新潟県見附市の新たな居場所、子どもたちの自立を支援する放課後等デイサービスとフリースクール(合同会社すいみー)
施設の管理者として支援を行う太田正孝さん(写真左)と、コミュニティマネージャーとして勤務する小林友梨さん(写真右)
新潟県見附市を拠点に、放課後等デイサービス「フレデリーしんまち」と、フリースクール「マシュー」を展開しているのが、合同会社すいみーである。同市商店街の中心部に位置するという立地も影響し、今年2023年5月1日のオープン以来、利用者の数は着実に増加している。
この施設の特徴は、元々住居を改装して利用しており、キッチン、洗面台、洗濯機などの生活のための設備が完備されている点である。そのため、机上の課題に取り組むだけでなく、掃除、洗濯、食事作りといった生活自立に向けた経験も積むことができるようになっている。
元々民家だったという施設。生活設備が完備されている
代表社員の佐藤正男さんは、生まれたときから児童養護施設で育ち、4歳頃からは里親の元で育てられた。その事実を30歳手前で告知されてからは、「地域の人に育ててもらえたことへの感謝を胸に、社会貢献の一環として児童福祉施設を運営する決意を抱いた」という。その第一歩として、見附市での放課後等デイサービス事業と、不登校支援のフリースクール事業を開始した。
保育士・幼稚園教諭の資格を持ち、コミュニティマネージャーとして勤務する小林友梨さん(35歳)は、もともと別の福祉施設勤務していた。すいみーの立ち上げに伴い移籍し、佐藤さんたちと共にフリースクールの運営に尽力している。自らも子育てをする立場として、「子どもたちの未来の可能性を大事にしたい」と、思い日々活動している。
施設の管理者として支援を行う太田正孝さん(38歳)も、以前は別の放課後等デイサービスで働いていたが、日々子ども達と関わる中で、不登校支援の必要性を感じていた。その折に、佐藤さんらと出会い、話し合いを重ね、同事業所の立ち上げに加わった。
「フリースクール」「マシュー」では、「自分にとってカッコいい自分を選べる人」「成長し続ける人」「他人に優しく、自分にも優しくできる人」の三つを目指す人物像としている。
太田さんの中で、好きなことのために自分で気がついて、そのための必要な学びを自ら獲得していく形となれば子どもたちが頑張れるのではないかと考えてサポートをしている。
なかなか広々とした空間のなかで、子どもたちはそれぞれ、自分たちの時間を過ごす
「やりたくない、めんどくさいけど、ちょっと頑張ればできることも大切なこと。当施設がやりたいことを見つけるきっかけとなって欲しい」と話してくれた。
フリースクールには、繊細でデリケートな子どもが通うことも多いため、一人ひとりに合った体験期間を設け、本人が慣れるまで自由に通えるようにしている。実際に通い始めた子どもたちが元気になる様子を見て、保護者の中にはその変化に驚く人もいるのだという。
また、放課後等デイサービスでは「療育そのものの、質を下げないで、子ども達や保護者だけではなく、職員にも過ごしやすい環境となれるようにこれからも事業を継続させていきたい」と、太田さんは語った。
こちらは「フレデリーしんまち」の一室。清潔感があり、開放的だ