「SHOGUN 将軍」シーズン2、10年後が舞台になる理由が判明 ─ 真田広之「夢は大きい方がいい、チャンスが来た時に慌てぬよう準備を」
世界を席巻した時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」シーズン2では、シーズン1から「10年後」が描かれる。このタイムジャンプには、とある狙いがあるようだ。香港ディズニーランド・ホテルで開催のプレス向けイベント「・オリジナル・プレビュー 2025」に登場した真田広之、プロデューサーのジャスティン・マークス&レイチェル・コンドウが語った。
シーズン1は米エミー賞にて歴史上最多18冠を受賞。真田広之は日本人として初めて主演男優賞に輝く快挙を成し遂げた。
前シーズンが世界的な賞賛を浴びたことについて真田は、「私にとっても大変な驚きでした」と壇上からコメント。「特にプロデューサーとして、主演俳優としてトロフィーをいただけるとは、バンクーバーで数年前に撮影していた時には想像もできなかった」と噛み締めた。
世界絶賛を受けて決定したシーズン2では、ジェームズ・クラベルによる原作小説の“その先”をオリジナルで描く。「プレッシャーも感じているが、シーズン1からのチームワークと新キャストがいる。早く撮影に入りたい。プレッシャーを逆に強さに変えて、より良いシーズン2を作りたい」と真田は意気込んだ。
シーズン2の舞台は、シーズン1から10年後のタイムジャンプがある自身が演じた吉井虎永については、「10年後だから、彼も歳をとって物静かになっているかも」と笑った。
10年の時間差を設けた理由について、真田と共に登壇したプロデューサーのジャスティン・マークスは「シーズンごとに制作に時間がかかる。視聴者からしても、せっかくハマったのに、シーズン2の配信は3年後、それなのに劇中では前シーズンから5分くらいしか経っていないという時間感覚だと、狂う」と説明する。「だから“10年後”というタイムジャンプを使うことで、改めてキャラクターに出会えるように。10年の間に彼らの人生がどうだったのか、キャラクターを再発見していただきたい」。
さらにマークスは、「SHOGUN 将軍」を「サーガ」と表現。「戦国時代からいかに平和を見出すのかを描きます。日本史をベースにしていますが、シーズン2ではシーズン1と同じように壮大で美しいものに。全く想像しないところでラブストーリーも描きます。戦と戦の代償の物語です。現在はパート2の戦のシーンを作り込んでいるところ。ここまでのスケールや悲劇、人間性は見たことがないようなもの。驚くようなものを作る予定です。この作品のストーリーテリングの基盤は史実です」。現在はセットの建設に励んでいるところだ。
シーズン1で若手俳優たちと共演したことについて、真田は「非常に良い経験になった」と謙虚に振り返る。「若い俳優陣と仕事をするのは刺激的で、むしろこちらが学びになる。プロデューサーとしても参加したので、役者の先輩として以上に、準備段階から現場でアドバイスすることができた。刀の動きや収め方も、責任を持って教える立場。彼らの成長を見るのが嬉しくて、良いテイクが撮れた時は、自分が成功した時以上に楽しくて。親のような気持ちでやらせていただきました」。
さらに真田は、「5歳で子役から俳優生活をスタートし、日本で40年、ハリウッドで20年。その経験全てをシーズン1でつぎ込んだつもりです。それが評価されたのは、自分の人生にとっても大きなポイントとなりました」と噛み締める。「ここまで関わっていただいた全ての関係者の方、先輩方とか、先生方の顔が授賞式で毎回浮かんで。ある意味、一つの恩返しがこれでできたのかなと。これを励みに、もっと頑張れよと(言われたような)、還暦過ぎた体に鞭打って頑張ろう、と思わせていただきました」。
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シーズン2では、水川あさみや窪田正孝、金田昇といった新キャストが加わる。真田は、「SHOGUN 将軍」が日本の才能を世界に紹介するプラットフォームになると考える。日本の俳優たちの未来に向けて、壇上からメッセージを語った。
「日本人の俳優やクリエイターだけでなく、アジアの若い才能にチャンスが広がると思います 昔は夢だと思われていたことが、やれば叶うこともあるんだというメッセージになったのではないか。夢は大きい方がいい。自分にチャンスが回って来た時に慌てないように、今から言葉や演技、身につけるべき身体的な動きも含めて、やっていただければ、いつでもまたこういうチャンスが来ると思います。『SHOGUN 将軍』というプラットフォームも、若き素晴らしい才能にチャンスを与え、世界に紹介するチャンス。とにかく夢を持って、自分を信じて、前を見て進んでほしいと思います」。
最後にマークスはシーズン2について、「これは日本の時代劇ですが、歴史で何が起こったかを知っている方でも、新鮮に驚いて興奮していただける捻りが入っています。ぜひ期待していただきたい」とアピールした。
「SHOGUN 将軍」シーズン2には、新キャストとして水川あさみが綾(あや)役、窪田正孝が日向(ひゅうが)役、金田昇が秀信(ひでのぶ)役、榎木孝明が伊藤(いとう)役、國村隼が郷田(ごうだ)役として参加。
シーズン1からは、主人公・吉井虎永役の真田広之、英国人航海士・按針役のコズモ・ジャーヴィス、落葉の方役の二階堂ふみ、戸田広勝役の阿部進之介、樫木央海役の金井浩人、桐の方役の洞口依子、マルティン・アルヴィルト司祭役のトミー・バストウ、吟(ぎん)役の宮本裕子、佐伯信辰役の奥野瑛太、お菊役の向里佑香が続投する。
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脚本はシーズン1からジャスティン・マークス&レイチェル・コンドウが続投。監督にはシーズン1からヒロミ・カマタ(第6話『うたかたの女たち』)と福永壮志(第7話『線香一本の時』)が復帰し、新たにマークスが監督チームにも加わるほか、「ロキ」のケイト・ヘロン、「ピーキー・ブラインダーズ」などのアンソニー・バーンも参加する。
「SHOGUN 将軍」シーズン1は、ディズニープラスで全話独占配信中。シーズン2の撮影は2026年1月に開始される。
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