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128打席ノーアーチのソフトバンク山川穂高、大スランプの原因をデータ解析

SPAIA

ソフトバンクの山川穂高,ⒸSPAIA

6月の月間打率.182、0本塁打、4打点

早くも貯金28とパ・リーグを独走しているソフトバンクの中で、懸念材料を挙げるとすれば山川穂高の不振だろう。11号3ラン、12号2ランを2打席連発した5月22日の楽天戦以来、30試合128打席ノーアーチ。6月は月間打率.182、0本塁打、4打点と大スランプに陥っている。

一体、何が要因なのだろうか。開幕から5月末までの成績と6月の成績を相手投手の左右と球種別に比較してみた。

5月まで対右腕のストレート打率.455

対右投手ではストレートが44打数20安打の.455と最も高い打率を叩き出している。対左投手のストレート(21打数2安打の打率.095)と比べると際立っている。

ほかには右投手のスライダーも25打数7安打の打率.280とよく打っていた。全体で見ても左投手の打率.251に対し、右投手は.314と好成績。元々は左腕に強く、2023年は対右投手が打率.196、左投手が打率.462をマークしており、他のシーズンもほとんどが対左投手の打率の方が右投手より高い。

にもかかわらず、今季は右投手を攻略していたからこそシーズン前半はホームランダービーを独走する12本塁打も打てたのだろう。左投手の打率.251も山川の通算打率.253と比較すれば決して低いわけではなく、対右投手の高打率は前半戦「好調の証」とも言える数字だったのだ。

6月は打率.167と急落

では、6月はどうなっているのか。投手の左右と球種別の成績は以下の通りだ。


右打者のストレートは24打数4安打の打率.167と急落。逆に左投手のストレートは13打数2安打の打率.154と悪いなりに上昇している。

全体で見ても、対右投手は打率.167、対左投手は打率.200で対左投手の高くなっているのだ。「好調の証」だった対右投手の成績が落ちていることがそのまま6月の成績につながっていると見て良さそうだ。

打球が上がらない…対右投手のフライ割合が低下

月別の成績を見ると、3月は3三振、4月は21三振、5月20三振だったのに対し、6月は29三振に増えている。そこで打席数に占める三振の割合、打球数に占めるフライとゴロの割合も調べてみた。


三振割合は全体的に増えており、5月末までは対右投手が23.2%、対左投手が17.6%だったが、6月は対右投手が29.1%、対左投手が31.0%と左投手から三振が増加。対左腕の打率は上がっているが、三振も増えている。

顕著なのがフライ割合だ。5月までは対右投手が56.7%、対左投手が54.9%だったが、6月は対右投手が46.9%と10%近く下がっているのに対し、対左投手は51.9%と3%減にとどまっている。つまり対右投手の方が打球が上がらくなくなっているのだ。

力自慢の山川も打球が上がらないと本塁打が出ないのは自明の理。この辺にも不振の実情が見て取れる。

逆にゴロ割合は対右投手が32.2%、左投手が41.2%だったのが、6月はそれぞれ37.5%、44.4%に増加。やはり右投手の方が増え幅が大きい。

不振の原因は様々あるだろうが、スランプ脱出には右投手対策も重要だろう。今季前半のように右投手のストレートをスタンドに放り込んだ時こそ復活と言えるかもしれない。

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記事:SPAIA編集部

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