最終回に逆転して“宿敵”撃破 「小学生の甲子園」に初出場 初戦は元五輪主将が指揮する強豪
■中泉クラブスポーツ少年団 15日開幕のマクドナルド杯に初出場
小学生の日本一を決める「高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」は8月15日に開幕する。静岡県からは、中泉クラブスポーツ少年団が創部46年目で初出場する。選手たちは小学4年生の時から、この舞台を目標にしていたという。
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磐田市で活動する中泉クラブスポーツ少年団は打力を武器に、静岡県代表の座をつかんだ。5月に行われた静岡県予選大会では、準決勝で16-2の5回コールド勝利。決勝戦も12-1で大勝した。県予選の5試合で計50得点。どこからでも得点できる打線が強みで、小技や走塁でも相手を崩す。
県予選で最大の山場と位置付けたのは準々決勝の長泉リトルヤンキース戦だった。春の県大会(しずぎんカップ)決勝では最終回に4点差をひっくり返されて逆転負け。悔しさを忘れずに「必ずやり返す」という気持ちで練習を重ねてきた。
そして、マクドナルド・トーナメントの県予選では最終回に3点を奪って5-3で逆転勝利。見事に雪辱を果たした。チームを指揮する松井隆雄監督は「選手たちが悔しさを活力に変えられたことがチームの成長につながっていったのだと思います」と目を細めた。
■初戦は神奈川の平戸イーグルス 監督はアトランタ五輪で銀メダル
現在の小学6年生は小学4年生の時から、マクドナルド・トーナメント出場を目標に掲げてきた。主力選手は上級生のチームに混ざってプレーしたことで上のレベルを目指し、チーム内競争も活発になったという。常に全国大会を意識して練習し、個の力もチーム力も着実に伸びた。松井監督が今年の強さを語る。
「苦しい戦いを経験して結果を残してきたからこそ、選手たちの協調性や連帯性が高いと感じています。走攻守バランスの取れた選手が多く、投手力と打線が上手く噛み合うとチーム力を最大に発揮してくれます」
初出場となるマクドナルド・トーナメントの初戦は、平戸イーグルスに決まった。平戸イーグルスは激戦区の神奈川県予選を勝ち上がり、2年ぶり2回目の出場となる。
チームを率いる中村大伸監督はY校の愛称で親しまれる横浜商業高校でセンバツ準優勝を果たし、日体大では首位打者やベストナインに輝いている。大学卒業後はNTT東京でプレーし、1996年のアトランタ五輪で日本代表の主将として銀メダル獲得に貢献している。
中泉クラブスポーツ少年団は初戦から難敵と対峙するが、全国大会に出場してくるチームに簡単な相手はいない。「初めての全国大会で選手は緊張すると思いますが、一戦必勝で臨みます。自慢の投手力と打線で自分たちの野球を見せたいです」と松井監督。“小学生の甲子園”とも呼ばれる夢の舞台でも、静岡県を制した武器を披露する。
(間 淳/Jun Aida)