企業献金 サクサク検索
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毎週月曜日は東京新聞との紙面連動企画。
昨日は東京都議選でしたし、来月には参院選があります。そこで、今朝は国会議員の収支報告書がサクサク検索できるようになった、という記事に注目しました。
政治家のお財布は見えにくいのでよく分からないよね
まずは、街のみなさんが、選挙の際「政治とカネ」について、どう考えて投票しているのかを聞いてみました。
・「ぶっちゃけみんな汚いんじゃないかと思ってて、そこよりもちゃんと国民とか都民とかのためになってるかどうかで見るしかないのかな、あんまりそこ気にしても、もうしょうがないのかなって、ちょっと諦めてます。」
・「ただお金だけ入れて何もやりませんっていうのだとアレですけど、クリーンでさえあればいいっていうわけではないんじゃないかなっていう風にも思うので。ポッケに入れてるだけの人と、ポッケに入れて他にちゃんとやってくれてる人の区別はどうつけるの?っていう話は現実的には難しいんだと思うんですけど。」
・「まずはそこですよね、庶民感覚が分かってる人に入れたいです。みんな黒いかもしれないんですけど、メディアで叩かれてる人は入れたくないですね。まあ、メディアの情報でしか測れないですね。」
・「お金で問題起こしそうな人には入れないです。年に一回この人は、いくらの益がありましたって出ますでしょ?7月に。それはだいたい見ます。(収支報告見る?)見ます、あれは大事!悪いことをしていっぱい儲けてる人には入れません!」
収支報告書をしっかり見てる人がいてビックリしましたが、やはりそういう人は稀。多くの方は、政治家のお財布は見えにくいのでよく分からないし、そういうもんだと諦めている感じ。
民間男性先駆け『政治資金収支報告書データベース』
しかし、最後の方がおっしゃったように、年に一度、一年間の収入と支出をまとめた「政治資金収支報告書」というのが提出され、公開されています。
それを、民間の男性がデータベース化をして、インターネット上に公開したのが『政治資金収支報告書データベース』。どんなものなのか?
このデータベースを構築した、一般社団法人・政策推進機構の代表理事で、東京大学の大学院に在学中の西田尚史さんにお話を伺いました。
一般社団法人「政策推進機構」代表理事 西田尚史さん
『政治資金収支報告書データベース』は、政治家の政治資金の収入支出が分かる、企業と政治団体が政治家に対して、どこにいくらお金を出したのかというのが分かる、あと、キーワード検索が出来るというところで、これは収入支出に限らず、あるキーワードを打ち込んでいただけると、だいたい2400団体くらいのデータの中から、条件に合うものが抽出されるっていうのが出来ますね。まあ商品券みたいなのがちょっと問題になった時に、商品券を他の議員さんが計上している方がいらっしゃるかどうかみたいなのが、サクッと分かると。
政治資金収支報告書自体は、オープンデータとして、ウェブ上で一般公開されているものではあるんですけれども、とにかく今の公開の方法だと、全体を把握するにはホントに大変なので、ホントにサクッと見れるという感覚が大事だなと思ったので、それを目指したというところですね。
とっても手軽に収支報告書が見られるようになったんです。
今までだと、こうでした。
例えば石破さんの場合、政治団体を4つ持っていて、それぞれの政治団体ごとに収支報告書が作られます。そしてそれぞれの提出先がバラバラ。
「石破茂長野後援会」の収支報告書は長野県に、「自由民主党鳥取県第一選挙区支部」の収支報告書は鳥取県に、「石破しげる後援会」と「石破茂政経懇話会」の収支報告書は総務省に、それぞれ提出されているので、それぞれに行って収支報告書を見て、合算して、としないと全体は把握できないんです。かなり大変な作業ですよね。
これが、西田さんが作ったデータベースなら、石破茂と打ち込めば、石破さんの4つの団体の収入支出を合算した内容を見ることができますし、収入の内訳もグラフで確認できます。
<こちらが政治資金収支報告書データベースで検索した、石破茂首相のページ>
<石破さんの収入総額5376万円の内訳もいっぺんに見られます。>
<こちらは石破さんの支出分>
西田さんは、政治とカネの問題が、ここまで長期化していて、それは国会で議論すべきことだと思うが、議論する大前提のデータが国も把握しきれていないというのがあって、このデータベースを作ったと言います。
どういうことかというと、西田さんによれば、国は2023年の企業献金の総額はだいたい85億円というのは知っているが、その内訳はほとんど分かっていないというのを知って、企業献金の是非を検討するのに、その内訳が何なのかが分からければ、生産的な議論ができないのでは、と思ったと。国がやらないなら一個人、民間人の私が、と、データベース作りに乗り出したのです。
今後は、都道府県議、知事、市長などのデータも!
実は、去年、国も今後データベースを作る方針を示しましたが、出来上がるのは2027年とか2028年とされており、西田さんはどんどん先に進んでいきます。
一般社団法人「政策推進機構」代表理事 西田尚史さん
国のデータベース化っていうのも、国会議員の政治団体のデータベース化をやっていきます、と言ってるんですけれども、この『政治資金収支報告書データベース』をリリースして、一番寄せられてる声としては、国会議員もそうなんですけれども、地元の都道府県議とか知事とか市長とかの政治とカネも、できたら見たいという声は寄せられていて、今後は地方議員の政治とカネっていうところも、見ていきたいなと思っていますね。
ホントは都議選前に、都議のデータも入れられたら良かったんですけども、ちょっとそこは間に合わずというところで、今後は他の道府県の選挙には順次間に合わせていこうとは思っておりますが、参院選とかでは、参照として使っていただいてもいいかなと思いますね。
これからデータベースを作る国に対して、西田さんは、少なくともこの水準を下回らないものを作ってほしいですよね、と話していましたが、国が国会議員のデータベースを仕上げる頃には、西田さんは、地方の議員さんたちの分も網羅しそうですね。
誰がどこから、いくらもらっているのか、知りたい人をすぐ調べられます。疑念が晴れるか、確証に変わるかは分かりませんが、我々有権者もしっかり調べて知った上で、判断したり評価したりできるというのは、今後の投票の参考になりますよね。来月の参院選の前に、一度、データベースを覗いてみるのもいいですよね!
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:近堂かおり)