【奈良県】「お水取り」「お松明」とは?東大寺で1270年以上続く神秘的な祈りの儀式【東大寺修二会2025】
【東大寺修二会2025】奈良の東大寺で1270年以上続く神秘的な祈りの儀式。「お松明」「お水取り」とは?
奈良の春の訪れを告げる伝統行事「修二会(しゅにえ)」が、今年も東大寺二月堂で行われる。
修二会は752年に始まり、一度も途切れることなく続いている歴史ある仏教儀式。毎年3月1日から14日までの期間、多くの参拝者が訪れ、古都奈良の夜を彩る神秘的な行事を目にする。
修二会とは?
修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)法要」。われわれが日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の宝前で懺悔し、国家の安泰や人々の幸福を祈る。
修二会には「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる僧侶たちが参加し、14日間にわたって厳しい修行を行う。
修二会の行事の中でも特に見どころとして知られる「お松明」「お水取り」の名で呼ばれることも多い。
お松明(おたいまつ)
修二会といえば、巨大な松明を振りかざす「お松明」が象徴的な存在。
毎晩19時(3月12日は19時30分、14日は18時30分)になると、10本(12日は11本)の大松明が二月堂の回廊を駆け抜ける。この炎の迫力と、火の粉が夜空に舞う幻想的な光景が多くの参拝者を魅了する。
「お松明の火の粉を浴びると無病息災のご利益がある」といわれており、松明が近づくたびに見ている人々の熱気も高まる。
お松明には非常に多くの人が集まるため、安全対策として、入場規制なども実施される。必ず確認して参拝しよう。
お水取り(おみずとり)
3月12日の深夜から13日未明にかけて行われる「お水取り」。
二月堂の下にある若狭井(わかさい)という井戸から、「お香水(こうずい)」を汲み上げ、観音様にお供えする。
お水取りが終わると、「奈良に春が来る」と言われ、春の訪れを告げる風物詩となっている。
参拝のポイント
・修二会の期間中、奈良の夜はまだ冷え込むことが多い。厚着をして行くのがおすすめ。
・混雑を避けるなら平日がねらい目。お松明やお水取りが行われる日程は特に混雑するため、早めに訪れるようにしよう。
・神聖な儀式なので、写真などの撮影の際は周囲の人や進行の妨げにならないよう注意が必要。二月堂内では、撮影は禁止。
・事前に東大寺公式HPを確認の上、参拝しよう。
修二会は単なる観光行事ではなく、1270年以上にわたり、一度も絶えることなく続けられてきた「祈り」の時間。僧侶たちの行法と、受け継がれてきた伝統の重みを感じながら、参拝者もまた、心静かに祈りを捧げる。
この特別な時間に足を運び、日本の伝統と祈りの文化に触れてみよう。
東大寺
住所:奈良県奈良市雑司町406-1
アクセス:近鉄奈良駅から、登大路町を東へ徒歩約20分