芸妓さんのかんざしにはジンクスがある?札幌花柳界の「お正月」の舞台裏をご紹介【さっぽろ芸妓日記vol.17 】
札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。
しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
札幌花柳界の繁忙期!「お正月」の舞台裏
2025年がスタートしましたね!
以前、別の記事でもご紹介した通り、芸者衆の一番の稼ぎ時は「お正月」。
今回の年末年始も、札幌組と出張組の2チームに分かれてお仕事をさせていただいておりました。
毎年恒例でお仕事をいただけるのはとても有難いことです。
そうそう、松の内まで使用することができる、こちらの“稲穂の簪(かんざし)”。
以前、「好きな人に鳩の目を入れてもらうと願いが叶う」というジンクスをご紹介させてい ただきましたが、実はもうひとつございまして。
芸者衆から稲穂(なんと本物!)を七粒もらってお財布に入れておくと、とても縁起が いいとされているのです。ですのでこの時期は豆ポチ袋に稲穂を入れ、ご贔屓(ひいき)のお客 様に差し上げたりしています。
ちなみに稲穂は七粒繋がっていないといけないので、 見つけるのが少し大変なんです。
(こちらも街によって違うみたいです。あくまで札幌花柳界のジンクスです)
“実るほど頭を垂れる稲穂かな”という言葉のように、今年も謙虚に、芸にお仕事に精 進して参りたいと思います。
本年もさっぽろ名妓連を、どうぞよろしくお願い申し上げます!
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連載さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。