内窓の効果は約10℃の差!?電気代は1年で約1万円の削減できる結果も「先進的窓リノベ2025事業」
夏場の1日あたりの電力消費量1位はエアコン
数年前までは見かけなかった空調服やハンディファンも当たり前になった夏の光景。省エネやCO2削減の工夫も大事ですが夏を快適に過ごし、熱中症を引き起こさないためにもエアコンを使わないわけにはいきません。
暑さ寒さの原因は窓⁉
窓やドア、カーテンウォールなどの商品開発・販売を手掛ける建材メーカーYKK AP。2024年からは県内のアルミサッシメーカー金秀アルミ工業とともに、沖縄の住まいをより快適にする取り組みを進めています。 その取り組みのひとつが今ある窓の内側にもうひとつ窓をつける内窓導入の推奨です。 窓は家の中で熱の出入りが多い場所なので、暑さ寒さの原因になります。内窓を付けることで窓と窓の間に空気層が生まれ熱が伝わりにくくなり断熱につながるのです。
内窓の効果は?
体感機でその効果を確かめてみました。体感機には外側に一般的なアルミの窓、内側に「内窓」が設置されています。設定上の外気温は39.3度。外窓のみの場合フレームの温度は39.2度、ガラスは37.5度でした。一方、内窓を設置した場合のフレームの温度は30.6度、ガラスは26.7度とガラス・フレーム部分ともに10度近くの差になりました。フレームには熱を伝えにくい樹脂を使い、ガラス部分には特殊なコーティングをすることで断熱効率を高めています。
内窓の設置で冷暖房の効率がアップし電力消費を減らせます。さらに防音性も高まるので騒音対策にも効果的です。 また1年間で約1万円、冷暖房費を削減できるというシミュレーション結果も。内窓の導入は地球環境とお財布に優しい取り組みなのです。
官民一体となって取り組む窓のリフォーム
窓の断熱化を進める動きを政府も後押ししています。 環境省では家庭からのCO2排出量の削減を目的に「先進的窓リノベ2025事業」を実施。今回のような窓の断熱リフォームに今なら一戸当たり5万円から最大200万円までの補助金が出ます。 このように官民が一体となって取り組むことで日本では2050年までにカーボンニュートラルの達成を目指しています。
一方で課題もあります。 補助金の申請については国に事業者登録をしている施工業者しか請け負えません。いまだ未登録のところも多く、YKK APでは施工業者へ登録を呼びかけています。 今後、内窓の導入を推進しCO2の削減を実現するためには、行政・メーカー・施行業者・県民が一体となった取り組みが必要といえます。