【99%知らない】県民の激推しだけど “ある理由で出回らない鳥取みやげ” を東京にムリヤリ持ち込んだ結果 …
“有名なみやげがある地元” に生まれた人って本当に得してる。毎回みやげ選びに悩まなくていいし、もらった側も心から嬉しい。 “有名なみやげが無い地元” に生まれた人間の気持ちなんて、きっと分からないよね……。
ちなみにウチの地元・鳥取には”有名になるポテンシャルを秘めたみやげ”が存在しており、個人的には『赤福餅』や『萩の月』くらいの実力はあると思っている……のだが、 “ある理由” から全国区への道のりはかなり険しいと言わざるをえない。
今回はその問題の鳥取みやげ『打吹公園だんご』を初めて東京へ持ち込み、他県民たちのジャッジを仰いでみたいと思う。全国で通用する……よね!? よね!?!?
・時間との戦い
なお公園だんごを鳥取みやげとして活用することが困難な理由は、シンプルに “賞味期限が短い(3日間)” から。「3日あれば許容範囲内じゃん」と思った読者も少なくないだろう。
が……公園だんご全国区化計画における最大の問題点は“賞味期限内であっても時間の経過とともに味が落ちていく”ことなのだ。あくまで個人的な体感ではあるが「1時間ごとに味が落ちる」と言っても過言じゃない気がする。正確にはモチがどんどん固くなり、アンコがパサついてくる。
よって「初日の公園だんご」と「3日目の公園だんご」とでは、賞味期限内であっても全くの別モノ。本来の実力が発揮できていないだんごを「鳥取みやげ代表」として差し出すのは、鳥取県民としてのプライドが許さない……とまぁ、そういう話なのだ、コレは。
さて以前の記事でご紹介したが、先日ウチの母が当編集部へ遊びに来た。彼女は鳥取を朝出発し、その足で事務所に直行した……つまり “出来たての公園だんごを最速で東京へ運べる人材” だったのである。
そんなこんなで母を運び屋に、東京へやってきた出来たて公園だんご。公園だんごを知らない99%の読者に全力でプレゼンしたい!
・普通こそ至高
『公園だんご(打吹公園だんご)』(10本入り1188円)を製造するのは石谷精華堂というメーカー。創業明治13年。もちろん私が生まれた段階で、すでに地元を代表するお菓子だった。
公園だんごは白・緑・茶色のちっちゃい3色の串だんご。みやげという立ち位置にありつつ、地元の人はオヤツとして普段使いもしている。愛されているのだ、公園だんごは。
だんごの中身はモチャッとした餅。どれも微妙に味が違うのと、サイズ感が絶妙なので1人で10本とか余裕でいける。緑色のあんは抹茶とクロレラで着色されているのだそう。
公園だんごは多くの全国区みやげと同様、「ビックリするほどウマい」とか「珍しい味がする」とかではない。ただ、ただ普通にうまい。そういう類のだんごである。何度も言うけど『赤福餅』や『萩の月』と同じ、もしくはちょい上くらいのレベルに位置している……と個人的には思うんだけど、どうかな??
・他県民にきいてみた
ってことで編集部の面々に公園だんごを食べてもらう。島根県(鳥取のお隣)出身の佐藤記者は、さすがに公園だんごをご存知ですよね?
佐藤「確かに見たことはあるけど、食べるのは初めて。うまいよ。落ち着くおいしさだ。山陰って和のお菓子が多くてレベルが高いと思うんだけど、イマイチ知名度に欠けるんだよな。ちなみに俺のオススメは桂月堂(松江の老舗和菓子屋)の『若草』だ。今度食ってみろ」
中澤「イイっすね。ただ甘いだけじゃないのがイイ。いかにも自然の原料を使っていそうな風味で、昔からあるんだろうな〜って感じがします。すごく柔らかいから幅広い年代にウケそう」
古沢「とってもおいしいキビだんごですね!」
古沢君がキビだんごを誤解していそうな件については一旦無視するとして、みんなの反応がよかったことに鳥取出身者として安堵のため息を禁じ得ない。結論として公園だんごは全国でも通用する! ただ持ち出しのハードルが高すぎるだけ!!!
だからといってMAXコンディションの公園だんごが入手困難であることに変わりはないが……鳥取には他にも、劣化が早すぎて地元でしか流通しない海産物などが多数存在している。つまり何が言いたいのかというと、みんな、春が来たら鳥取へ遊びに来てね〜!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.