夏の主役たち⑤ サッカー女子 着実にレベルアップする柳ケ浦が日本一を目指す 【大分県】
サッカー女子の柳ケ浦は九州高校体育大会で準優勝、九州で2枠しかない全国高校総体の出場権を獲得した。17日の東海大福岡との決勝では、準決勝に続き延長戦にもつれ込んだものの、あと一歩及ばず0-1で惜敗した。ただ、2月の九州新人大会では0-3で負けた強豪校に対し互角以上に戦い、成長した姿を見せた。
年末年始にあった全日本高校女子サッカー選手権大会で3位となった柳ケ浦は、その時のメンバーの半数が主力となり、4月に新1年生を加え、新たなチームとしてスタートした。林和志監督は「全国3位になったことで全国レベルの練習ができている。チームとして大きな財産となっている」と話す。3年生を中心に、練習から一つ一つのプレーで勝ち負けにこだわり、ボールを失った選手は全力でボールを奪い返そうとする雰囲気があるという。
九州高校体育大会では、前線からの守備が機能し、球際の勝負で圧倒した。特に決勝は試合の入り方が良く、前半は相手にシュートを打たせない強度の高い守備を見せ、セットプレーから決定機もつくった。それだけに無得点に終わったことが悔やまれる。後半は連戦の疲労で足が止まり、劣勢になった。キャプテンの高松芹羽(3年)は「前からの守備は後ろも連動し、ボールを奪い切れるようになった。自分たちのペースで試合を進めていただけに得点できなかったことが悔しい」と唇をかんだ。
試合後に悔し涙を流す選手が多かったのは、九州王者となって全国高校総体に出場するという強い思いがあったからこそ。準決勝で2得点し、勝利の立役者となった村上凜果(1年)は、「高校に入って調子が上がらなかったが、この大会で持ち味を出せるようになった。それだけに決勝で得点できなかったことが申し訳ない」と声を震わせた。
3年ぶり5回目の出場となる全国高校総体では、日本一が目標となる。林監督は「1年生が試合で活躍することで、2、3年生が奮起するはず。誰が出ても戦力が落ちないようにチームの底上げしたい」と話し、高松は「簡単にシュートを打たせない守備とゴール前の決定力の精度を高めたい。全国選抜を上回る成績への期待を感じるが、目の前の試合に集中するだけ。結果はその後についてくる」と気負いはない。
(柚野真也)