【北区衣笠】笹屋守栄|世界遺産の金閣寺が手のひらに『鹿苑』
こんにちは。ライターの森山あゆみです。
「目で楽しむ逸品~京都×焼き印グルメ探訪~」第5回目は笹屋守栄が販売する『鹿苑』をご紹介します。
季節の和菓子とアートに包まれるひととき「京菓子司 笹屋守栄」
京都市バス「わら天神前」から西大路通を北へ徒歩1分。
世界遺産の金閣寺をはじめ、桜の名所として有名な平野神社、学問の神様「菅原道真」を祭る北野天満宮など数多くの寺社仏閣からほど近くに京菓子司 笹屋守栄はあります。
コンクリート打ちっぱなしのモダンな外観を抜けて店内に入ると、ショーケースには季節感あふれる和菓子が美しく並んでいます。
まるで赤ちゃんのほっぺたのようにふわふわな代表銘菓『うぶ餅』、堂本印象美術館のステンドグラスをモチーフにした羊羹『光る窓』は思わず目を奪われます。
筆者が訪れた7月には、涼を誘う京都の夏の風物詩『あゆ』や、つるんと涼しげな『葛まんじゅう』が。
「おいしさで まごころ贈る おてつだい」がモットーの笹屋守栄。
こちらのお菓子は、なんと製造から梱包まで、すべて手作業で作られています。機械は一切使わず、ひとつずつ丁寧に仕上げられるお菓子たち。そのぶん、たくさんは作れませんが、ご主人は「顔の見えるお付き合い」を大切にしながら、地元のお客さまとのつながりを大事にされています。
昔ながらの手仕事と、まごころのこもったお菓子。そんな温かさが、地元の人たちに愛され続けている理由です。
また、近代日本画の巨匠・堂本印象とゆかりの深い同店では、原画をもとにデザインされた掛け紙や化粧箱でお菓子を包んでくれます。
堂本印象画伯をはじめ、弟子にあたる三輪晁勢画伯や三輪晃久画伯の美しい絵画があしらわれた包装は、見た目にも特別感たっぷり。
上品で芸術的なパッケージは、贈り物にもぴったりです。
手のひらに世界遺産 見ても食べても嬉しい和菓子『鹿苑』
今回は世界遺産の金閣寺の焼き印が入った『鹿苑(ろくおん)』をご紹介します。
金閣寺の正式名称・北山鹿苑寺(ほくざんろくおんじ)にちなんで名付けられた和菓子『鹿苑』。お店の近くに金閣寺があることから誕生しました。
金閣寺は三層構造で、それぞれ異なる建築様式が用いられているのが特徴。
一階は寝殿造、二階は武家造、三階は禅宗様。そして、屋根の上には優美な鳳凰が飾られています。
そんな荘厳な金閣寺の姿が『鹿苑』の表面に焼き印で見事に再現されています。
このオリジナルの焼き印は、京都の専門業者に特注で依頼したもの。素晴らしい意匠に、味わう前に思わずまじまじと見入ってしまいます。
見た目にも京都らしさがたっぷり詰まった一品は、観光のお土産としても人気。
そんな『鹿苑』で特にこだわっているのは、京都丹波産大納言を使ったあんこ。
素材の持ち味を生かしたつぶあんは、ひと口含むとふんわりと小豆が香り、ほどよい粒感とともに、すっきりとした上品な甘さが口いっぱいに広がります。
その餡を包むのは、卵と牛乳をたっぷり使ったモチモチの生地。しっとりとした口当たりとやさしい甘さがつぶあんと絶妙に調和し、ひとつ食べるごとにほっと心がほどけるような味わいです。
お茶とのペアリングも相性抜群!
芸術のような焼き印と、丁寧に仕立てられた味わい。
京都の風景をそのまま閉じ込めたような『鹿苑』で、特別なひとときをどうぞ。
■スポット情報
店舗名:京菓子司 笹屋守栄
住所:京都市北区衣笠天神森町38
電話番号:075-463-0338
営業時間:9:00〜17:30
【定休日】毎週水曜日と第2、第4火曜日
交通:京都市バス「わら天神前」徒歩1分