おいしくて優しい東京のあんぱん6選。甘いパンのド定番!これぞパンの醍醐味だ!
パンには無限の可能性が広がる。そう感じさせてくれるのは、昔ながらの定番のあんぱんかもしれない。小倉がいっぱい詰まったあんと共に、優しい甘さに癒やされる極上の時間。どこか懐かしく、ホッと安心してしまう。各店の創意工夫されたあんぱんに、この機会にぜひ出合ってほしい。
職人芸が光る洋風NEOあんぱん『TOLO PAN TOKYO』【池尻大橋】
大判焼きのようだが、モダアンは正真正銘のあんぱん! あんこは北海道産の小豆を使い、一から店で仕込む。塩を入れると重たくなるという理由から、なんとマテ茶で味をしめるのだという。ブリオッシュ生地には卵の代わりに焦がしバターと黒糖を駆使。最初はサクッと歯切れよく、口の中であんことなじんでしっとりするのがたまらない。
『TOLO PAN TOKYO』店舗情報
TOLO PAN TOKYO(トロパントーキョー)
住所:東京都目黒区東山3-14-3 中里ビル1F/営業時間:7:00〜17:00(売り切れ次第終了)/定休日:火・水/アクセス:東急電鉄田園都市線池尻大橋駅から徒歩3分
隠し味は店主夫妻の思いやり『藤の木』【西荻窪】
昭和12年(1937)、西荻窪に開店。現在は3代目の下田将司さんがパン作りにいそしみ、妻のみどりさんが笑顔でお客さんを迎える。初代から引き継いだ理念は「素直においしいと思えるパン」。将司さんの代からは、できる限り添加物を抑えるなど、さらに思いやりを込めて生地をこねる日々だ。あんこは代々付き合いのある地元の製餡所のもの。西荻薄皮あんぱんには、ふっくら柔らかいつぶあんを入れる。手のひらサイズでおやつにもぴったり。
『藤の木』店舗情報
藤の木
住所:東京都杉並区西荻北3‐16‐3/営業時間:8:30~19:00/定休日:日・祝/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩3分
ずしりと重い、はちきれそうなあん『ナカヤ』【南砂町】
昭和8年(1933)の創業以来、変わらぬ製法で1時間半じっくり炊き上げる自家製こしあんのあんぱんは甘さも塩加減も絶妙。しっとりした薄皮に包まれているのに、ずしりと重い。ほかに小倉(つぶしあん)、白、うぐいす、くり、などもあり、組み合わせればもらった側のわくわく感も尽きない。落語家の三遊亭円楽さんら著名人が楽屋の差し入れとして重宝するのも納得だ。日持ちは3、4日だが早めのほうがおいしい。
『ナカヤ』店舗情報
ナカヤ
住所:東京都江東区東砂6-20-8/営業時間:7:00~18:30/定休日:火・水/アクセス:地下鉄東西線南砂町駅から徒歩20分
異色の組み合わせがやみつきに『吟遊詩人』【荻窪】
オープンから10年以上。旅番組で見たたい焼きをヒントにクリームチーズとつぶあんを組み合わせ、従来のフランスあんぱんをさらに進化させた商品が人気だ。生地には、国産とは風味が違うフランス産の小麦を使用。窯入れの際、パンに鉄板をのせて直火を当てないようにし、蒸気を多めに注入することで弾力が強く、もちっとした生地に仕上げる。北海道で有機栽培した大粒の小豆のあんは甘さも上品。10個まとめ買いする人も。
『吟遊詩人』店舗情報
【移転】吟遊詩人
住所:東京都杉並区天沼3-2-2山和荻窪ビル1F/営業時間:8:00~売り切れ次第終了/定休日:無/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩3分
製餡所ならではのラインアップ!『あんですMATOBA』【浅草】
創業大正13年(1924)、お得意先は関東一円のパン屋や和菓子店という『的場製餡所』が直営するあんぱん専門店。窓際の棚にズラリと並ぶのは色も形も違えどみなあんぱんで、その数常時20種。こし、つぶ、しろ、うぐいすはもちろん、さくらにゆず、黒ゴマ、カボチャ、コーヒー、ずんだ、甘栗……と、これでもか! というほど多彩な自家製あんが味わえる。店内では袋入りのあんこも販売。
『あんですMATOBA』店舗情報
あんですMATOBA
住所:東京都台東区浅草3-3-2/営業時間:7:30~18:30/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄銀座線浅草駅から徒歩10分
つぶ派もこし派もニンマリ『パンステージ・マイ』【東伏見】
一度に焼く量と回数を調整し、店内のパンはいつでも焼きたてが並ぶ上、あんぱんは売り上げトップ5に入る人気者。だから多いときで1日7、8回も焼き上がりに立ち会える。北海道産エリモ種の小豆を使った粒あんは生地40gに対しぎっしり70g。つるりとした皮を残しつつも限りなくこしあんに近いしっとり感だ。イートイン席ではコーヒーもあり、オーブンでパンの温め直しサービスも。
『パンステージ・マイ』店舗情報
パンステージ・マイ
住所:東京都西東京市富士町3-4-12/営業時間:8:00~18:00/定休日:火/アクセス:西武鉄道新宿線東伏見駅から徒歩8分
構成=フラップネクスト 取材・文=信藤舞子、香月真理子、下里康子 撮影=オカダタカオ、加藤昌人