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聞き慣れないが強い権限を持つ「党税調」の存在とは?

文化放送

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、11月11日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。「少数与党の国会運営」をテーマに、石破茂内閣の今後の課題を解説した。

鈴木純子(文化放送アナウンサー)「少数与党の国会運営、どうなっていくのでしょうか」

二木啓孝「大変ですよね。最初のハードルは玉木さんが言っている年収の壁をどうするのか、というところ。それは税制の問題になってくるわけで、税金を変えなければいけない。103万円なのか、もう少し上げて178万というような。それを行うことによって税収の穴が開いてしまう」

長野智子「はい」

二木「『税制をいじる』『税収が減る』ここのせめぎあい。あまり聞き慣れない『党税調』という言葉があります」

長野「党税調?」

二木「正式にいうと自民党税制調査会という名で。いろんな調査会があるんです。たとえば政調会も政務調査会、防衛問題は防衛調査会。中でも税制調査会は別格。あまりニュースにはならないけれど、税調があらゆることを決めるわけ。自民党与党の税調が良い・悪いと決めたもの以外は予算に反映されない、というべらぼうな権限を持っている」

長野「はい」

二木「税調というともうひとつ政府税調というものがある。政府がつくる税務調査会。党がある党税調。力関係でいうと党税調は政府税調を無視。ないものとする」

鈴木「政府のほうが上のような気がしますが……」

二木「でしょう? ところがここの税調についていうと税務のベテランがほぼそろっているわけです。そろっているので、いまのところ税調は30人のメンバーが若手も含めているんですが、30人では決まらない。税制ってすごく細かいから。ベテランだけ、時によって9人か5人ぐらいがさらに内部で『インナー』と呼ばれる。インナーが決めるわけ」

鈴木「インナー……」

二木「あと20数人はインナーが決めたことに賛成というしかない」

長野「森山さんとか?」

二木「そう。古くは山中貞則税制会長という鹿児島出身の人が、税制に詳しくインナーのトップだった。昔、若手が会議で『山中税調会長、これはおかしいんじゃないですか』と言うと『君はよく勉強しているな。僕は50年しかしていないけど、どうなんだ?』と意見を封じ込めた」

鈴木「へえ~っ!」

二木「山中さんは鹿児島出身だけど、お正月や夏休みは沖縄で過ごすほど。沖縄が返還されたとき、沖縄の税制軽減をして。特に大きいのはオリオンビール。税制をすごく下げて日本の本土にも来るようになった。それから石垣牛という沖縄の牛も。税制を下げる、沖縄が長年苦労した分は税制で救おう、と。そういう権限をインナーは持っている」

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