<静岡県高校サッカー>準々決勝注目カード「浜松開誠館vs東海大翔洋」をピックアップ!両チームのキーマンと監督を直撃
第103回全国高校サッカー選手権静岡県大会は11月2、4日に準々決勝4試合が行われる。シズサカ編集部は強豪対決の「浜松開誠館vs東海大翔洋」をピックアップ。中盤の攻防がポイントになりそうな中、両チームのキーマンや、両監督の狙いを紹介する。
両チームは最近10年間で選手権予選では2度対戦。6年前は決勝トーナメント初戦でぶつかり、浜松開誠館が3−1で勝利。4年前は準決勝で顔を合わせ、東海大翔洋が3−1でリベンジを果たしている。
浜松開誠館 MF橘風芽(浜松開誠館中出身)
初戦の浜松湖北戦ではアンカーの1列前に入り、攻守のつなぎ役として貢献。前半23分にはゴール前に顔を出して左足でネットを揺らしてみせた。
一番の持ち味は体の強さだ。会場に掲げられる選手ボードに記されたキャッチフレーズは「戦闘狂」。安定した下半身を生かしてボールを奪い、前線に配球していく。
「自分は技術があるわけではないので、守備で貢献したい。負けたくないという気持ちがあるので、それが球際に出ているのかなと思う」。チームが掲げる「闘う、走る、粘る」を体現する選手だ。
浜松市の芳川サッカースポーツ少年団から浜松開誠館中に入った。昨年は少年男子県代表の一員として鹿児島国体に出場した。
元Jリーガーの青嶋文明監督は「切り替えの早さとボール回収はチームの中でも抜けている。どのチームも1人ほしい選手だろう」と評価。未来がある選手だけに「攻撃の部分で力がつけばもっといい選手になれる」とハッパをかける。
準々決勝の東海大翔洋戦はセカンドボールの争奪戦に注目だ。浜松開誠館が主導権を握るためには、ボールハンター橘の奮闘が欠かせない。
「まずはチームが勝つために、自分ができることをしっかりやりたい」
東海大翔洋 MF西端健(にしべり・けん、バンデリージャ横浜出身)
インサイドハーフの位置で、今大会は3戦連発の4得点。積極的にボールに絡み、機を見て最前線に飛び出していく。破壊力を売り物にするチームの中でも技術と戦術眼が光るプレーヤーだ。
決勝トーナメント1回戦の富士東戦は2ゴールをマークした。1点目はゴール前のこぼれ球を押し込み、2点目はニアに飛び込んでクロスを合わせた。
ゴールが生まれたのはともに、チーム内で「西端タイム」と呼ばれる後半だった。太田恒治監督は「瞬発力はないが、持久力はある。持久走はめちゃくちゃ速い。彼は相手の足が止まった後半に生きてくる」と笑う。
愛称は「ベリー」。バンデリージャ横浜でプレーしていた中学時代、東海大翔洋中との練習試合で度々静岡を訪れていた。個人技を大切にし、ボールを下で動かすスタイルに引かれて入学を決めたという。
準々決勝の相手、浜松開誠館は堅守に定評がある。神出鬼没の西端が相手の3バックとダブルボランチの隙間を突破できるか、がポイントの一つになりそう。相手の圧力に耐えた後の後半、周囲に疲労がたまってきた中で真価を発揮できるか。
「相手は強い。1点を争う勝負になる。だから、1点にこだわっていきたい」
準々決勝、両監督の狙いは…
【浜松開誠館 青嶋文明監督】
「個の力では自分たちは劣っていると思う。粘り強く戦いたい。いつものプリンスリーグで戦っているような自分たちの強度を出すことができれば勝負になると思っている。相手はノリノリで来るだろう。サイドに突破力のある選手がいる?うちもサイドに元気な選手はいるので、逆にバチバチやれればいい。サイドというよりは、違うところで自分たちの強みを発揮できれば」
【東海大翔洋 太田恒治監督】
「ここからはチャレンジャー。いい勝負ができると思っている。ここまでは勝たなければいけないというプレッシャーがあったが、ここからは相手の方が嫌なのでは。相手は迫力をもってガンガン来るだろうから、それに対してディフェンスがしっかりはね返すこと。相手に恐ろしいほどの圧力を掛けられても失点せずにしのぐことができれば、うちの時間帯がくると思う。最初の圧力に耐えられるかどうか。後半勝負に持ち込めるかどうか」