伊勢原キングタイガースが発足 親の負担ゼロ楽しむ野球
少年少女野球チーム「伊勢原キングタイガース」が4月に発足した。監督を務めるのは、瀬尾博さんだ。「親の負担なし、野球を楽しむこと優先」。新たな少年野球のあり方を提案するチームとして、注目されている。
チーム設立の背景には、瀬尾さんの子どもが少年野球チームに入れなかったという体験がある。「当時小学校3年生だった息子が野球チームに入りたがった。でも、土日祝は朝から夕方まで練習で、親のサポートが必須。店を経営している私は、そこまで時間を捻出することが難しかった」。伊勢原市内のチームを巡ったものの、条件が合わず断念。そんな中で、厚木市のチーム「厚木キングタイガース」と出会った。日曜日午後のみ、父母会役員などは省略など、その方針に感銘を受け入会。自身もコーチとして参加した。
子どもの小学校卒業を機に「共働き世帯が増える中、同じように悩む親は少なくないはず」と考えた瀬尾さんは、厚木キングタイガースの姉妹チームを地元で立ち上げることを決意。日曜日の午後のみを基本に、親の手伝いも一切なし。野球協会には所属せず、大会費用などもカットした。チームのモットーは「子どもたちに健全に成長してもらうこと」。暴言や説教も禁止で、Teach(教える)ではなく、Coach(導く)の環境づくりを重視した。
瀬尾さんは横浜出身。中学、高校と野球部に所属し、クラブチームでもプレーを続けた。大学卒業後、大手スーパーに勤務し、その後独立。自然食品店「山の百貨店」を伊勢原駅前にオープンさせた。チームは発足したばかりで体験者もまだ少ないが、「求めている人はきっといる」と瀬尾さんは手応えを感じている。
メンバーを募集中で、小学3〜6年(他は応相談)、週1回(日曜・祝日)の午後、神奈川能力開発センター(日向)や大山小学校で行われる。月額1500円。体験や見学は瀬尾博さん【携帯電話】090・2173・4913へ。