思い出の映像が二度と見られなくなる!? 磁気テープ2025年問題とは
5月13日(火)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、VHSやminiDVなどが再生できなくなるかもしれないと指摘されている“磁気テープ2025年問題”について、元日刊スポーツ編集局長の久保勇人氏に話を伺った。
長野智子「磁気テープの2025年問題って……」
久保勇人「お聞きになったことないですか?」
長野「わたし、あまりにもVHSいっぱい持っていて、それで聞いたことあります。誰かに『それって2025年、ダメなんじゃない?』って」
久保「どういうことかというと、家庭用のVHSテープ、今の若者は知らないかもしれませんけど、我々世代は本当にこれで家族の様子とかを自分たちで録画していたんですよね。このVHSテープとかビデオデッキっていうのは1976年から発売されてます。自分で手軽に録画できて好きな時に視聴できるっていう画期的な技術だったんですよね。我々はこれを買って、家族のビデオをどんどん回して保存していました」
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「いいですねぇ〜」
久保「90年代にVHSテープの需要のピークっていうのがきたんですね。ところが、2000年代に入っちゃうとすぐにDVDが普及し始めます。そうすると、そちらのほうが圧倒的に便利なので、それまでのVHSテープとか、いわゆる磁気テープは激減していって、ビデオデッキも国内生産が2016年に終了しています」
鈴木「あぁ〜」
久保「磁気テープそのものはデジタルデータと違って経年劣化して、一般的な寿命は20年から30年って言われています」
長野「(家にあるVHSは)ダメだな、じゃあもう……(笑)」
久保「そういった環境を踏まえて、実は2019年にユネスコ(国連教育科学文化機関)が『2025年までに磁気テープのデータをデジタル化しなければ、映像が永久に失われる可能性がありますよ』という警告を発信したんです。この注意喚起が出て、世界が『たしかにこのまま放っとくと、自分の大切な思い出を記録したテープが見られなくなっちゃう』っていう危機感が生まれたんですね。それで昨年末頃から改めて注目されるようになっているということなんです」
長野「これって本当に2025年で見られなくなっちゃうんですかね?」
久保「これがですね、ユネスコがこの警告の中で使った2025年っていう年数は、実は目安であって、今年中に時限式のようにバタッと見られなくなるっていうわけではないです。デジタル化のダビングをやっている一番大きな業者さんである、東京都台東区のダビングコピー革命さんっていうところがあって、そこの会社を取材しに行ったんですけども。ここの会社によると、しっかり保存された磁気テープっていうのは来年以降も見られると」
長野「なるほど」
久保「ただ、テープっていうのはさっきも言ったように経年劣化していくし、もうデッキも無くなっていて、中古のものもだんだん無くなっている。だから『いつか見られなくなる日は来るんです。だからデジタル化していったほうがいいんですよ』ということを言っています」