「俺の体に悪いものは入れたくない」姉の占いで“すべて”を決める45歳男。シスコン疑惑否定も…【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「冷酷と激情のあいだvol.230〜女性編〜」では、結婚前提で同棲中の恋人・ヨウジさん(45歳・仮名)がベッドインの日程まで占い師の姉の意見に従うことに不安を覚える菜々さん(35歳・仮名)の心情をお届けしました。
このままでは結婚はできないと悩む菜々さんに対し、ヨウジさんは楽観的な態度を続けています。ふたりの今後や姉との関係性について、どんなスタンスなのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
45歳、姉は売れっ子占い師
「ウチの姉ちゃん、すごいんですよ。ネットの占いでけっこう人気ですし、対面鑑定も予約でスグに埋まっちゃう。 俺はそんな姉ちゃんの弟っていうだけで、タダで占ってもらえるからラッキーでしょ?
恋愛とか人間関係とかって、いろいろ難しいじゃないっスか。だから菜々との付き合いも、姉ちゃんにまめに相談して、意見をもらうようにしているんですよ」
子どものころから仲良し姉弟
姉の存在を自慢げに話し始めたヨウジさん。お姉さんとの関係は幼少期からとても良く、喧嘩をした記憶もほとんどないと言います。
「ウチはね、母ちゃんが厳しいので俺は姉ちゃんに甘えて育ちました。って言っても姉ちゃんとは3歳しかトシが離れていないから、母ちゃん代わりってほどではないんですけどね。
姉ちゃんは中学生くらいから占いを始めて、最初のうちはママゴトみたいなレベルでしたけど、大人になってから本格的に占い師になって、今じゃあ大人気ですからね。尊敬しています」
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なんでも姉に相談
菜々さんとの関係に限らず、これまでもお付き合いをした女性のことは包み隠さずに姉に相談してきたヨウジさん。
「大きなトラブルは事前に回避できていて、これもすべて姉ちゃんのおかげっスね」と笑顔で話します。
「あっ! そうそう、俺が姉ちゃんと仲良しだからってだけで『シスコン』って言ってくるヤツもいるんですけど、それは違いますからね。
姉ちゃんに特別な能力があるから、俺はそれを頼りにしているだけ!
シスコンってのは、姉ちゃんと理由もなくベッタリすることでしょ? 俺は、そういうんじゃありません」
「今後3年はダメ」と言われて
同棲中である菜々さんとの将来について、ヨウジさんはそろそろ結婚へと進めようと考えていました。しかし入籍や結婚式の日取りについてお姉さんの占いでは「今後3年はダメ」と出ているので、時期を待っていると話します。
「この話は、菜々にもしたんですよ。今は時期が良くないからって。そしたら『ふーん』って感じでしたけどね。まぁ、占いで将来の悪い出来事を回避できるなら、多少遠回りしてもそのほうがいいじゃないっスか。
実は俺、ベッドインする日も姉ちゃんに決めてもらっているんです。ほら、体を重ねるって行為はやっぱディープだし、菜々から何か悪いものが俺の体に入ってくるのもイヤだから。
姉ちゃんはなんでも占ってくれるから、マジで助かってますよ。おかげさまで菜々との大きなトラブルは今のところないですし」
姉の価値をわかってほしいのに
ヨウジさんは、このままあと3年ほどは同棲生活を続け、そのあとは菜々さんと家庭を築こうと考えていると強い口調で話します。
「3年って長すぎるって思ったでしょ? 俺も最初はそう思いました。でもね、長い人生で見ればたった3年ですよ! それで不幸が回避できるならお安い御用っしょ。
そうそう。菜々はあんまり姉ちゃんに懐いてないんですけど、俺的には菜々も姉ちゃんにいろいろ相談して占ってもらったほうがいいんじゃないのって思うんですよね。そうしたらほとんどの悩みは晴れて、人生バラ色なのに。
せっかく身内に優秀な占い師がいるのに、菜々はその価値に気づいていないみたいで、たまにすごく悲しくなりますね」
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恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)