残りわずか4店舗…アウトレット「レラ」が“廃止”気になるその後は?【北海道・千歳市】
経営不振が続いていた「千歳アウトレットモール・レラ」が、11月1日「大規模商業施設」としての事実上の運営を終えました。
空港や駅に近いにも関わらず、なぜ20年足らずでこの日を迎えたのでしょうか。
11月1日の「千歳アウトレットモール・レラ」は、記者が中を一周してみても、ほとんどの店舗の窓ガラスやドアに紙が貼られ、まさに閑散としています…。
ピーク時は、140を超えるテナントがひしめいていたレラ。
しかし、売り上げの不振でテナントの撤退が相次ぎ、店の面積も当初の6分の1まで縮小したため、現在の設置者が北海道に店舗の「廃止」を届け出。
事実上、11月1日で施設の運営を終えました。
いま、施設内では、契約期間が残っている飲食店など4つの店が営業しているだけ。
それでも根強いファンが訪れていました。
兵庫から来た人は「北海道旅行が好きで、来るたびに訪れている。顔見知りの店員もできたから、すごく寂しい。いつの間にかなくなっちゃって…」とさみしそう。
東京から来た人は「北海道にいたことがあって、思い出がある場所。レゴブロックを買ってもらって、楽しみでフードコートで箱を開けちゃったり」と振り返ります。
新千歳空港にも近いため、この日も外国人観光客がありました。
タイから来た人は「日本食レストランに来た。とてもおいしかった」と満足そうでした。
北広島との集客合戦で…
レラは2005年、北海道内最大規模のアウトレットモールとしてオープン。
「型落ち」や在庫で残った高品質のブランド品が手ごろに買えるとあって、多くの客が押し寄せました。
しかし5年後、三井アウトレットパーク札幌北広島のオープンで集客合戦が激化。
ラグジュアリーなブランドを数多く揃えた三井に対し、レラは、ターゲットをインバウンドに絞り差別化を図りましたが、新型コロナの感染拡大で客が激減しました。
さらに、理由がもうひとつあったと帝国データバンク札幌支店の渡辺雄大情報部長が指摘します。
「同じアウトレットモールでもレラは『屋外型』。三井アウトレットパークは『屋内型』。天候によって『屋外型』は滞在時間が短くなり、売り上げが厳しい」
雨や風、雪がしのげない施設のカタチが、売り上げが伸びなかった要因と見られています。
レラは、残るテナントとの契約が満了した時点で、完全に閉館する見通しですが、気になるのは「その後」です。
「国家プロジェクト」の一助になる?
レラからわずか4キロほどの地点で建設中なのは、半導体メーカー「ラピダス」です。
建物の全体像もようやく見えてきました。
次世代半導体の量産を目指す国家プロジェクト、ラビダスの周りには関連企業の進出が相次いでいます。
もともと千歳市は、札幌のベッドタウンとして若い世代に人気のマチ。
さらに、ラピダス関係者による人口の急増で、住宅地不足が今課題となっています。
帝国データバンク札幌支店の渡辺雄大情報部長は「工場が稼働するとなると、従業員が必要になり、住宅が必要になる。レラの跡地は宅地などが利用用途としてある」とみています。
道内「アウトレット」の一時代を築いたレラ。
今後は、国家プロジェクトを支えることになる…かもしれません。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年11月1日)の情報に基づきます。