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Mrs. GREEN APPLE大森元貴による絵本『メメント・モリ』の朗読劇公演が上白石萌音出演で開催 オフィシャルレポートが公開

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朗読劇『メメント・モリ』 

2024年12月14日(土)・15日(日)ところざわサクラタウンにて朗読劇『メメント・モリ』が開催され、この度、オフィシャルレポートが公開された。

本公演は、Mrs. GREEN APPLEのフロントマン・大森元貴が2021年2月にリリースしたソロデビューEP『French』に収録された楽曲「メメント・モリ」。その楽曲とリリックビデオの世界観を基にした絵本『メメント・モリ』の朗読劇。

出演は、映画『夜明けのすべて』(24)や連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(21-22)、舞台『千と千尋の神隠し』などの俳優業をはじめアーティスト活動や執筆業、ナレーターなどあらゆる分野で活躍する上白石萌音。【死】というものに寄り添い、そして、その先には優しく温かい世界が広がっているという、大森元貴の死生観が映し出された『メメント・モリ』を、上白石萌音の語りと音楽と映像で、柔らかく、そして暖かく紡ぎあげる。

絵本『メメント・モリ』は、Mrs. GREEN APPLEの活動休止中に大森元貴がリリースした楽曲「メメント・モリ」を基にして、同曲のリリックビデオでタッグを組んだイラストレーター・大谷たらふと作品の世界観を絵本として作り上げたもの。“死”というものに向き合い、そして寄り添い、その先には優しく温かい世界が広がっているという大森元貴の「死生観」を感じることができる絵本。ファンならずとも、子供から大人まで楽しめる作品となっている。

オフィシャルレポート

3人組バンド・Mrs. GREEN APPLEのフロントマン・大森元貴が手がけた同名楽曲の世界観を基にした絵本『メメント・モリ』の朗読劇公演が12月14日・15日の2日間、ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン(埼玉県所沢市)で開催された。俳優の上白石萌音が読み手、ミュージシャンや舞台音楽の作編曲家として活動する大嶋吾郎とピアニスト・作曲家の栗山梢が演奏を担当。情景が目に浮かぶような上白石の語りに大嶋と栗山が奏でる音楽がエモーショナルに重なり合い、子供から大人まで楽しめる絵本の奥深い世界観を、繊細かつダイナミックに表現し、観客を感動の渦に巻き込んだ。

「メメント・モリ」は、大森が2021年2月にリリースしたソロデビューEP『French』に収録された楽曲で、【死】というものに寄り添い、その先には優しく温かい世界が広がっているという、大森元貴の死生観が表現されている。その後、イラストレーター・大谷たらふとコラボしたリリックビデオが公開され、そこで描かれた映像世界が絵本化された。本公演は同絵本を朗読劇化したものとなる。

公演は、ライトが落とされた会場に鼓動音が鳴り響き、大嶋と栗山による「メメント・モリ」(インストゥルメンタル)の生演奏で開幕。ステージ上のスクリーンに本作の主人公・ボクのイラストが映し出されると、曲に合わせて会場から自然と手拍子が湧き起こる。上白石の朗読への期待感がひしひしと伝わる雰囲気だ。

演奏後、上白石がステージに登場し、ピンスポットライトに照らし出される中、ボクとして身の上や心情を一人語りしていく。世界や人生のさまざまなことに疑問や関心を持つ子供の心情を表現する語りには、透明感あふれる上白石の声質が見事にマッチ。また「いつか旅立つ日がくるでしょう。わかっているけどどんなだろうな」などの印象的なセリフに合わせて、アレンジされた「メメント・モリ」のフレーズや、時折差し込まれるSE的な役割を果たす音が生演奏で表現され、朗読との相乗効果で物語を彩っていた。

上白石萌音

上白石の情感たっぷりな声で朗読されるおじいちゃんとおばあちゃんとの思い出は、温かみがたっぷり。おじいちゃんとおばあちゃんが天国へと旅立った後、修道院での暮らしについてしっとりと話す口調とのコントラストが絶妙で、ボクの2人への厚くて深い想いがしっかりと伝わってくる。さらに、ボクの家族であるおじいちゃん、おばあちゃん、馬のパカラ、猫のニャーゴといった各キャラクターを巧みに演じ分ける上白石の圧倒的な表現力が、物語への没入感をグッと高めていた。

物語の中盤、おじいちゃんとおばあちゃんがいる天国への興味が尽きないボクは、パカラと共に天国探しの旅へ。探し続けても見つからず、やがて夜となり疲れたボクは眠りにつくのだが、ボクの暗闇への恐怖心をかき立てるような音楽と、ボクがパカラに抱かれて眠るシーンでの柔らかな曲調が、ボクの心情を補完するかのようで印象的だった。

物語の見せ場の一つでもある、ボクが天国のような世界を体感するシーンでは、軽妙なサウンドで幸福感や楽しさを演出。その後、ボクが自問自答していくシーンは本作のテーマが色濃く反映されており、静かながらも力強い上白石の語りと相まって、観客の心に深く強く訴えかけていく。

特に、天国のような世界でおじいちゃんとおばあちゃんに再会し、ボクが「会いたかったよ」と心の底からの叫びを連呼するシーンは圧巻だ。そんな上白石の熱演は、ボクがたどり着いた天国への一つの“回答”に説得力を持たせ、ボクの成長をも感じさせるかのよう。上白石が発するひとつひとつの言葉が心に響き渡り、観客たちは深くうなずくように聞き入り、所々ですすり泣く声も漏らしていた。

上白石が最後のセリフを朗読した後、バラード調にアレンジされた「メメント・モリ」を生歌唱。切々とした中にも温かみあふれる伸びやかな上白石の歌声は、物語のクライマックスを感動で包み込み、多くの観客の涙を誘った。

降壇後も、拍手が鳴り止まない会場にオリジナルの「メメント・モリ」が流れると、カーテンコールで上白石がステージに再登場。観客に向けて深々とお辞儀をすると、再び大きな拍手が贈られた。

“死”というものに向き合い、寄り添い、その先には優しく温かい世界が広がっているという大森の「死生観」が描かれた本作。楽曲から絵本、そして朗読劇へ。

公演前に大森が寄せていた「表現がさまざまな形に変わり、また届いていく、作家として本望です」という言葉通り、この日「メメント・モリ」は上白石の圧倒的な表現力による朗読によって新たな息吹が与えられ、楽曲が持つ意味の深さがより浮き彫りとなったように感じられた。

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