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山崎 一 主宰の劇壇ガルバ、3人の劇作家が峯村リエと向き合い描いた『ミネムラさん』を上演 公演ビジュアルなど解禁

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劇壇ガルバ 第6回公演『ミネムラさん』

2024年9月13日(金)〜23日(月祝)シアタートップスにて上演される、劇壇ガルバ 第6回公演『ミネムラさん』の公演ビジュアルなどが解禁となった。

劇壇ガルバとは、2018年11月、俳優・山崎一により旗揚げ。キャスト、スタッフが能動的に関われる活動を目指し、山崎が信頼する俳優やスタッフをつど招集、また、オーディションにより新しい世代も加えて活動する演劇集団だ。

今回、新進気鋭の3名の劇作家が、舞台・映画・ドラマと幅広いジャンルで活躍する実力派女優・峯村リエと向き合い、ひとりの女性が少女から大人、そして老婆へ、うつろいながらも生きる姿を描き出す。これは想像、夢、それとも現実なのか……。出演者は、峯村リエ、大石継太、上村 聡、森谷ふみ、安澤千草、山崎 一。

峯村リエ

大石継太

上村 聡

森谷ふみ

安澤千草

山崎 一

本公演は、劇壇ガルバの実験プロジェクトから生まれた新たな劇世界となる。また、劇壇ガルバ主宰・山崎 一、本公演の主演を務める峯村リエ、演出の西本由香、そして3名の劇作家・笠木 泉、細川洋平、山崎元晴のメッセージも到着したので紹介する。

劇壇ガルバ 第6回公演『ミネムラさん』 公開にあたってのメッセージ

■山崎 一 (劇壇ガルバ主宰/出演)
劇壇ガルバ、第6回公演は、実験プロジェクトの第2弾である。今回は、3名の劇作家がひとつのテーマのもとにそれぞれ物語を書き起こし、ひとりの演出家が束ね、ひとりの主演が演じることを試みる。テーマは、「女性」。前回は、「老人とアイデンティティ」をテーマにひとりの男を通して物語を紡いだが、今回は女性である。名前は「ミネムラさん」という。3名の劇作家が、「ミネムラさん」を描く。それを峯村リエという女優が演じてくれるが、実在の彼女と関係があるのか、といえば、たぶんない。いや、あるかもしれない。我々はどんなミネムラさんを目撃することになるだろうか。おそらく、ひとりの女性の複雑で豊かなさまざまな側面に、誰もがどこか自分に重ね合わせてしまうような瞬間がたちのぼるのでは、と想定している。

■峯村リエ(俳優/出演)
皆さんこんにちは。峯村リエです。
このお芝居の題名と同じ苗字の峯村リエです。けれど皆さん、このお芝居、「女の一生」の様に「ミネムラリエの一生」を描くわけではありませんからね。でもね、皆さん。きっとお芝居を観ていてハッとする事でしょうよ。
だって、皆さんは必ず会った事があるんですもの。街角に佇んでいる「ミネムラさん」、お母さんの中にいる「ミネムラさん」、友人の中にいる「ミネムラさん」。
いないと思っていてもどこかに必ず「ミネムラさん」はいて、皆さんと一緒に人生を歩んでいるんですよ。そんな「ミネムラさん」を峯村リエは頑張って演じます!!

■作:笠木 泉(劇作家/演出家/俳優/演劇ユニット「スヌーヌー」主宰)
連帯して、描く。全く別の物語に、作家三人の心が寄り添っている。全く別の手が、一人の女性を想像する。それぞれの「ミネムラさん」を想像する。やがてお互いの「ミネムラさん」は拡張する。そして三人の「ミネムラさん」は越境する。我々の手を離れ、飛んでいく。その姿は果たして「一人の女性」なのだろうか。峯村リエさんの声、身体、言葉、笑顔、背中、時間とともにある「ミネムラさん」。心の中の「ミネムラさん」の声を聞き、会話すること。寄り添うこと。連帯すること。それが、この演劇の(もしくはそれぞれの人生の)、ささやかだけど、実は圧倒的希望だと思っている。孤独になったら、電話をください。壁を叩いて、合図をください。そのような創作です。「一人の女性」の確かなる幽けき存在と時間を、三人で大切に書き進めています。どんな演劇になるのでしょうか。自分でも楽しみです。

■作:細川洋平(劇作家/演出家/俳優/演劇カンパニー「ほろびて」主宰)
はじめさんからびっくりするようなお題をいただきました。「ミネムラさん」を三人が描く。ミネムラさん? ミ・ネムラさんかな。ミネ・ムラさんかな。何人くらいいるのかな。えっ。峯村リエさん御本人? いやどうでしょう。「ミネムラさん」。ぼくは「ミネムラさん」をどのように見ているのでしょう。他の人はどんなふうに見ているのでしょう。そんなことを考えながら、ぼくはぼくなりの必死さで「ミネムラさん」を書いてみました。あとは皆さまに託します。

■作:山崎元晴(劇作家/演出家/劇団「人生旅行」主宰)
一人の俳優を想定して書く、このことが作家にどのような作用を及ぼすのかを考えています。三人が思い描いた「ミネムラさん」は、それぞれ全く違う存在でありながら、どことなく共通するイメージが重なり合っていました。
主人公は深い孤独の中にあり、もう一人の自分と向き合いながら、新たな世界に向けて一歩踏み出そうとしている女性の姿です。
深く掘り下げた結果、同じ源泉に辿り着いたということかもしれません。
もしくはこれが、“1人の人物に当て書きする”ということの成果なのかもしれません。
共に創作する作家の声、演出家や俳優の声、また登場人物である「ミネムラさん」の声に耳を傾け、一つの作品を立ち上げていきます。どんな舞台になるのか今から楽しみでなりません。

■演出:西本由香(演出家/文学座)
三人の作家との共同作業、大変そうだとも思いましたが、それ以上にワクワクしました。それぞれの作家から最初のプロットを受け取った時、その個性の違いに刺激されました。私にとっては初めての試みですが、ひとつの対象を多角的に見つめることで、一人では見つけられないものが見えてくると実感しています。
笠木泉さんの言葉がもつ詩と、細川洋平さんの台詞が醸し出す緩やかなユーモア、山崎元晴さんが構築する精密な劇世界、これらの個性を最大限に活かすべく、気を引き締めて準備を進めています。道のりは平坦ではないかもしれませんが、決して孤独ではない、楽しい道中です。
時空が歪むような、演劇の醍醐味を体感できる作品にしたいと思っています。

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