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野村邦丸と内藤剛志がしみじみと語る「人生の足し算・引き算について」

文化放送

野村邦丸アナウンサーが大将を務める「くにまる食堂」(文化放送・毎週月~金曜9時~13時)。8月28日(木)はオープニングから野村邦丸アナと俳優・内藤剛志による「人生の足し算・引き算」についてのお話が展開した。

野村邦丸アナ「今日の本番前、我々スタッフを前に内藤剛志さんが18分に及ぶ熱弁をしました。その内容が、要するに『演出論』。結論っぽくなったのが、『演出には足し算もあれば引き算もある』と」

内藤剛志「僕、日大の映画学科出身なんですよ。現在はその映画学科で先生もやってますが、『映画って何よ?』って話をしてますね。今の子たちにとっては映画とかビデオとか、あるいは携帯の作品とか、敷居がそれぞれ高いとか低いとかあんまりないんです。僕らの頃は、8ミリ、16ミリ、そして35ミリという、敷居って言い方じゃないけども、だんだん上に上がっていくイメージがありました。別にそれは映画に出てるから偉いじゃなくて、映画の方が情報量が多いと。つまり35ミリで撮るから風景を撮っても細かいところが見えちゃう、ということなので、簡単に言うと、演技もそうなんですけども『あんまり説明する必要がないよね』って話ですね」

邦丸「これはよく聞くんですよ。ラジオのパーソナリティも、説明ばっかりしてるとつまんないということ。こうこうこうで、説明は必要なんですよ。最低限の説明で、リスナーさんが何を感じてくれるかっていうのが大事だっていうことは、よく言われたことあったけどね、昔のディレクターに」

内藤「似てると言ったら失礼かもしれないけど、テレビの場合悪く言うわけじゃないですけども『何々しながら』が多いんですよ。例えば、お食事作りながらとか、食べながらとか、あるいは仕事しながらチラチラ見るとか、なんかそういうのがある。なので、やっぱり説明的なセリフが多くなるんですね。例えば『昨日こういうことがあって、俺はとても悲しいと。悲しさを何かに例えるなら、これぐらいだ』ぐらいのセリフを言うと。だけど映画の場合ってのは、暗い中に座っていて、画面しか見てないから、そこで何も台詞を言わなくても、前のシーンが悲しいことがあったとしたら、次のシーンにポンといるだけで『こいつ悲しいんだろうな』って思ってもらえるから、自分で僕がいかに悲しいかを語る必要がないというのが、『演出の引き算』という話ですよね。引き算することによって何が起きるかというと、お客さんが『ン、何?』って乗り出してくれるんですよ。客席から、あるいはお茶の間から。『なんだこれは?』って、このちょっと前に集中してもらうことが目的なんですね。つまり、観ている人にも参加してもらうってイメージ。台詞を引き算することによって、お客さんが足してくれる。あんまり説明しないと、『お、今これは何が起きてんだい?』っていう風になるじゃないですか。そこが、僕は一応俳優としての仕事としては、なんか目指すところなんですね。なので、足したり引いたりっていうのをすごく考えるんです」

邦丸「さっきこの番組の若いディレクターと一服しながら話をしてたんだけど『やっぱり若いうちは足し算だよね。考えてみたら、自分もそうだったよな、あれもやりたいこれもやりたい、あれを食べたいこれを食べたい、あそこに行きたいここに行きたい……足し算がずっと続くのが、意外とこう、10代20代30代ぐらいまでかな?』っていう。で、その後じゃあどうするかっていうと、まあ、引き算ということで、例えばですよ? 朝ごはんを食べるとしますね。塩鮭がある、卵焼きが、サラダがある、漬物もある。で、味噌汁とご飯。ある時に卵も切らしていて、塩鮭もなかった、で、サラダになる野菜も買い置きはなかった。その時に、味噌汁とご飯だけ」

内藤「全然いいじゃないですか!」

邦丸「これで満ち足りちゃうのって、ある意味、引き算にだんだんなってる。どんどんシンプルに。俺は昨日の夕飯なんて、枝豆とクラッカーと6Pチーズですよ」

内藤「僕はもう少し芸能人ですね。カルパッチョとステーキカレーを食べましたね。」

邦丸「だから、内藤さんは今でも足し算してる」

内藤「いやいや、違う、俺は別に味噌汁しかなくても平気ですよ。白飯に醤油かけても食える。美味いですよ? 逆にそっちの方が舌が鋭敏になるような気もしますけど」

邦丸「食べ物で言えばそんな感じ。それで、結構引いてみて、私も今68で来年年明け69。今まで月~木だったり、月~金の番組やってたりしましたが、10月からは日曜日だけになるじゃないですか。他にもちょこちょこ仕事もありますよ。でも、基本、平日暇でしょ?だから、収入も減るわけですよ。女房から言われてるのは『働け』と(笑)」

内藤「じゃあ、役者でもどうですか? 邦丸さん演技上手いと思うな。この番組のジングルで喋ってるの聴いてても。『いらっしゃい!』とか、すごく上手だった」

邦丸「ああいうことだけ。あれが限界」

内藤「いや、やりましょう、一緒に(笑)」

この後も、時間を忘れて男2人の「足し算・引き算」トークがひたすら続いたのだった。

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