、子どもたちが大いに活躍しました。野球の全米選手権大会で優勝した川島連十選手、ウィンブルドンU14シングルスで優勝した川口孝大選手、競技かるた全国高等学校選手権大会で優勝した矢島聖蘭さんなどの活躍が目立ちました。今年も若者たちがスポーツ、芸術、文化などいろんな面で羽ばたいていってほしいなと思います。

--将来を見すえたまちづくりに向けて取り組むことを教えて下さい。

地球沸騰化や人口減少、担い手不足にどう対応していくのかが、これからのまちづくりにおいて大きな課題だと思います。これらに対応するためにも南多摩尾根幹線道路の整備、公共交通における自動運転、将来的には空飛ぶ車など、あらゆることにチャレンジする多摩市というメッセージを発信することで、大きな力になってくると思います。

担い手不足については、昨年4月に多摩市では協創推進室を立ち上げました。昨年は地域のイベント、コミュニティセンターのお祭り、自治連のスポレクなどで若手職員がお手伝いする光景を目にする機会が増えたのではないかと思います。そうしたことを今年はさらに広げていきたいと思っています。企業や大学、地域の力をつなぎあわせていくのが協創推進室の仕事になります。地域に関わる市民を増やしていきたいですね。

地球沸騰化については二酸化炭素を削減していく。2030年にはカーボンハーフを実現したいということで、昨年は家電購入に対する補助のスキームを作ったり、マイクロプラスチック問題に取り組んだりしてきました。また、2023年に行った多摩市気候市民会議を近隣自治体と連携させながら輪を広げていきたいと思います。

いずれにしても、市民が主役であり市民の皆さんと一緒に、このまちが明るく前に向いて前進できる。連光寺の農業公園などを含め自然を大切にし、人々が明るく笑顔で暮らせるまちにしていきたいですね。

--ありがとうございました。

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