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津軽三味線が流れる町中華のご主人は、三味線だけでなく現役のテナーサックス奏者だった!【茨城県つくばみらい市】

ローカリティ!

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茨城県つくばみらい市にある「よねや」さんは、昔懐かしい昭和の町中華を思い起こさせる老舗(しにせ)の御食事処。

店内には津軽三味線が流れ、壁には三味線奏者のポスターがあり三味線への強いこだわりが感じられる。今回、三味線のことについてご主人に伺ってみた。

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「よねや」は創業六十年

茨城県つくばみらい市の御食事処「よねや」さんはお客様に愛されること六十年。創業者のお父様からお店を引き継ぎ、現在は今のご主人がご夫婦で切り盛りされている。近くにゴルフ場があるため、昔はゴルフ場に来られた方がおなかを満たすためよく来られたとの事。

お食事メニューはラーメンやチャーハン、ギョーザなどの中華だけでなく、しょうが焼き定食、アジフライ定食などの定食類各種、その他オムライスやカレーライスなども提供されていて種類が豊富。

昔懐かしい昭和な雰囲気の店内には、津軽三味線が流れ、壁には三味線奏者のポスター。三味線への特別な思いが伝わってくる。

三味線の大会で優勝するほどの腕前

ご主人が三味線を始められたのは二十歳の頃。趣味で始めたけれどすぐに夢中になってしまい、数多くの大会で優勝するまでの腕前に。数多くの表彰状も見せて頂いた。

上に飾られているのは三味線の大会で授与された表彰状の数々。中央にあるのは鑑賞が趣味の水墨画。

三味線はもともと中国から伝来し、琉球(現沖縄)を通って日本に入ってきた。その後北へ北へと伝わり、本州最北端、青森県西部の津軽地方で成立したのが「津軽三味線」。速いテンポで跳ねる感じの曲が多く、弦をたたいて音を出す「たたき奏法」があるのが特徴である。

津軽三味線が生まれたのは明治時代と言われていて比較的最近のことのようだが、それでも弦をたたいて音を出す「たたき奏法」は、ベース(楽器)のチョッパー奏法より早い時期に生み出され演奏されていた。

日本全国旅をしながら三味線を弾いて生計を立てていた盲目の人たちが、より注目を集めるために大道芸を探求し考案したのが津軽三味線のルーツ。その力強い音を奏でるため、津軽三味線では棹(さお・ネックの部分)が太く、胴(本体部)も大きい「太棹(ふとざお)三味線」を使用する。

一方で、南部鉄瓶で有名な岩手県中・北部と青森県東部を含む南部地方で成立した「南部三味線」は、津軽と対照的に、どこか「もの悲しさ」を感じさせる曲調が多いとの事。その昔、津軽と南部で争いが起こり、津軽が勝って南部が負けた歴史があったそうだが、その影響が曲にも現れているのだろうか。

そして三味線の魅力に取りつかれたご主人のご子息は、物心をつく前から三味線を習い始め、なんと現在はプロの三味線奏者として世界で公演を行っているそうだ。世界のトッププロにまでなられたご子息のことを茨城弁でうれしそうに話してくれた。

なんとテナーサックスも現役奏者

さらに驚いたのは、このご主人、三味線がうまいだけでなくテナーサックスも演奏し、今も毎朝2時間練習していて、時々声がかかると演奏に出かけているそうだ。そして、なんと実際に目の前で吹いてくださいました!

テナーサックスの音をLIVEで聴いたのは初めてだったが、その響きといい、音圧といい、やはり再生して聴いたものとは全然違う!サックスってこんなsexyな音がするんだ!ご主人かっこいい!

なお、このサックスはフランスの有名なメーカーが作ったもので一級品。三味線とは違いサックスの方は、ムード歌謡やスペインなどのラテン音楽に合わせて演奏するのがご主人のお気に入り。

今お店はランチタイムのみの営業だが、それでも知り合いやお友達が来店してくれて、仲間で話をするのが今も楽しいとほほ笑みながら語ってくれた。

この度はいろいろなお話だけでなく、サックスまで演奏して下さり本当にありがとうございました。

情報

御食事処「よねや」

住所:茨城県つくばみらい市板橋3022-6
駐車スペース:店前および、すぐ横にもあります(計約8台)
TEL:0297-58-6488
営業時間:月木金土日/11:00-14:00ランチタイムのみの営業 (火水休み)

愛智なおゆき

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