世界初!3Dプリンターで「鉄道駅舎」作ります 第1弾は和歌山県のJR初島駅
「当日の施工時間(組上げ~躯体完成)は終電から始発までの約6時間を想定しています。これにより、現場での作業が大幅に効率化され、在来工法(鉄骨造や鉄筋コンクリート造)と比較して、工期の短縮効果が期待されます」
JR西日本・JR西日本イノベーションズ・セレンディクスの3社は11日、建築用3Dプリンターを活用した駅舎の建設について、その第1弾の実施が決定したと発表しました。対象駅は和歌山県有田市、JR紀勢本線の初島駅です。
3社は老朽化した木造駅舎などの建替えに伴い、建設用3Dプリンターを活用した駅舎建設の実現に向けて検討を進めてきたといいます。実現すれば、3Dプリンティング技術を用いた駅舎建設は世界初の事例となります。
【参考】3Dプリンターで鉄道施設ができる!? JR西日本、グループで兵庫県のスタートアップ企業に資本参加(兵庫県西宮市)
https://tetsudo-ch.com/12962417.html
新駅舎はおよそ10平方メートル弱の平屋建てとする計画です。基礎部分を含めた外形を最新の3Dプリンター技術を用いて出力し、そのパーツに鉄筋・コンクリート充填など必要な処理を行ったうえ、現地で組み立てます。
鉄筋コンクリート製であるため、耐久性や耐食性に優れており、型枠を使用する必要もないことから従来のプレキャスト工法と比べると造形の自由度が高いのも特徴。今回の駅舎の壁面には有田市の名産である「みかん」「たちうお」をイメージしした装飾を施します。
3社は本プロジェクトで建設および維持管理にかかるコスト効果を詳細に検証。これを基本モデルとし、他駅への展開可能性を検討していくということです。
(駅舎イメージは3社のプレスリリースから。意匠設計:株式会社ヌーブ一級建築士事務所 太田浩史(おおた・こうじ)一級建築士、西日本旅客鉄道株式会社大阪一級建築士事務所。構造設計:株式会社KAP 一級建築士事務所、西日本旅客鉄道株式会社大阪一級建築士事務所)