耳のきこえない父と7歳の娘、ふたりの愛は“最大の試練”を乗り越えられるのか?『愛がきこえる』場面写真
世界的な人気を博すアイドルグループ・EXOのメンバー、レイとしても活躍するチャン・イーシン主演、耳のきこえない父と7歳の娘の心温まる絆を描き、本年4月に本国中国で初登場1位を獲得した感動作『愛がきこえる』が、2026年1月9日(金)より公開される。このたび、場面写真が一挙解禁となった。
父と娘が互いを思いあう“静かな愛”を描く
ろう者の父シャオマー(小馬)とコーダ(耳が聞こえない、または聞こえにくい親を持つ聴者の子ども)の娘ムームー(木木)。支え合って生きる父娘のささやかな日々は、5年前に出ていった母の来訪によって軋み始める。ふたりの愛は、最大の試練を乗り越えられるのか——。
主人公・シャオマーに扮するのは、世界的な人気を博すアイドルグループ・EXOのメンバー、レイとしても活躍するチャン・イーシン(张艺兴)。ただ幼い娘の幸せだけを願い必死に駆けずり回るシングルファーザーを文字通り全身全霊で熱演し、観る者の心を激しく揺さぶる。シャオマーの愛情を一身に受けるムームーに抜てきされたのは、これが映画デビューとなる新星リー・ルオアン(李珞桉)。太陽のように輝く存在感と豊かな感情表現の数々に、圧倒されるに違いない。監督は、中国で社会現象を呼び起こしたヒット作『あなたがここにいてほしい』のシャー・モー(沙漠)。米アカデミー賞作品賞受賞作『コーダ あいのうた』、吉沢亮が主演した『ぼくが生きてる、ふたつの世界』と同じく、当事者であるろう者の人々が俳優として多数参加している。
新画像で目を引くのは、シャオマーが柔らかな笑顔を浮かべながらムームーに手話で<パパが一番残念なのは、ムームーの声が聞こえないこと。ムームーの声はきっと世界で一番きれいだ>と語りかけている場面を捉えたカット。日に日にボロボロになっていく父の身を案じて泣き出してしまったムームーに対して、シャオマーが心からの思いを伝えようとする劇中でも特に強い印象を残すシーンを切り取った。そのほか、ふたりが暮らすろう者のコミュニティの住民たちとの賑やかな日常風景、新生活を始めたシャオマーとムームーが重なり合って眠る様子、5年振りに現れたムームーの母親シャオジンが娘を二度と離すまいと強く抱きしめる姿、シャオマーが闇ビジネスのメンバーに騙されていく様子など、お互いを思い合うふたりのかけがえのない日常や、それが試されることになるいくつもの逆境を捉えている。
シャオマー役のイーシンを除く全てのろう者役には、当事者を俳優として起用。本作以前にもろう者にまつわる短編を手がけたことのあるシャー・モー監督のこのテーマへの強い共感をうかがわせる。そんな本作は、10月に行われた「2025東京・中国映画週間」に出品され、第10回ゴールドクレイン賞(金鶴賞)の観客賞と最優秀主演男優賞(チャン・イーシン)をW受賞の快挙。映画週間に合わせて来日したイーシンは、最優秀主演男優賞の受賞に際して「『愛がきこえる』のおかげでシャオマーと出会えました。この役を引き受けたのは、ろう者の父親による娘への深い愛を感じたからです。これは、とてつもなく偉大で強い愛です。この映画を通してより多くの方たちが手話に対して興味を持って学んでくださること、ろう者の方たちと交流してもらえることを願っています。そして、“アイドルは演技がひどい”といううわさもあるようですが、ひとりのアイドルとして、堂々とした俳優としてここに立っています」と語り、本作への自信を感じさせる堂々たるスピーチを披露した。
『愛がきこえる』は2026年1月9日(金)より全国ロードショー