「みとりケア」で知った、人として寄り添う尊厳のカタチ。私が現場で学んだ命の重みと温もり【体験談】
介護の仕事に携わるようになってから、私は「みとりケア(終末期の患者や利用者に対しておこなわれる総合的なケア)」というものについて深く考え始めました。
別れが近づいていても
みとりだからといって、当たり前のように人権を蔑(ないがし)ろにすることはできません。食事や入浴も、利用者さんができる範囲で無理なくおこない、もし強く拒否された場合でも、時間を置いて再度アプローチを試みるなど、試行錯誤を重ねながらケアを続けています。
やがては別れが訪れるとわかっていても、最後まで利用者さんを尊重し、寄り添い続けます。そのとき、たとえ嫌われているように感じたとしても、介護職員として誠実に行動し、人権を守りながら務めを果たすことが私の役目だと思っています。「いつ亡くなっても仕方がない」などという考えに流されず、一人ひとりの人生に真摯に向き合うことが、みとりケアの要だと感じています。
厳しさの中にやりがいも
介護の現場はたしかに大変な部分もあります。排泄介助や入浴介助だけでなく、デスクワークやレクリエーションの企画など、多岐にわたる業務を担うからです。しかし、そのすべてが利用者さんの安心で安全な生活につながり、喜んでもらえたときのやりがいは大きいと、私は日々実感しています。
尊い仕事だと自負
「介護は底辺だ」という声を耳にすることもありますが、実際に介護の現場で働いてみると、その考えがいかに浅はかか痛感させられます。人が人生の終わりを迎える瞬間に寄り添い、その方の思いや尊厳を守り続ける……そうしたかけがえのない体験ができる仕事だと感じています。
まとめ
このように、介護の仕事は厳しさと同じくらい大きなやりがいがあり、みとりケアを通じて多くを学ぶ日々を過ごしています。1人でも多くの方に、この仕事の尊さややりがいを知ってもらえたらうれしいと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:山内大輔/30代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)