身近な水路で楽しめる大物釣り【パン鯉】を満喫 フルドラグでパワー勝負を制す
ここ最近は小物釣りがメインだったので、今回は久々の鯉釣りへ。手軽に買えるパンを使ったパン鯉をしてきた釣行記事になります。
水路でパン鯉釣り
まだ水路に水がない時期のため、深場がありかつ鯉が溜まる場所を求めて釣場探しからスタート。春や夏場では水がある場所も、この時期では水が全くないなんてことはザラ。ですが水がある程度ある場所では、魚の位置が絞り込みやすいのもこの時期ならではです。
ロッドはベイトのシマノBASS ONE(R)。ラインは14lb。フックは本来チヌやセイゴ用が好ましいですが、今回はバス用のUNDERSHOT TWISTのサイズ1を使用しました。
バス用でも鯉に対抗できるフックと対抗できないフックがあるので、安定を取るならチヌ、セイゴ用のフックが望ましいです。パン鯉はフロートと呼ばれるウキを用いることが多いですが、まだ春前ということもあり鯉も警戒心が高いと読み、ノーシンカーで釣ることに。釣る場所が水路ということもあり、人影を見られるとすぐに逃げるのでなるべくシンプルな仕掛けで挑むことを筆者は心がけています。
パン鯉と名がつく通り食パンで鯉を釣るのが目的ですが、パンが無い時の筆者はポップコーンや菓子パンを使います。ですがエサの強度面を見ると圧倒的に食パンが群を抜いているので、食パンに勝るモノはないと思っています。
鯉の集団を探す
田んぼ近くの水路をメインに場所探し。水がある程度あり鯉が群れでいる場所がすんなり見つかったため、すぐさま準備に取り掛かることに。
釣り開始時刻は15時近くから。準備している間は、鯉の集団が消えていないか水面をチラチラ見ていました。筆者は準備している時に限って魚が消えているなんてことがよくあるので、どうしても魚から目が離せません。
パンを撒いて様子見
鯉がたくさんいてもパンに反応しないと意味がないので、まずはパンの白身部分を撒いて様子見。少し練って沈められるようにしたモノと水面に浮かせたモノの二通りで鯉の反応を伺いました。早速浮いているパンに反応を示したため、楽勝だと思い仕掛けを入れるもその仕掛けのパンにだけ反応しない鯉たち……。ラインの存在に気付いているのか、それとも筆者の気配を感じて食べないのか。
原因が分からず撒きパンにだけ反応し続ける事30分弱。このままではどうにもならないと感じ、気配が悟られにくい遠投での勝負に切り替えました。一人釣行だったため写真は撮れていませんが、姿勢も狙撃手のような感じで釣り竿を構えて鯉たちの当たりを待つことに。
フルドラグで奮闘
少しばかり流れもある中ゆっくりとパンを流し、鯉の鼻先へ仕掛けを送り反応伺い。水面での捕食は慣れていないのか、何度も食いきれないもどかしい展開が続き、ようやっとパンが吸い込まれ一気にフッキング。
ようやっと掛かったと思うも、すんなりとは寄らないのが鯉。水中を駆け巡りロッドに伝わるその力は重戦車を思わせるかのような引き。負けじとこちらもドラグをフルに締めパワーで対抗。久々の大物との戦いは実に楽しいモノでした。
秘儀 「穂先外し」
そのまま引きを楽しむこと約15分。ここで思わぬアクシデントが発生。取り込もうとした場所がアシに邪魔され取り込めない事態に。この日は鯉釣りで大事なランディングネットを忘れてしまったためズル引きもできない……。無理を承知で、筆者はある技で鯉をリリースすることに。
まず鯉を疲れさせるために空気を吸わせ足元へ誘導。こちらに寄って来るようにリールのラインを巻けるだけ巻き、ロッドをフックの先端部分に近づけさせます。そしてトップガイドがフックに触れたことを確認したらロッドを前方へ押し出しフックを外す。大物が掛り素早くリリースする際に用いる穂先外しです。ただしこの技は「フックが飲み込まれていない」、「バーブレス」の2条件を満たしていないとできません。また鯉が暴れたら最悪穂先が折れる危険性も。筆者は幸いにもまだ折られたことがありませんが、この方法を用いる際は鯉を十分に疲れさせるなど、条件が多い技になります。
フックを外した後、鯉は悠々と泳いでいたため一安心。サイズは図れませでしたがかなりの大物だったため満足し、時間も17時に差し掛かっていたので今回は1匹で納竿。次は準備を怠らずまだ見ぬ大物を求めて行きたいと思います。
<泉陽登/TSURINEWSライター>