【習志野市】親しまれる交番を目指す。移動交番相談員の稲川さんと青木さんを取材!
交番のない所に行って交番と同じような活動をする移動交番車。そこで働く稲川さんと青木さんは住民との触れ合いに「風船アート」を使っています。
住民との距離を縮めたいと模索して
習志野署の移動交番車で勤務する稲川俊博さんと青木幸浩さん。
元警察官の二人は定年後、移動交番相談員になりました。
稲川さんは警察官時代も長年移動交番車で勤務した経験を持ちます。
公民館や高齢者施設などを訪問した際に実感したのが「人を集めるのも防犯の話を聞いてもらうのも大変だということ」。
そこで風船アートや折り紙細工を取り入れ、みんなが興味の持てそうな話から始めることに。
最初に習志野という地名の由来の話をしたり、風船で動物を作ったり…。
そうすることで距離が縮まり、気持ちがほぐれて防犯の話も聞いてもらえる雰囲気に。
聞いた人が他の人に、人から人へと伝わって「振り込め詐欺」の被害を防げた例もあったそうです。
これからも犯罪から住民を守りたい
休憩時間には防犯標語を貼り付けた紙飛行機などを一緒に作るという稲川さんと青木さん。
それぞれ定年まで40年以上、警察官として献身的に職務に励んできました。
最前線に立って危険な目にもずいぶん遭ってきたと話す青木さん。
一方稲川さんには14年前、危篤状態にあった姉が「私はいいから、あなたを待っている住民の方たちの所に行ってあげなさい」と送り出してくれた、という思い出があります。
稲川さんは現地に赴き職務を遂行。この亡き姉の最後の言葉が今も稲川さんの背中を押し続けているのだと言います。
「住民に移動交番をもっと身近に感じ、気軽に話しかけてもらいたい」と願う二人。
困った時にはいつでもどうぞ。
話しに来るだけでも大歓迎。
以前青木さんの元に「心細いので一緒に見てほしい」と合否の通知を活動現場に持って来た人がいました。
結果は合格だったのでほっとしたそうです。
「犯罪の被害者を一人でも減らしていきたい」、この信念に貫かれて住民に尽くしてきた二人。
この姿勢は今も変わることはありません。