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終活とは?【後編】始める前に知っておくべきチェックポイントと注意点

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終活とは?【後編】始める前に知っておくべきチェックポイントと注意点

「終活」は、今では広く使われるようなり、多くの人が知る言葉ですが、実際のところ何をいつからどのようにしたらよいのか、具体的なイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。終活は決して高齢者向けの言葉ではありません。むしろ、現役世代も含めて終活をすることで人生はより豊かになります。

この記事では、「終活」を始める上での注意点や、住まいの終活についても解説します。

前編 終活とは?エンディングノートと遺言書の違いを解説 終活のメリット・デメリット 後編 終活を始める上での注意点 人生を前向きにとらえられるようになる「終活」 住まいも終活を考える時代に

終活を始める上での注意点

ここでは、終活を始めるにあたって注意したい点をまとめます。

終活を始める前に確認すべきこと

終活の準備で確認すべきことには以下のような点があります。

エンディングノートの作成 遺言書の作成 財産や資産の確認 医療や介護に関する希望 葬儀やお墓に関する希望 デジタル遺品整理

終活の準備に必要なものには以下のものがあります。

エンディングノート 遺言書 財産目録 保険証券 医療関係書類 口座情報 パスワードリスト

終活支援に関する相談窓口としては、以下ようなものがあります。相談の際には、支援の内容や目的に応じて、各種国家資格の専門家に直接相談するのがよいですが、総合的な相談窓口も用意されています。とくに最近は、行政が終活支援に乗り出しています。お金があまりない、独り暮らしで今さら相続のことを考える気にならない、病気や障害があって相談相手がいない、相談がしにくいといった場合は、行政を頼るとよいでしょう。

終活カウンセラー
一般社団法人 終活カウンセラー協会 ファイナンシャルプランナー(国家資格・お金全般) 税理士(国家資格・税金) 行政書士(国家資格・法律) 司法書士(国家資格・法律) 弁護士(国家資格・法律) 市役所などの高齢福祉課、社会福祉協議会、地域包括支援センターなど 自治体のなかには終活サイトや、エンディングノートを配布している自治体もある 例:豊島区 終活あんしんノート

終活で後悔しないために知っておくべきこと

終活を始めたものの、家族や専門家とのコミュニケーションが不足していたり、費用などに関する調査が不十分だったりすると、後悔することになりかねません。以下のポイントに注意しましょう。

自分の価値観や希望を大切にする 家族とよく話し合う 無理のない範囲で少しずつ進める 特に法律や税金の問題に関しては専門家のサービスを積極的に利用する

人生を前向きにとらえられるようになる「終活」

俳優として多くの作品で活躍し、2016年に終活ライフケアプランナーの資格を取得した財前直見さんは、エンディングノートの代わりに作る「ありがとうファイル」を提案します。財前さんにとっての終活は「大切な人を守るだけでなく、自分の暮らしを便利にし、家族や未来に思いを馳せるきっかけをくれる」活動です。

「私が提案する『ありがとうファイル』は、人生を前向きに歩いていくための終活ツール。年齢に関係なくおすすめです」と財前さんは語ります。一般的なエンディングノートと異なるのは、ファイルになっていることで、生きている自分をサポートしてくれるさまざまな情報をコピーし集約できます。人間の気持ちはどんどん変わっていくため、編集のしやすさを大事にしたそうです。

財前さんは終活の意義について次のように述べます。

「日ごと必要な情報をまとめることは、目の前の生活を必ず便利にしてくれます。今の生活をサポートしてくれるもの、家族と対話し、自分なりの未来を思い描くものだと考えれば、エンディングノートを作る終活は誰にとっても有意義なことです」

住まいも終活を考える時代に

自分の死後、自分の家は空き家になりますが、原則として相続人がその家を相続します。しかし、不動産に関する情報がいいかげんだったり、きちんと不動産が管理されていないことも多く、遺族が困ってしまい、相続手続がスムーズにいかないことがあります。すると、空き家のまま荒廃してしまいますが、それが都心部でも地方でも社会問題化しています。そのため、元気なうちに不動産に関する情報をまとめ、家族と共有しておくことが大切で、それが「住まいの終活」として、いま注目されています。

「住まいの終活」は、日本で社会問題化している空き家問題とも直結しているため、国土交通省は2024年6月に「住まいのエンディングノート」を作成したと発表しました。

また、東京都も「東京住まいの終活ガイドブック」を作成し、住まいや土地などの不動産に関連した情報や、各種法制度を網羅しています。

住まいの終活は、不動産の売却処分や住み替えまでを想定するものとなれば非常に大きな人生のプロジェクトとなります。年を取れば、めんどうくさくて後回しにしたくなります。しかし、便利なツールや資料も準備されているので、これらを活用し、住まいの終活にもチャレンジすることをおすすめします。

出典
※5 住まいの将来をご家族で話し合ってみませんか?~「住まいのエンディングノート」を作成しました~ – 国土交通省

まとめ

終活で取り上げられている問題は、必ずしも、高齢者に限った問題ではありません。終活について正しく理解すれば、それが自分や家族の将来だけでなく、現在の生活にも安心感をもたらし、現役世代でも年齢に関係なく始められることが分かるはずです。「充実した今」を送るために終活を始めてみてはいかがでしょうか?

執筆:河合 良成

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