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聴覚障害者当事者団体 手話施策推進法施行で支援拡充期待 横浜市へ手話通訳者増員要望

タウンニュース

手話講座であいさつする市聴覚障害者協会の小島理事長(左奥)

手話の習得や利用、文化の継承を促進する「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」が6月に施行された。これにより、国や自治体の責務が明確化され、手話施策の推進が図られることになった。横浜市は区役所への手話通訳者配置などの支援策を行うが、聴覚障害者団体からは通訳者配置の増員など、支援拡充を求める声が出ている。

同法制定の背景には、2011年の障害者基本法改正で手話が言語と位置づけられ、神奈川県でも15年に「手話言語条例」が施行されるなど、全国で条例制定の動きが広がったことがある。

同法は、手話習得機会の確保や通訳者養成、教育の充実や文化継承などを規定し、それを国や自治体の責務としている。

横浜市によると、24年度末時点で、市内の聴覚・平衡機能障害の身体障害者手帳所持者は9361人。市は聴覚障害者支援策として、手話通訳者を中区役所と戸塚区役所に週2回、各3時間ほど配置する。さらに、全区役所に手話通訳者とつながるタブレットを設置し、行政手続きや相談を受ける体制を整備。市健康福祉局によると、24年度、区役所での手話通訳の利用は88件、タブレット利用は80件だった。

聴覚障害者の生活課題解決や手話講座などを行う横浜市聴覚障害者協会の小島(おじま)天(たかし)理事長は、「昨年4月に改正障害者差別解消法が施行されたこともあり、企業が研修に手話を取り入れるなど、社会の認識が変わってきた」という。

「全区役所に配置を」

同協会は毎年、市に聴覚障害者支援に関する要望を出しており、特に区役所への手話通訳者配置拡充を求めている。小島理事長は「通訳者がいることの安心感は大きく、全区に配置してほしい」と説明し、同法の施行を受けた対応に期待する。これに対し市側は「利用状況などを踏まえ、毎年協議している」という。

市は通訳者配置以外にも職員向けに聴覚障害者対応のガイドラインを示すほか、「市障害者プラン」の次期計画(27年度以降)にも施策を盛り込む方針で、法の施行を受けた対応を進めていく。

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