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伊勢湾の船コウイカ釣りが開幕 【タックル・仕掛け・釣り方・オススメのエギを解説】

TSURINEWS

好ターゲット手中(提供:週刊つりニュース中部版・編集部)

冬から春にかけて、伊良湖沖の好ターゲットとして人気が高いコウイカ。食味も良くどっしりと肉厚の身は、モチッとした歯応えと甘い身が特徴だ。特に2〜3月は産卵を意識した個体が集まるため、数型ともに狙いめとされている。12月13日にシーズン開幕間際の愛知県・南知多町片名漁港の第十一忠栄丸に乗り込んで、実際に今季のコウイカの傾向を探ってみた。

コウイカ釣りのタックルと仕掛け

伊良湖沖におけるコウイカ釣りの基本タックルは、着底感知に優れた穂先と、しっかりめのバットを併せ持ったベイトタイプのロッドがオススメだ。

ロッドは8対2もしくは7対3の先調子で、ティップは軟らかく、バットがしっかりしたタイプだと繊細な誘いやアタリが取りやすい。

また、ポイントとなる伊良湖水道は流れが速く、水深は25〜70mラインと深い。オモリは60号が主流となるので、その負荷に耐えられるロッドを準備しよう。

電動タックル(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

リールは手巻き、電動どちらでもOK。電動リールだと手返し良く効率的。ラインはPEライン2号を200mほど巻いておくと安心。カウンターが付いていないリールを使用する場合は、ラインマーカータイプを巻いておくと、水深を把握しやすくなるのでオススメだ。

オモリは60号がメイン。エギは3〜3.5号のエギング用が基本。状況に合わせ、タコエギやティップラン用のエギがあると誘いの幅が広がるが、根掛かりに注意しよう。

巻きエサはキビナゴや鶏のササミ。仕掛けは今回忠栄丸船長が監修した4号ハリスに枝ス80cmタイプ中心に使用。枝スの長さは1m程度が理想。これによりエギを自然にフォールさせることができ、コウイカの乗りが向上する。

コウイカ仕掛け(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

潮が緩く仕掛けが絡みやすい場合は、枝スの長さを45〜60cmと短くしてみるのもトラブル回避のポイント。潮の速さやコウイカの活性を見ながら、エギのカラーや枝スの長さを調整してみよう。

エサはキビナゴとササミ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

釣り方の基本

コウイカは遊泳力が弱いため、エギのアクションは激しく誘わずゆったりとボトムを流すイメージで誘う。

ボトムにオモリを着底させた後、10秒ほど待ってエギをフォールさせながら潮流にナジませる。ナジむ前にシャクるなどのアクションを加えてしまうと、仕掛けが絡みやすいので注意。

また、オモリはボトムに放置せず、15cmほど浮かせて絶えずラインにテンションをかけておくと繊細なアタリも取りやすい。あとは定期的にボトムを取り直すことで、エギが浮き上がり過ぎないよう調整して、時折空アワセを入れてみよう。

誘いの基本動作

(1)オモリとエギを投入し、着底を確認したら10秒ほど待ち、エギをフォールさせながら潮流にナジませる。

(2)オモリを15cmほど浮かせ、エギが海底をはうイメージで40〜60秒ほどアタリを待つ。

(3)空アワセを入れ、枝ス分の80cm〜1mほどシャクり上げたところでピタッと止め、2秒ほど静止。

(4)その後、ゆっくりと穂先を下げながら、エギを再度潮流にナジませていく。

(5)40〜60秒ごとに底取りをし直し、(2)からの工程を繰り返す。

(6)アタリがなければいったん巻き上げて仕掛けが絡んでないか、エギに身切れしたゲソや浮遊物が絡みついていないかチェックして、(1)から繰り返す。オモリの先にエギが付いていることを絶えず意識しながら誘いを入れよう。

繰り返すが、オモリが勢いよくフォールして、着底後すぐ巻き上げると仕掛けが枝スに絡まりやすいので注意。10〜20秒はスプールを押さえた状態で、ラインが潮で流されてしまわないようテンションをかけてステイさせてから、オモリを15cmほど持ち上げてエギを潮になじませるよう心がけるとトラブルが少なくなる。

このアプローチにより、底をはうようなエギの動きを演出することもでき、コウイカへの効果的なアピールにつながるだろう。

釣り場と海洋状況

釣行日の天気や海況条件を整理すると、風速は北西約3〜5m。最低気温5度、最高気温10度。水温16度、水深は27〜60m。波は穏やかで、釣りには最適な状況だった。

第十一忠栄丸(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

しかし、活性は低くないものの、コウイカの特性と季節的な影響を受けているようで、まだ水深30〜60mと広範囲に散らばり群れていない様子。時合いらしいタイミングもなく、拾い釣りとなった。

釣果とヒットパターン

午前6時半に港を出発し、7時に水深47mのポイントからスタート。皆さんオモリとエギを投入すると、早々に左舷胴中の深谷さんにファーストヒット。やや小ぶりだが、デュエルEZ‐Qキャスト(パタパタ)のオレンジでキャッチした。

ヒットシーン(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

幸先良いスタートかと思いきや、その後は続かず、やや深場に移動しながら、終始間隔を空けて拾い釣っていく状況となった。

主なヒットエギと釣り方の例

この日のヒットカラーはモグモグサーチのオレンジ。ササミのエサ巻きで誘っていた左舷胴中後方の藤井さんが、特大のモンゴウイカを仕留めた後、立て続けに良型のコウイカもヒットさせ、再び時合いへの期待も急上昇。しばらくすると隣の深谷さんにもヒット。こちらは手返し重視で、エサは巻いていないEZ‐Qキャストのグリーン。

見事にキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

その後はエサ巻きのエギにアタリが集中し、やや優勢の様子。深谷さんもオレンジのエギにササミを巻いて再投入してみたところ、船中2匹目の特大モンゴウイカがヒットした。モンゴウイカは、今年から急に釣れるようになったようで、今後はコウイカ釣りの重量級立役者となりそうだ。

こちらもゲット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ポイントの移動と深さの変化

まだ水温が下がり切らず、コウイカも浅場のポイントをウロウロしているようなので、後半戦は浅場のポイント(25〜30m)へ移動。

イケスで泳ぐコウイカ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

誘いをかけていると藤井さんのロッドが激しく反応した。どうやら魚が掛かったようだ。電動リールのスイッチを入れ巻き上げてくると、スレ掛かりで良型のマゴチが浮上した。その後は反応も少なくなり、ミヨシの伊藤さんのヒットを最後に納竿を迎えることとなった。

マゴチも登場(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

今回の釣行のサオ頭は、手返しよく狙った深谷さん。コウイカ3匹、モンゴウイカ1匹の釣果。次に、ササミを巻き付けたモグモグサーチやキビナゴを巻き付けたノーマルエギを使用して、同じくモンゴウイカ1匹とコウイカ2匹に加え、マゴチも釣り上げた藤井さんが続いた。

船長オススメのエギとカラー

第十一忠栄丸の山下侑記船長が推奨するエギは以下の通り。

EZ‐Qでコウイカを乗せた(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

パタパタシリーズ(EZ‐Qシリーズ)蛍光色(イエロー、グリーン、ピンク)。モグモグサーチ(オレンジやパープル)など。パタパタエギは曇りの日や水深のあるポイントでは、目立つカラーが効果的とのこと。活性の高い時間帯はエサ巻きよりも手返しが良く、付属の足の波動が特に有効になることが多い印象とのこと。

エギケース(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

また、エサ巻きのモグモグサーチを使用する場合は、キビナゴや鶏肉のササミを巻き付けて使用。エサの鮮度が重要で、特に渋い状況で効果を発揮する。頻繁に交換することを心がけよう。

まとめ

コウイカ釣りは初冬から始まり、1月中旬になれば最盛期を迎える。これからは風や気温、水温といった自然条件を見極めて、エギを使い分けてみよう。

また、船長や仲間との情報共有も重要。2月に入ると産卵を意識し始めるため、群れはより一層濃くなる。3月中旬には産卵控えた個体も出始めシーズン終了となる。

お土産を確保(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

忠栄丸でのコウイカ釣りは、船長によるポイントの説明もアナウンスされ、分からないことがあれば親切、丁寧に教えてくれるので初心者でもしっかり楽しめる。

最後に注意点だが、取り込む際は墨に注意。コウイカはよく墨を吐くので、取り込みは船長にお願いしよう。船内で墨をまき散らしてしまったら早めに洗い流すこと。また隣の人や道具を墨で汚さないように、細心の注意を払いたい。

<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

 

忠栄丸

忠栄丸(ちゅうえいまる)  >

伊勢湾~伊良湖沖、大山沖の多彩な釣りを楽しませてくれる大型船。メバル、イサキ、タチウオ、ウタセ五目、コウイカ釣りならお任せ、冬はヒラメ釣りでも出船している。釣り人、釣具店スタッフにも好評のベテラン船長が舵を握ります。

この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年1月10日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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