釣りの良き練習相手だった『ブルーギル』が減っている? 釣り人が感じる環境変化について
祖父から始めてフライフィッシングを教わり、意気揚々とロッドを振っていた過去。しかし、かつてみた蒼い魚体の姿を見ることが最近減ってきていると感じている筆者。そもそも魚は以前と比べて少なくなっている実感も……。
外来種のブルーギル
渓流へ出向けない時に、祖父の家の前に流れる川で練習相手になってもらっていたブルーギル。雑食性でどんなフライでも反応し、合わせの練習にはもってこいの魚でした。
特にドライフライとストリーマーフライでの練習相手に最適で、祖父の家に泊まりに行っていた時は朝から夕方までロッドを振っていた記憶があります。
そんなたくさん相手をしてくれたブルーギルですが、外来種として煙たがられている存在でもあります。
外来種は様々な所で議論されており、今でも問題視されている種族たち。中には“外来種はたくさんいる”という認識を持っている人たちも少なくないと思います。しかし、現実を見るとそうではない部分もあると最近の筆者は思うのです。
魚の数が減っている?
実際に外来種はたくさんいるのか。これに至っては減少傾向になりつつあると感じているのが素直な意見です。そもそもの問題として、魚の数そのものが以前に比べて少なくなっているとも感じます。
それこそ、以前ブルーギルを釣っていた場所は、ブルーギルだけではなく、魚全体の数が明らかに少なくなっている印象を受けました。いないことはないですが、それでもサイズが小さなブルーギルをチラホラみる程度。フナやナマズ、時には小魚の大群をみることが多かったものの、今では全くその姿を見ません。
知り合いに話を聞いてみたところ、同じような意見が返ってきました。通っている釣り場でバスを釣っていた時は、外道としてブルーギルも釣れたらしいですが、今では姿さえも見ていないとのこと。ブルーギルどころか、バスもあまり釣れないとか。
環境変化が原因か?
外来種も含め、魚の存在自体が少なくなっていると感じるのはなぜか。思い浮かぶのは、以前も記事にした人の手による環境破壊。真面目な話、これが最大の要因なのではないかと筆者は思うのです。
交通のインフラ整備で釣り場が消えていたことを以前記事にしましたが、そういった事象を体験したことがある釣り人は少なからずいるのではないでしょうか?人の生活の利便性向上のためだと思うと仕方がないですが、それでもやるせない気分に筆者はなりました。
思い出してみれば、かつてブルーギルを釣っていた釣り場は水中に藻があり、岸際には植物が生い茂っていた場所でしたが、今ではコンクリートが大半を占めている川となっていました。
魚と向き合う未来
外来種だけでなく、魚の数そのものが減っている現状にどう向き合えばいいのか。技術の進歩で人の生活が便利になるのはとてもいい事ですが、巻き添えで他の生物が住処を失うのはいかがなものかと。
筆者のエゴと言われてしまえばそれまでですが、やっぱり魚たちにはいつまでも元気に泳ぎ回っていてほしいと思うのです。この矛盾に対してどう向き合っていくのかを考えるのも、自然の中で釣りをする者として大事なことだと改めて感じました。
<泉陽登/TSURINEWSライター>